*2021年03月22日:幻想美術選「天空の翼」スティーヴン・ヒックマン
*2021年03月23日:「猫町」への憧憬
*2021年03月24日:見えてないのは私だけ?[/_;]
*2021年03月25日:「竜のグリオール」シリーズ
*2021年03月26日:ららら♪クラシック 最終回
*2021年03月27日:久々にフラワーパーク
*2021年03月28日:「みほとけのキセキ」展
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*2021年03月22日:幻想美術選「天空の翼」スティーヴン・ヒックマン


 「幻想美術選」、第240回。今回の作品の原題は「EMPYREAN WINGS」だが、このように訳してみた。

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「天空の翼」(スティーヴン・ヒックマン、2013年)

 Stephen Hickman(1949〜、Wikipedia(英文))はSFのイラストも描いているが、画像検索結果を見てもおわかりのとおり、どちらかと言えばファンタジー寄りであり、彼の画集には、トールキンの章も含まれている。わりと派手な造形の(しばしばドラゴン型の)エイリアンも得意としているようだが、彼の画業のトータルな印象としては、むしろ静謐な、品格を保った作品群のイメージが支配的である。

 この「天空の翼」は、特定の小説作品への挿画ではないようだ。解説も解釈も不要だろう。月明かりに照らされた雲海と中空に浮かぶ城(あるいは城塞都市)の組み合わせが、飛翔するペガサスとヒロインの背景を美しく支えている。

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*2021年03月23日:「猫町」への憧憬


 先日の日記に、休日にときおり「近場の知らない道の無目的ドライブ」を楽しんでいると書いたが、その背景を説明しておこう。

 萩原朔太郎の「猫町」なのである。幻想文学史上でも屈指の傑作である(と私は信ずる)この短編は、その後半の「密やかな喧噪」「無音の緊張感」「突如出現する猫の群れ」のイメージも鮮烈だが、それよりなにより、「ただ、方向を間違えただけのことで、現実が幻想化する」という発見と、その魅惑的な描写が、圧倒的に素晴らしい。もう何十年も前に読んでこのことを教えられて以来、何度も何度も、意識的に、あるいは無意識のうちに、幻想の町に、幻想世界に、出入りしているのである..(あまり心配しないでください。[;^J^])

 ごく短い小説である。青空文庫へのリンクを貼っておいたので、未読の方は、ぜひともご一読いただきたい。(→「猫町 散文詩風な小説 萩原朔太郎」)

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*2021年03月24日:見えてないのは私だけ?[/_;]


 赤信号で、停止線から「車体1台分」手前で止まる車を、たまにみかけることがある。

 ..いったい、何が見えているんだろう? それとも..

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*2021年03月25日:「竜のグリオール」シリーズ


 ルーシャス・シェパードの「タボリンの鱗」を読了したのでインプレを書こうかと思ったら、前作である「竜のグリオールに絵を描いた男」のインプレを、2年前にアップし忘れていたのだった。[;^J^]

 数千年前に魔法使いとの戦いに敗れて身動きできなくなった悪竜・グリオールの、全長1マイルにもおよぶ巨体は、草木と土におおわれ川が流れ、その上には村が、周辺には町ができていた。周囲に住むひとびとは、時が経ち観光地化した彼の恩恵を受けているが、いまなお死にきってはいない巨竜の邪悪な想念に操られているとも噂されていた..

 この、素晴らしい世界観を思いついた時点で、作家の「勝ち」であるが、それをまたルーシャス・シェパード一流の魔術的リアリズムで描き込んでいくのである。

 竜のグリオールに絵を描いた男」(Lucius Shepard、内田昌之訳、竹書房文庫)

 全編を通じて、自由意志が確保されているのか(登場人物たちの「意志」は、実はグリオールの支配下にあるのではないか)という疑念が、通奏低音となっている。「竜のグリオールに絵を描いた男」−この短編集は2018年に出版されたのだが、この作品だけは、他のアンソロジー等で30年ほど前から、何度も読んでいた。もう、圧倒的な素晴らしさなのである! 身動きできない、山のごとき巨大な竜は、しかしおそらくまだ生きている..それを「殺す」ために、毒物を含んだ膨大な量の絵の具で、絵を描いていく..よくもまぁ、こんな設定を思いついたものである。絵的には、ブリューゲルの「バベルの塔」を想わせるところがある。「鱗狩人の美しき娘」−グリオールはあまりにも巨大であり、その動かぬ胎内で生活している人々もいるのだが..作中に登場する「おばけ蔓草」は、諸星大二郎の「ヒトニグサ」を想起させる。「始祖の石」−ストレートなミステリであり、グリオールの魔力(人を操る力)は背景に回っている..とみせかけて、自由意志の問題は、残る。ほか、「嘘つきの館」を収録。

 タボリンの鱗」(Lucius Shepard、内田昌之訳、竹書房文庫)−こちらが、本日読了した(このシリーズの)第2短編集..といっても、短編1、中編1の、2作が収録されているだけだが、そのクオリティが凄い!

 「タボリンの鱗」−グリオールの「麓(ふもと)」の町で生活している人々。主人公グリオールの「鱗」を入手してそれを擦ったところ、過去にタイムスリップさせられてしまい、まだ若い、体長も高々数十メートル程度の「グリオール」に追われ脅され弄ばれる。その目的はいったい何か? 明解な解答が提示されているわけではないのだが、終盤、ヤング・グリオールから逃走しているうちにいつしか現代に戻り(この呼吸はどこか「地底獣国」(久生十蘭)を想起させると思うのだが)、超巨大なグリオールの圧倒的な「死」に立ち会うこととなる..「スカル」−グリオールの周囲に棲みつくカルト教団は明らかにこの巨竜の悪念に感化されており、「復活の儀式」を通じて、この巨竜を軛(くびき)から解き放ち、「復活」させてしまうのだが..しかしそれはあなたがいま想像したような「一大スペクタクル」ではない。彼がどのような「姿」で「復活」したのかは(別にネタバレというわけでもないが)ここでは伏せておこう。私は、水木しげるの初期の代表的な傑作をただちに想起したとだけ、書いておこう。現代の中南米の政治的軍事的混迷(カオス)をイメージソースとしており、暴力的な支配政党もまた(おそらくは)グリオールの支配下にあるのである。そしてここでもまた、グリオールは「死ぬ(惨殺される)」のだが..

 「タボリンの鱗」だけでも面白いのだが、ここはやはり、2冊まとめて読むことを、強くお薦めしたい。

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*2021年03月26日:ららら♪クラシック 最終回


 「ららら♪クラシック」が、今夜、最終回なのであった [/_;]。この番組、好きだったのに [/_;]。司会の高橋克典のファンでもあったが、しかしそれよりなにより。それよりなにより。それよりなにより圧倒的に、アシスタントの石橋亜紗アナが、どストライクだったのに!..[/_;][/_;][/_;]

 この(4年間続いた)番組からは、下記の回を手元に録画として残しているのだが..こんなことになるのなら、石橋亜紗アナが担当していたシーズンは、すべて残しておくんだった..[/_;][/_;][/_;][;^.^][;^.^][;^.^]

*楽器特集 ビオラ2016/11/19
*悪の響きに酔いしれて〜“悪魔”の名曲集〜2016/11/26
*リストの“レ・プレリュード”2018/04/20
*ワーグナー名曲集“魔性の音楽”に魅せられた人々2018/06/08
*タンゴの真実〜その歴史からピアソラまで〜2019/02/15
*トムとジェリーとクラシック2019/04/05
*ガーシュウィンの“パリのアメリカ人”2019/04/19
*ポルカのすべて2019/07/26
*瀧廉太郎の“憾”2019/08/16
*トムとジェリーとクラシック、おかわり2019/09/06
*作曲家・伊福部昭〜北の大地で育んだ音楽〜2019/10/18
*指揮者のシゴト!2019/12/20
*バレエの礎を築いた男たち2020/01/24
*吹奏楽のすべて2020/02/28
*知っているようで知らない メトロノ―ム2020/03/20
*踊るシュトラウス・ファミリー〜次男・ヨーゼフの視点から〜2020/03/27
*渋谷慶一郎が語る〜テクノロジーと音楽〜2020/07/24
*清塚信也が語る〜作曲家が愛した美術2020/11/06
*サリエリの真実 天才たちを育てたウィ―ン音楽界の父2020/11/27
*ジョン・ウィリアムズ〜心をつかむ映画音楽の魅力〜2020/12/04
*メタル loves クラシック!?2021/01/15
*歌曲王のピアノ曲 シュ―ベルトの幻想曲“さすらい人”2021/03/12

 ..また新たにクラシック番組も始まるようだし、期待しましょうか。

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*2021年03月27日:久々にフラワーパーク


 快晴。開園時刻の9:00の少し前に、車でフラワーパークの正門の近くまで辿り着いたのだが、園内に入るまで30分近くかかった [;^J^]。明日は雨の予報だし、今日が人出のピークなのではないかなぁ。

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 これは実は入園前、駐車場でのゲート前の列で撮ったもの。



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 常々思っているのだが、人間の視覚というのは凄い。「必要なものしか見ない」のである。満開の桜の樹木を見るとき、花しか見えていない。枝は見えないのである。ところがカメラのファインダー越しに見ると、いっきに枝が見えてきて、邪魔にならない角度を探し回ることになる。



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 これは、チューリップ園。これも画角に収まりにくい被写体である。



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 そして、DCレンズ(ボケ味コントロールレンズ)に逃避し出すのである。[;_ _][;^J^]



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 ..使用禁止にすべきかも知れん。[;^.^][;^.^][;^.^]



 昼前に出る。湯風景しおりに向かったのだがなんとなくパスして、昼食は久しぶりに天下一品に入ろうとしたのだが駐車場がいっぱいだったので入れず、麺虎。浜松市美術館もパスして、中央図書館。ついで駅前へ。ザザシティ、メイワン、ビックカメラと回って、帰宅。

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*2021年03月28日:「みほとけのキセキ」展


 朝方はかなりの雨だったが、9:00頃までにほぼやんだ。とはいえ、午後にはまた降るという予報なので、車で浜松市美術館へ。「みほとけのキセキ-遠州・三河の寺宝展-」(〜4月25日(日)まで)である。「こぢんまり」とまでは言わないにせよ、比較的小規模の展覧会。私はこういうのが好きである。楽でよろしい。気楽に来れる。[^J^]

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 図録は買わなかったので、絵葉書からスキャンしておく。左から、「毘沙門天立像 応賀寺」「馬頭観音坐像 長楽寺」



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 この展覧会は、実は撮影自由であり、一眼レフを持ち込んでいる人も大勢いたのだが、そういう情報を事前に察知しそこなう性格でしてね [;^J^]、仕方ないので iPhone で。

 馬頭観音像は、普通は馬の頭部だけが額に付いているものなのだが、この馬頭観音は珍しいことに馬の全身像が頭に乗っている。正面から撮影した絵葉書ではそれがよくわからないので、斜め前から撮影した写真も載せておく..ま、私らは「馬頭観音」といえば、「暗黒神話」(諸星大二郎)で刷り込まれているんですけどね。[;^J^](こういう、頭部が完全に馬になっているタイプも、あることはあるらしいのだが、私はまだ見たことがない。)



 昼食は、久しぶりに「鎌倉パスタ 浜松中沢店」。そのあと、湯風景しおり。

 帰途、14:40頃からまたポツポツ降り始め。夕方にはかなりの雨になった。深夜、23:10と23:40に緊急速報(避難準備情報発令)が飛び込んでくるが、私が住まう町は含まれていない。さらに大雨。0:00を回って、徐々に静かになった。

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*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Apr 3 2021
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