*2000年03月06日:「打ち首・獄門の上..
*2000年03月07日:「SFが読みたい!」「SF Japan」「ハルキ文庫」
*2000年03月08日:ある密室
*2000年03月09日:いわゆるソラミミ
*2000年03月10日:ある廃屋
*2000年03月11日:「サイコ」
*2000年03月12日:聖レイに注目する
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*2000年03月06日:「打ち首・獄門の上..


 ..遠島を申しつくるものなり」。 (ちょっと、嫌。)

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*2000年03月07日:「SFが読みたい!」「SF Japan」「ハルキ文庫」


 昨夜から、喉が痒い。まずいなぁ。コタツで居眠りしたからだ。自業自得。

 先週末購入した、SFマガジン臨時増刊「SFが読みたい!」、と、徳間書店の「SF Japan」を読む。前者は、SF版「このミ(以下略)」、後者は、日本SF大賞20周年記念なのかな。両者合わせて読むと、昨今の(日本の)SF状況が良く判る、という寸法だが..

 ..ほとんど読んでいない書名ばっか [;^.^]。積読リストに追加する候補を、ピックアップする。

 日本の名作SFをじゃんじゃん復刊し、しかも結構売れているというハルキ文庫の貢献が、この2冊の両方で、大きく称揚されているのだが、困ったことにハルキ文庫は、浜松(の、少なくとも私の行動半径内)では、なかなかお目にかかれないのである。店員に訊いても、「新刊だけ置いています」ならいい方で、大抵、取り扱っていない。(取り寄せてはくれるのだろうが。)まぁ、無理も無い話で、文庫の「レーベル数」は、いまや(数える気力も起きないほど)べらぼうに多いのである。新興勢力がここに割り込む(すなわち、書架のスペースを、数センチ乃至数十センチ奪う)のは、並大抵の営業力では難しかろう。

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*2000年03月08日:ある密室


 大事をとって病院に行くために、午前半休。まず、Nでモーニング。(← この時点で、既に緊張感が欠如している。)浜松中央図書館でちょっと調べ物をしてから、T外科へ。熱は無いので、注射はせずに、飲み薬だけで様子をみることにする。

 午後から出社。その途上、ラブホテルの前を走り抜けるとき、「密室」という看板が見えて、ぎくっ..

 ..その下には、「満室」表示が..「密室」ではなく「空室」でしたか [;^J^]。そりゃ、客が入れば、普通はその部屋は「密室」になるけどね。やっぱ、微熱あるかな [;^J^]。

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*2000年03月09日:いわゆるソラミミ


 症状は、咳だけである..ので、甘く見て、今夜も天狗へ。ワインで喉を洗っている間は、比較的楽だから、ということもある。

 カウンターで、隣りの二人連れの男性の会話が、耳に付く..曰く、「ぼく、むかし、異教徒の娘と付き合っていて..」..ぎくっ..

 ..「京都の娘」でしたか。やっぱ、微熱あるかな [;^J^]。

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*2000年03月10日:ある廃屋


 普段利用しているバス停の前の、古ぼけた平屋は、もう何年も前から(もしかすると、15年以上も昔から)無人である。人の出入りはおろか、明かりがついているのを見たこともない。朽ちかかっている玄関の引き戸も、動くとは思えない。

 気になるのは、その家の曇りガラスの窓際に、乱雑に積み上げられている書籍なのである。背表紙が窓側を向いていないので、書名が判らないのだ。

 といっても、別に、手にとって読んでみたいというわけではない。多分、1960〜70年代頃の、ありふれたベストセラーではないか、と思えるのだ。例えば、「樅の木は残った」とか「複合汚染」とか「田中角栄研究」のような..少なくとも絶対に、(例えば)澁澤龍彦の著作では、あり得ない。

 そう推測する具体的な証拠は、全く無いのだが..強いて言えば“闇”の欠如だ。その、交通量の多い道路に直接面した家と窓は、確かに古く、そこには間違いなく“時間の澱”が沈殿しているのだが..しかしこの廃屋の“それ”は、“白茶けている”のである..

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*2000年03月11日:「サイコ」


 咳が苦しい。毎日、ワインを流して消毒していると言うのに。しかもここ数日、念のために0時前に早寝するものだから、2時頃に起きてしまい、起きたが最後、咳が止まらず、そのまま朝まで眠れない。(2時頃起きるのは、別に珍しいことでも無く、普段ならば、フトンの中でモゴモゴしているうちに、また眠り直せるのである。)おかげで、睡眠不足性の頭痛まで併発してしまった。

 ..というわけで、改めて、T外科で注射。後手に回ったか。

 ジョーシンへ。今週のDVDは、「サイコ」など。もちろん、リメイク版ではない、オリジナル・「サイコ」。当然、これは既に観ている。私の「廃墟」の一員として住まうに相応しいソフトを、ピックアップしてきたというわけだ。さて、観ていない人のために、スポイラーにならないように気をつけて、と..

 ..やはり、「サイコ」は素晴らしい。何度観ても、そう思う。いつも感心するのは、(シャワーシーンもさることながら、)前半の展開で..特に、尾行してくる警官の恐さである。(悪者じゃないんですが。[;^J^])そして、あの有名な館の、“姿の良さ”。何人もの漫画家(等)が、恥も外聞もなく、自作の舞台(の背景)として、そのまんまコピーしているが、それは、小手先の修正が効かない、それほどまでに決定的なイメージなのだ、という証拠でもある。

 ボーナストラック(メイキングドキュメンタリー)を観ていて気が付いた。そうか、この音楽、弦楽オーケストラだったのか。確かに、ナイフが振りかざされた時の、あの耳障りな、「ツィンッ! ツィンッ! ツィンッ! ツィンッ!」、という音響の鋭さは、弦楽器ならではのものである。

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*2000年03月12日:聖レイに注目する


 モーニングからランチ過ぎまで、居心地の良いNでゴロゴロ。読書と書き物。

 午後から、「まんだらけZENBU 6」を探して、めぼしい書店を走り回るが、どこにも無い。確か10日発売なので、浜松には(遅くとも)1日遅れで、11日には入荷したのでは..と考えていたのだが、週末にかかってしまっては無理か。明日回しか。そこで代わりに、という訳でもないが、別冊宝島「お宝コミックランキング」を買う。

 タイトルどおりの内容で、全体的に、「まだまだこれから騰がるぞ! 買うならいまだ!」、という、投機意欲を煽るような雰囲気が(一部の記事を除いて)漂っているのが、やや疎ましいが、そもそもそういう趣旨の本なのだから、これは文句を言う方が、筋違いか [;^J^]。それなりに参考になる点もあるし、楽しい記事や写真もあるので、この本、買って損は無いよ。

 目に付いたのは、とあるエロマンガの、表紙写真。

 私には、基本的に、エロマンガを集めるという趣味が無い。例外は、吾妻ひでおと八神ひろき(「G−taste」)位のもの [^.^] であるが、この、「聖レイ」というエロマンガ家の単行本の表紙絵は、なかなか綺麗で可愛い。気に入った。(昨今の、ロリコン系アニメ絵系“美少女マンガ”の絵でも、70年代エロ劇画の絵でもない、独特の雰囲気の持ち主である。)

 「Japanese Comic Book Search」とgooなどで、ざっと検索。まとまった作品リストらしきものは、見当たらない。また、ここ10数年、単行本が出ていない(ようにみえる)。改名したのでなければ、事実上、引退したということか。

  かつてfjに投稿されていた、「ブラック・コミック・リスト」という、エロマンガの膨大なデータベース(確か、S氏が作成・メンテしていたもの)には収録されていると思うし、私はこの有用なデータベースを、保存しておいたはずだったのだが..手元のリブにも、バックアップストレージ(PD、CD−R、DVD−RAM)の中にも見当たらない。もしかすると、3代ほど前のダイナブックSSかSXPのハードディスクの中か。とすると、それのフルダンプを取ったメディアはMOであって、自宅には今はMOドライブが無い。すぐには読み出せない。S氏自身のウェブページで公開・メンテされているかも..と、あたりをつけて探してみたが、見つからない。

 まぁいいや。「スーパー源氏」で検索して、「45%おとな」という単行本を発見、不見点で発注してみる。内容はおろか、表紙絵も判らないのだが、どれほどのものが来るか、さてさて、楽しみなことである。

 「漁師の角度」(竹谷隆之、ホビージャパン)を読む。著者は、トップクラスのフィギュア作家で、この世界では世界的に有名な人らしい。私は「この世界」に疎いのだが、「この世界」の住人である、上司(部長)が貸してくれたのである。異様なフィギュアの写真をつないでいく、絵物語(というか、写真物語)。本職の作家ではないので、小説の文章にはなっていないのだが、その素人臭い文章(並びに設定)と、完成度の高いフィギュア写真の、取り合わせの妙。ストーリーを要約してしまうと、艶消しになってしまう。「ヨコハマ買い出し紀行」の“暗黒面”の風情、と言えば、解っていただけるであろうか。

 「スポンジの腐食によってダメージを受けたCD」の件。レーベル面に、溶けたスポンジが貼り付いてしまっており、それを(CDにダメージを与えずに)削ぎ落とすのが、なかなか困難なのである..というか、これで大方取れたか、と思える状態に持ち込むまでには、さほどの作業量も必要ではなかったのだが、これを試聴する勇気が、なかなか出ないのである。というのも、私のCDプレーヤー(正しくは、DVDプレーヤー)は、フロントローディング方式であって、CD(またはDVD等)をセットするとき、その両面が、フェルトのようなものにこすりつけられるように“みえる”からである。

 あの「スポンジ」の残滓は、全て取れたのであろうか? CDのレーベル面に触れると、気のせいか、まだペタペタという粘着力が、微かに残っているが..この状態で、上記のプレーヤーにセットしたりすると、その「フェルト」に、「粘着力の原因」がくっついてしまうのではないだろうか? ひとたび、そういう事態になってしまったら、その後からかける、全てのCDとDVDに、その「粘着力の原因」が、貼り付いてしまわないだろうか..?

 ..杞憂であろう。よーく観察すると、このフロントローディングメカは、ディスクの表面をこすっていないのである。しかし、不安は消えていない..

 「CDの病院」という、かなり格安で、CDの傷を(その程度にもよるのだが)修復してくれる会社がある。まだ利用したことはないので、その技術力は未知数だが、しかしこのCDが受けたダメージは、この会社が得意としている「信号面の傷」ではない。守備範囲外ではなかろうか..

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*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Mar 15 2000 
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