*1996年11月25日:「大東京ビンボー生活マニュアル」
*1996年11月26日:何もない部屋・三題
*1996年11月27日:死ぬほどまずいカレーを食う。[/_;]
*1996年11月28日:トラウマについて
*1996年11月29日:リブレット30が欲しくなる
*1996年11月30日:リブレット30を買う
*1996年12月01日:火の鳥/ミクロイドS、調査
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*1996年11月25日:「大東京ビンボー生活マニュアル」


 近所の下手な美容院で散髪をしていることを、先週書いたが、何故この店をひいきにしているのか、理由を書き忘れていた。それは、前川つかさの「大東京ビンボー生活マニュアル」という漫画を置いているからである。待ち合いの席ではなく、散髪席(というのか?)の鏡の前に置かれている。先日述べたように、この店ではカットだけだと、非常に速く散髪が終わってしまうので、実のところ、取り敢えず5巻ほどおかれている、その第1巻すら読み終えたことがないのである。しかも私は数ヶ月に一度しか散髪をしないので、次にこの店に来る頃には、内容を半分位忘れている。それでまた第1巻の最初から読み初めて、2/3位で時間切れ。これを何年間も繰り返しているのだ。このままでは、一生かかっても第2巻に辿り付けない。[;^J^]

 大東京の片隅で、とことん貧乏でこざっぱりとした、いっそ潔癖で爽やかな生活を送る学生と、彼の周囲の人々の、暖かい掌編集である。私だってこういう作品を好んで読むのだ。[;^J^]

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*1996年11月26日:何もない部屋・三題


 「大東京ビンボー生活マニュアル」のどこに惹かれるのかと言えば、おそらくその部屋の“何もなさ”加減であろう。狭い部屋の中にがじゃがじゃとモノが溢れている私の生活から見ると、これはこれでひとつのユートピアと言える。(そしてもう、決してこういう生活には戻れないであろう、という、痛切な感覚を伴うという意味でも……失われたユートピアなのだ。)

 もっとも、私の部屋に溢れている“モノ”なんぞは、書籍とCDばっかりで、ひとつもリッチな生活ではないのだが。

 “何も無い部屋”で思い出すことを、みっつほど。

 まず、入社早々の頃の、先輩社員の話。先輩社員といっても私より若い、ほとんど学生のような人だったが、彼の住処。(訪れたことがある訳ではない。伝聞である。)12畳か16畳位の板の間に、ベッドがわりのマットレスと、ミニコンポ。CDを数枚と文庫本が数冊。これが、家具の全てだったという。内心、かっこい〜、と、憧れた。自分には逆立ちしても出来ない。

 次に、村上和彦という劇画家の「極道」モノ。彼の(まぁ同工異曲の)一連の作品に登場する、下っ端ないし中堅のヤクザたちは、揃いも揃ってまともな住居を構えていない。ホテルや旅館を、点々と泊まり歩いているのである。そして旅館の和室の中でも背広を脱がず、どうかすると靴も履いたまま。生活感の完璧な欠如。いかにも作り事の世界だなぁ、と思っていたのだが、実はこれが実態なのだと聞いた。身軽でなければ話にならないのだ。実にリアルな描写だったわけだ。

 三番めに、中核派だか核マル派だか忘れたが、その類の活動家が潜伏していたというアパートの一室。そこにも、ものの見事に何もなかった。机がわりの蜜柑箱と(今日び、本当にこんなものを使っているとは思わなかった)、押し入れの中には“水溶性”の紙に書かれた指令書の束、そして浴槽には常に水を張ってある。手入れの際に、証拠書類を速やかに処分するためである。そんなことをしてまでねぇ..というのが、正直な感想。

 ユートピアに始まった話題が、縁起でもない終り方をするのも、なんですが。[;^J^]

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*1996年11月27日:死ぬほどまずいカレーを食う。[/_;]


 23時過ぎまで残業した帰りに、ふと魔がさしてコンビニで、パックでチンのカツカレーを買ってしまった。自宅には電子レンジがないので(こういう人も珍しいかもしれない)、その場で暖めてもらった。そして帰宅して、一口食べてみたら..

 死ぬほど不味い。[/_;]

 人の味覚はさまざまであるから、これを受けいれる、あるいは旨いとする価値観もありうるだろう。しかし私は、二度とこのコンビニでは、レンジでチンの類を買わない。もう決して信用しない。これほど不味いものを食べたのは、10年来のことであった..

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*1996年11月28日:トラウマについて


 それは夏蜜柑である。“なつみかん”とタイプして、スペースバーを叩き、この漢字3文字からなる単語が出現した瞬間、私は画面から目を逸らした。平仮名ならOK。また、いったん出現してしまえば、それを見つめ続けるのも問題はない。ただ、いきなり、なんの予告もなしに(いや、自分の意志で変換キーを押したのではあるが)、この単語が目に飛びこんでくるのは、心臓に悪い。実に凶暴な字面ではないか。

 小学校の給食のデザートに、夏蜜柑を(ああ、まただ [/_;])半分に切ったものが出た。それは、思い出すだけでも飛び上がるほど酸っぱいものであった。私はどうしてもそれを食べられなかった。いや、なめることも出来なかった。しかし、それを残すことは許されなかった。私は、給食時間のあとの昼休みの間じゅう、ひとり残され、全部食べることを強制されたのである。(例え30分が1時間あっても、全部食べられたとは思えない。結局どうなったのかは、記憶にない。)

 その時以来、私はなつみかん(もう、変換するのは勘弁させていただく)が食べられなくなってしまったのだ。実際にはそんなに酸っぱいものでもなく、また、味にはさまざまなバラエティがあることは、知識として知っている。何かのフルーツ系デザートの一部として、騙されて食べたことも、何度もあるように思う。だから、体が受け付けないという訳ではない。

 しかし、「なつみかんを食べる」という概念自体と、もはや折り合えなくなってしまっているのだ。あの、誤った給食教育を、私は恨む。

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*1996年11月29日:リブレット30が欲しくなる


 突然、リブレット30が欲しくなったので、FAXでパンフレットを取り寄せ、ニフティのFTOSHIBAにアクセスして、データライブラリからFAQ、そして関連会議室から最近の発言をダウンロードして、ざっと目を通す。

 要は“本当の意味で持ち歩ける”移動端末が欲しい。それはログやメールのブラウジングだけではなく、書き物をするので、HPでは不可。それと、そろそろWin95を導入したくなったこと。

 これらの内的要因と、価格その他の外的要因が折り合った、というわけだ。

 Win95を導入するために、わざわざそれがプレインストールされているハードウェアを買う、という牛刀な行為の理由は、「私が未だに Win3.1 を使っている理由」を参照していただきたい。要は、上書きインストールに失敗する可能性があることが恐い。また、日常の作業環境を、1日たりとも失いたくない。

 だから、まずWin95環境を別途確保し、その上に、エディタやら通信ソフトやらの環境を徐々に構築して、問題なし、となった時点で、今のマシンをWin95に入れ換えるのである。

 しかし、これらの会議室を読んで見ると、CPU換装だのHDD入れ換えだのクロックアップだの..5年以上も前、初代ダイナブックでやっていたような“使い込み”を..まだやっていたのか、こいつらは。[;^J^]

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*1996年11月30日:リブレット30を買う


 図書館に寄ってから、町中のコムロードで、リブレット30を予定通り衝動買いする。(おかしな日本語だが、このニュアンスが最も正確である。)ちなみにアプリモデルで14万8千円。(定価19万8千円。)秋葉でも158、168は当たり前らしいので、悪くない。但し、増設メモリも別売の大容量バッテリーも在庫切れ。これは別の店を当たることにする。

 ヤマハで(実に久しぶりに)CDを3枚購入してから、12月2日東京発のムーンライトながらの切符を入手。そして服飾店方面へ。

 実は、だいぶ以前から、真っ青なYシャツを探していたのであるが、全然見つからず、職場で若い社員に相談して、いくらかでもそれに近いものがありそうなスポットを教えてもらったのである。それが、女性洋装店というわけ。なるほど、色鮮やかな衣類は、男性用よりも女性用の方が、遥かに多い。考えてみれば当然であった。

 というわけで、その手のマヌカンだかコギャルだか(基本語彙が判っていない)がいる店を、片端から覗いて回る。最初は、強烈な磁場というか目線というか電波というかが、私を妨害したが、一軒入ってしまうと、吹っ切れて楽になるものである。(いわゆる、テカテカコテコテのオバサンファッション店にまで入った。「カラオケ・ダンス用」と銘打たれた一角にぶら下げられていた、それらのデザインと色彩感覚は、それはそれは。[;^J^])

 結局、望みの色のものはなかったが、それに近い女性用のシャツを、2枚購入。この時、試着をしなかったのが失敗。実際、女性に立ち混じって衣類を選ぶこと自体は、1時間もすると慣れてきて、なんの抵抗も感じなくなるものだが、試着室に入る勇気はなかったのである。(まだまだ甘いな。)L型であり、身長とバストの表示も問題はないように思えたのだが..

 すみやで増設メモリを購入してから帰宅し、さっそく試着してみたら..まず、ボタンをはめられない。左右が逆だからだ。慣れないとこれほど不自由なものだとは思わなかった。そして、きつい。数字的には着れるはずだし、事実着れるのだが、余裕が全くない。私は小柄で痩身なのだが、やはり女性の標準サイズとはちょっと合わない。

 教訓は、自明である。女性用の衣類を買う時には、視線を恐れず試着をするか、さもなくばLL型を買うこと。

 続いて、リブレット30のセットアップ。まずシステムバックアップをフロッピー47枚にとってから、ハードウェアマニュアルをパラパラとめくる。

 私はWin95のことを全く知らない。いい機会なので、Win95のマニュアルは一切読まずに作業を進めてみる。特に面倒もなくインターネットにもつながり(しかしニフティにつなげるのは失敗)、ま、こんなものかと。その(主として小ささ故の)便利さも、(主として小ささ故の)不便さも、予想の範囲から逸脱するものではなく、その意味では全く感激を感じなかったのだが、ひとつだけ感嘆したのが、SCSIカード(と、それに接続されたMOドライブ)を、全く何もしなくても、単に挿すだけで認識したことである。

 ネタは割れている。大規模なデータベースから設定を拾って来ただけだ。しかし、私は、この(実に怪しげな、型番も判らない)MOドライブをWin3.1で使うために、血の涙を流してきたのだ(誇張度130%)。

 今日はこの辺まで。急ぐ理由もないし、明日から上京することでもあるので、早めに寝る。

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*1996年12月01日:火の鳥/ミクロイドS、調査


 東名バスで上京。この小旅行の魅力は、何と言っても、富士山をたっぷりと眺めることが出来るということである。(新幹線は速すぎて、あっという間に通り過ぎてしまう。)今日は快晴。富士山の雪化粧も見頃である。

 午後一番は、まず秋葉で、昨日買い忘れていた長時間バッテリーを購入。MOのメディアも5枚購入。さすがにメディアは浜松よりもだいぶ廉いが、MOなどは大量購入するものでもないので、今日のようなついでが無い限り、わざわざ秋葉で買うまでもない。

 次に、ある大手古書店に出向いたのだが、その古書店では収穫はゼロだったが、途上で見つけた(今年の6月に開店したばかりだという)小さな古本屋が、穴場だった。在庫は極端に少なく、コンクリート打ち放しならぬブロック積み放し(意味は判ると思う)の壁に、安物のスチール本棚を並べているだけ。ほとんど、学祭の模擬店レベルであるが、その蔵書はSF・幻想系に、極端に傾斜している。優しい目をした髭面の店番のお兄さんは、「それ」のなれの果てであろうか..サンリオSF文庫には相変わらず2000円以上の値付けがされており、これは大いに疑問なのだが、山積みにされていた銀背・金背が、すべて100円均一である。文庫落ちしていない奴を11冊引っ掴んでレジへ。

 店の名前と所在は..申し訳ないが、秘密である。私はそこまで甘くない。

 現代マンガ図書館へ。「火の鳥」のCOM掲載分を片付け、マンガ少年掲載分も「乱世編」まで調査終了。(実は、これでマンガ少年掲載分の調査は完了、と思い違いをしていた。「生命編」「異形編」も、マンガ少年なのであった。)さらに、「ミクロイドS」をチェック。

 渋谷の天狗で食事をし、Sビジネスホテルへ。「狂骨の夢」をドロドロと読みながら、眠る。

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*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Dec 3 1996 
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