*2000年02月28日:「大宅壮一文庫」
*2000年02月29日:半可通について
*2000年03月01日:シャイな私
*2000年03月02日:「ビッグマガジン」届く
*2000年03月03日:買うべし
*2000年03月04日:CDをおびやかすもの
*2000年03月05日:「大宅壮一文庫雑誌記事索引総目録」
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*2000年02月28日:「大宅壮一文庫」


 先日の手塚MLオフ会で、Kさんに「大宅文庫は調べましたか?」、と、尋ねられていたのを思い出した。これまで主として、国会図書館と現代マンガ図書館で調査してきたのだが、既に煮詰まり状態で、これ以上の新発見は難しくなっていたのだ。確かにこの両図書館が、漫画(雑誌)の調査に関しては、もっとも主要で有力な情報源であることは確かだが、他にも特徴ある図書館は、いろいろ存在するのである。

 「大宅文庫」(「大宅壮一文庫」)の名は知っていたし、なんとなく気にかけてはいたのだが、いままでアクセスしていなかった。さっそく、サーチエンジンで調べてみる。案の定、「大宅壮一文庫」という公式ページがあった。

 交通の便は、問題なし。入館料はともかく、コピー代金が少々高いが、問題になるほどではない。それより気になるのは、1日に最大50冊しか閲覧できないらしいことだが..まぁいいや。

 所蔵雑誌のリストが、このページには無い。(主要雑誌のリストしかない。)来館前に電話で確認して下さい、と書かれているが、私の捜索雑誌は、とにかく種類が多いので、気が引ける。検索できればいいのだが..お、リストのCD−ROMがある..うわ、激高。[;^.^]

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*2000年02月29日:半可通について


 ATMが、かなりの広範囲でY2Kトラブル。またしても意表を突かれた。私は、今年は、2/29のトラブルは“起こらないだろう”、と、予想していたからである。

 一応、おさらいをしておくと..西暦が4の倍数の年は、閏年なのだが、


A.100で割り切れる年は、閏年ではなく、
B.400で割り切れる年は、閏年である。

 つまり、西暦2000年は“B.に該当するので”閏年なのであるが..

 まず、世の中の大多数のシステム(カレンダーIC等も含む)は、上記のA.もB.も知らず、単純に、2000は4の倍数なので閏年、と、“結果的に”正しい処理をするであろう。(無知の勝利。)

 そして、ごく少数の、それほど間抜けではないシステムが、上記の例外条項を知っており、そのシステムは必ずや、A.もB.も知っているであろう。つまり、A.だけ知っていて、B.を知らない、などという中途半端なシステムは、存在しないであろう..と、考えていたのだが..

 ..あったんですねぇ。一体、どういう参考書を情報源にして設計したんだろう?

 教訓:

 半可通が、一番、はた迷惑。

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*2000年03月01日:シャイな私


 私は、「日本人の良くない癖」、とされているもののうちひとつを、しっかりと持ち合わせている。つまり..「人と会話をする時に、目をそらしがち」なのである。

 確かに、これは印象が良くない。数年に一度受講させていただく「研修」の類で、(会議をシミュレートしているシーンなどでの)自分の姿を撮ったVTRを観て、痛感している。

 他意はない。単に“シャイ”で、見つめ合っていると“照れてしまう”からなのだが..しかし、全く平気で見つめ合える相手もいるのだから、良くわからない。この「見つめ合える/見つめ合えない」は、日頃長時間会っているか/否か、初対面か/否か、上司か/部下か、男性か/女性か、下心があるか/無いか、などに依らないのである。

 なんにせよ、目をそらすのは、失礼なこと。そんな私が編み出した、「照れずに相手の目を見つめる事ができる」秘法を、公開しておこう。

 それは、「瞬き(まばたき)を多めにする」ことなのである..

 ..すると、あ〜ら不思議。日頃長時間会っていても、いなくても、初対面でも、初対面でなくても、上司でも、部下でも、男性でも、女性でも、下心があっても無くても、平気で“見つめる”ことができるではありませんか。

 お試し下さい。

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*2000年03月02日:「ビッグマガジン」届く


 午前半休。といっても、洗濯くらいしか、出来なかったけど。

 「まんが王 1970/01 付録 ビッグマガジン」が、N書店から届いた。6千円也。

 吾妻ひでおの初期の作品、


人類抹殺作戦 (秘)指令「Z」::16:まんが王:1970/01 付録
宇宙ラッシュ!::2:まんが王:1970/01 付録

の初出誌である。「人類抹殺作戦 (秘)指令「Z」」の方は、「リュウ」誌に再録されているものを所有しているが、「宇宙ラッシュ!」は、未見..と思っていたのだが、届いたものを見てみると、この見開きマンガは、どこかで見た記憶がある..

 ..と、さんざん部屋の中を探し回ってみたら、なんのことはない。その「リュウ」誌に、「人類抹殺作戦 (秘)指令「Z」」と共に、再録されていたのであった。但し、非常に小さく印刷されていたので、(細部やセリフは、ほぼ判読できない、)印象が無かったのだった。というわけで、新発見では無かったが、読めないものが読めるようになったということで、大きな収穫であった。また、


エスパーの六大超能力!::2:まんが王:1970/01 付録

も、イラストではあるのだが、内容はマンガなので、リストに加えることにした。

 それにしても、この「ビッグマガジン」は、“熱い”。なにしろ、1970年1月号、ということは、1969年末に発行されているのである。おわかりかな。そう、表表紙も裏表紙も、「2001年宇宙の旅」のスチール写真。そして口絵写真が、「人類 月に立つ!」ですよ、あなた!

 つまり、堂々たるSF特集なのであった。

 ウェブページを更新してから、気が付いた。先週「2月26日の日記」(「手塚MLオフ」)には、「文化庁メディア芸術祭企画展 <Jam3(ジャムキューブ)> 『Robot−ism 1950−2000 〜鉄腕アトムからAIBOまで〜』」の企画展で見た、「テムザックIV」の姿を見せられないのが残念だ(「(カタログから写真をスキャニングしたくてたまらないのだが、)」)、と書いたのだが、よく考えたら、リンクすればいいのであった。ということで、テムザックの姿が見られるのは、「ここ」です。(「ここ」も、クリックしてみましょう。)どうです、彼女、なかなか美人でしょう? [^J^](ついでに、いつまで有効か知らないけど、「ロボットイズム」自体のリンクも。)

 「ヨコハマ買い出し紀行」の、第7巻を買う。年に1冊のスローペースの、心地よさ。

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*2000年03月03日:買うべし


 インターネットマガジンのような雑誌は、どうしても業界寄り..と言うと聞こえが悪いが、少なくとも「景気づけ」「盛り上げ」方向の姿勢になる。別に、このこと自体は、悪いことではない。少なくとも、業界(あるいは、特定のメーカー)にとって不利な情報を、隠したりしない限り。

 今月号は、「ホームネットワーク、情報家電」の特集であるが..ほほほ、この煽り文句。


「すべての家電を買い換える時が来た!!」

 ..[;^J^] ここまできっぱりと言い切られると、心地良いね。

 いや実際、高度成長の頃の日本は、こういうことをしていたはずなのである。国家レベルでも、市町村レベルでも、そして家庭レベルでも。あらゆる階層で「スクラップ・アンド・ビルド」を繰り返していたのだ。景気回復の特効薬だよな、多分。(副作用は、ともかくとして。)

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*2000年03月04日:CDをおびやかすもの


 浜松中央図書館で、「大宅壮一文庫」の記事索引を調査する。やはり、蔵書目録(蔵書している雑誌名のリスト)は、無いようだ。「人名索引」と「件名索引」が整備されていて、そこから雑誌名(該当号)を特定して、出納請求するのである。例の高価なCD−ROMを買えば、雑誌名から検索できるらしいが..まぁ、電話で聞けばいいのだ。FAXにするか。それはそれとして、ふと思いついて、人名索引の「手塚治虫」の項目を、全部コピーしておく。

 郵便局などに寄ってから、ジョーシンでDVD。「博士の異常な愛情」である。もっとも、今日は観ている暇は無い。

 まんだらけから、落選通知。「吾妻ひでおの不自由帖」に収録されていた「AZUMA売買ギャラリー」に、原画の抽選申し込みをしていたのだ。まぁしゃあない。競争率は、相当高かったもようである。もちろん、全品(47点)完売。

 CDケースのスポンジチェック、完了。「約一ヶ月前の日記」で、古いCDケースの中のスポンジの変質について、述べた。あの日は、他の大仕事の片手間に、スポンジの廃棄を行っていたので、全CDのうちの1割程度しか、チェック出来ていなかったのである。

 いやはや、全ての(セット物の)CDケースを開けて、変質しているか否かに関わらずスポンジを廃棄するのに、軽く2時間以上(3時間近く)かかった。私のコレクション、セット物多すぎ。

 劣化(変質)しているものは、想像以上に多かった。母集団が偏りまくっているので、数字を出しても意味はないが、感覚的に言えば、5年以上昔のCDケースの中のスポンジが「劣化(変質)」している確率は、10%や20%ではきかない。

 サンプルを示そう。「これ」である。

 6枚、並べたが、上段右側のサンプルが、全く変色も変質もしていない、正常なもの。これと同じケースに入っていたのが、上段中央のサンプルである。くっきりとCDの影が映り込んでいる。下段の中央と右側のサンプルは、写り込みの「色」こそ、上段中央のサンプルより薄いが、逆に「解像度」は良く、ほとんどレーベルの文字が読めるか、と、思えるほどである。

 上段左側のサンプルは、判りにくいかも知れないが、CDの色の直接の転写ではなく、奇妙な「紋様」が成長しかかっている。下段左側のサンプルには、ボロボロに穴が開いているのが、お判りになるだろうか? このまま劣化が進むと、粉末状になるのかも知れない。

 これらの多く(特に、CDの“影”が写り込むタイプ)は、多かれ少なかれ、CDに“貼り付き”かかっていた。大体は、そっと剥がせば(CDのレーベル面に跡が残るとは言え)大事には至らず、いくつかサンプリングして再生チェックしても、問題は無かったのだが、中に一枚、化学変化を起こしたスポンジが、完全にベタっと貼り付いてしまっているものがあった。「これ」である。さて、このCDを、救出できるかな..

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*2000年03月05日:「大宅壮一文庫雑誌記事索引総目録」


 昨日、浜松中央図書館でコピーしてきた、「大宅壮一文庫雑誌記事索引総目録」(紀伊國屋書店)の人名索引の「手塚治虫」の項目から、従来把握していなかった「著作物」の、抽出作業を行う。

 無論、それが明らかに他人の著作物であるものは、対象外である。(例えば、手塚治虫の著書の書評など。)逆に、手塚治虫も参加している「座談会」「対談」「インタビュー」などは、問題なくピックアップできる。そして、そのどちらにも当てはまらない(現物を読んでみないと、「手塚治虫の著作物」と言えるか否か、判別できない)ものが、多数あるのだ。かくして、調査対象が、またしても100件以上、増えた。嬉しいことである。(ほんとだってば。[;^J^])

 実際、特に対談記事など、従来の調査の網の目から洩れていたものがた〜くさんある..というか、手塚プロが監修したものを含めて、従来のリストは、この目録を参照していない(すなわち、大宅壮一文庫にアクセスしていない)らしい。

 じゃあ、この目録が一番“網羅的”と言えるか、というと、実はそんなことは、「全く」無いのである。逆に、極めて「洩れ」が多い目録だと思う。ひとつの雑誌から、人名なり件名なりのインデックスを、数十件から百件ほど、抽出するらしいのだが、それを取捨選択する際に、洩れが発生している。また、「連載漫画」は、“ほぼ”完全に、目録の対象外である。(連載小説も、対象外のような気がする。)そういう基準でインデックスを作ったのだろうから、それはそれで構わないのだが、何故か、「マコとルミとチイ」(「主婦の友」誌)だけは収録されている、というバグがあったりする。[^.^]

 良い機会なので、積読の山から1冊抜いて、片づけておく。「自分でできる情報探索」(藤田節子、ちくま新書)である。

 既に知っていて留意・実行していること(例えば、「とにかく、図書館にアクセスせよ」「全文検索や自動抽出キーワードの一番の問題点は、原情報の内容、概念、主題を表現したキーワードではなく、原情報の文章表現をそのまま抜き出したものであることである(だから、インターネットのサーチエンジンは、それは素晴らしく便利なものであるが、取り扱いに注意が必要)」、など)が大部分なのだが、それでもなお、好著であると言える。お薦め。

 改めて、ハッとさせられたのは、「絵本は大人にも役立つ」という指摘である。全く未知の分野を調べる時に、専門書をひもといても、全貌を把握するのに時間がかかりすぎる。百科事典でも、その「分野」を説明する「言葉」の意味が判らず、その「言葉」を説明する「項目」を調べ、かくして調査項目が果てしなく拡散して、そもそも最初に何を調べていたのか思い出せなくなる、というのは、日常茶飯事である。

 だから、「絵本」なのである。子どもに理解させなければならないのだから、枝葉末節な細部は極力刈り込まれ、もっとも本質的な勘所だけが、ビジュアルにプレゼンテーションされているのだ。

 私も、「少年朝日年鑑」など、子ども向けの参考書の方が、サーベイするには便利であることは承知していたのだが..「絵本」にまでは、思い至っていなかった。目から鱗。反省した。

 本日のDVDは、昨日購入した「博士の異常な愛情」(1963)。ピーター・セラーズをはじめとする、アクの強い名優たちの名演(怪演)で保っている、という気もするが..しかし、ソ連崩壊以前の(どころか、いくつかの分野では、ソ連は米国を凌ぐ世界最大の強国であった)時代の、偶発核戦争の可能性の確かなリアリティ、という文脈には、留意しておく必要があろう。無論、その時代が去った今となっては価値が無い、と言っているのではない。

 それにしても..積読消化速度が、以前にもまして大幅に低下しているのは、毎週末にDVDを買っているからじゃないか? もしかして。[;^J^] 付喪神(つくもがみ=年を経て捨てられた道具の化け物)と化しつつある未開封のLDの山に、いずれ私は取り殺されるであろう。

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*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Mar 8 2000 
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