*2017年04月10日:幻想美術選「死の勝利」ピーテル・ブリューゲル(父)
*2017年04月11日:5月の展覧会観覧予定
*2017年04月12日:基本的には暖かくなってきているのだが
*2017年04月13日:幻想美術選では使わない [;^J^]
*2017年04月14日:伏見稲荷で祟られる [;_ _]
*2017年04月15日:千本釈迦堂/海北友松展/リド飲食街
*2017年04月16日:渉成園/芳年展
*目次へ戻る *先週へ *次週へ


*2017年04月10日:幻想美術選「死の勝利」ピーテル・ブリューゲル(父)


 「幻想美術選」、第59回。前回がエロスだったので、今回はタナトス(死)..まさに「殺戮博覧会」とでも呼ぶべき大作である。この題材をこの規模の大スペクタクルとして描いた絵画は、おそらく史上初で、その後(特に現代)、遙かにどぎつい表現の作品が量産されているにも関わらず、この恐るべき作品の歴史的価値は、コンマ1ミリたりとも減ずるものではない。それに..これは単なる地獄絵図では、ないのだ。(少なくとも、私にとっては..)

Picture

「死の勝利」(ピーテル・ブリューゲル(父)、1562年頃)

 テーマはまさに、一目瞭然。生の儚さ、死の絶対優位。農民、兵士、王、貴族、枢機卿。身分の高低に関わらず、善人にも悪人にも、死は突然に、平等に襲いくる。いっさいの抵抗は、無駄である..

 一見、骸骨に見えるが、実は、骸骨と見まごうばかりに(まさに [;^J^])骨と皮だけになった「ミイラ」たちこそ、死の化身である。あらゆる殺し方、あらゆる処刑方法で人間たちを屠る死の使者たちは、弔鐘を打ち鳴らし、堂々と十字架を戴いて、最後の審判の喇叭(らっぱ)を朗々と吹き鳴らしているかのごとくである。これは事実、聖なる最後の審判なのか、あるいは悪魔たちによる、底意地の悪いパロディなのか..

 この絵を観る人は誰もが、前景の修羅場と絶望的な数のミイラの群れに目を奪われるだろうが..凄まじいのは実は遠景。まさにこの世の地獄の光景であるが..しかし(確か)中学生時分にこの絵を初めて見た私は、徹底的に興奮し、のめり込んだ。「なんて、楽しい世界なんだ!」、と..私が「絵の中に入る」ことを特技としているのを知っている読者もいるだろうが..ここで私は、絶対的に無力な人間側に、感情移入したい。死すべき人々と共に(いや、むしろ単独行動で)この恐るべきミイラたちと闘いたい..事実、連日連夜、闘い続けた。この絵の中に入り込み、高性能銃で狙撃して、ミイラたちを殺して殺して殺して殺して殺しまくり続けたが..しかし一向に減らないのだ。なぜならここはミイラたち(死の使者たち)の支配する世界。どれだけ殺しても(というか、破壊しても)無限に湧いて現れるのであるが..それは、私の「楽しみ」が、永遠に終わらないということでもある。この恍惚と高揚感..

 ..だから、そんな目で、私を見るな。[;^.^]

 男の子というのは、こういうものなのだ。よく言われるように、「女は生まれた時から女だが、男は死ぬまで男の子である」(← 一般化して、他人を巻き添えにするな。[;^.^])何度か書いていることだが、「天国の退屈さたるや、まさに地獄。地獄の飽きの来なさ(永遠に続くハラハラドキドキ感)こそ、まさに天国的な楽しみなのである」。

 それができるのも(この絵の中で、いつまでも遊び(戦い)続けられるのも)、この絵画世界が過度に陰惨ではなく、どこか(暗い)ユーモアが漂っているからであろう。

*目次へ戻る


*2017年04月11日:5月の展覧会観覧予定


 まだ少し先(早くともゴールデンウィーク)に観る予定の展覧会ばかりだが、観に行く直前になってアップすると、会期終了間際であることが珍しくなく、読者に不親切だったので、少し早めにアップすることにした。

*京都国立博物館
 「開館120周年記念特別展覧会 海北友松
 後期:5月2日(火)〜5月21日(日)まで

*東京藝術大学大学美術館
 「雪村−奇想の誕生−
 〜5月21日(日)まで

*太田記念美術館
 「浮世絵動物園
 後期:5月2日(火)〜5月28日(日)まで

*平野美術館
 「富士と日本の名所
 〜6月4日(日)まで

*東京ステーションギャラリー
 「アドルフ・ヴェルフリ 二萬五千頁の王国
 4月29日(土)〜6月18日(日)まで

*東京都美術館
 「ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展
 〜7月2日(日)まで

 残念ながら、MOA美術館の「奇想の絵師 岩佐又兵衛 山中常盤物語絵巻」(〜4月25日(火)まで)と、太田記念美術館の「浮世絵動物園」の前期(〜4月26日(水)まで)は、見送りである..

*目次へ戻る


*2017年04月12日:基本的には暖かくなってきているのだが


 昼は暖かかったが、夜はやや涼しくなった。油断していると危ない。まだまだ、いくらでも風邪をひくチャンスはある。

*目次へ戻る


*2017年04月13日:幻想美術選では使わない [;^J^]


 このネタを書くのを、忘れていた。確か2月7日のニュースだから、すっかり旧聞。今さらソースを探すのも面倒なので、適当にぐぐって頂戴。[;_ _][;^J^]

 「メトロポリタン美術館が37万5000点の作品画像をCC0(クリエイティブ・コモンズ・ゼロ)で公開。あらゆる形での使用可」

 朗報である。この膨大な量の画像データ、「幻想美術選」でも多いに活用できるはずだが..しかし絶対、使わないのである [;^J^]。以前も書いたとおり、私の自宅(廃墟城)に備え付けられている「紙の」画集からのスキャンに、とことん、こだわっているのであった。[^.^][;^.^]

*目次へ戻る


*2017年04月14日:伏見稲荷で祟られる [;_ _]


 今日は有休取得済みである。快晴で良かった [^J^]。5:30に徒歩で出て、50分歩いて浜松駅へ。何故バスを使わないのかと言うと、始発バスを待っていると、京都に最も早く着く便、6:32に浜松を発つこだまに、間に合わないからである。この便に乗ると、7:56に京都。なんと、8:19に奈良線の稲荷駅に着く。朝いちから京都を堪能できるのである。

 8:25に伏見稲荷大社。登山道の始まりである。恥ずかしながら、ここに来るのは初めてであり、正直、気分が高揚している。

Picture Picture Picture

 なんの説明も要しまい。日本で一番有名な「観光地」のひとつであり、特に外国人にとってそうだというが、その理由は、よくわかる。とにかく、圧倒的に「個性的」、かつ、どこか「異様(といって悪ければ「神秘的」)」である。ここで撮った写真は、国に帰ってから家族や友人たちに自慢できる。誰もが目を瞠(みは)るはずだ。

 私も、いたく感心しながら、しかし同時に、決してしてはならないこと、ではないな、「思ってはならないこと」を、思ってしまったのである。それは、「確かに見事だが、こうも延々と続くと、正直、食傷気味になるわな」..[;_ _]。これが、まずかった!..[;_ _][;_ _][;_ _]



Picture Picture

 お稲荷様が、これに気が付いた..そうとしか、思えない。まず、「道を間違えた」。間違えるはずがないのだが、登山道の途中の「四ツ辻」。ここで、寄りにも寄って、唯一、違う方向の(稲荷山から降りる方向の)道を選んでしまう。しばらくは鳥居もあるし、墓所もあるしで気が付かなかったのだが、やがて下り坂になっていく。鳥居もなくなる..「これは違う!」、と、引き返したのだが、全く無駄な下りと登りをすることになり、体力が静かに奪われていく..四ツ辻に戻り、正しい道に復帰して、頂上(233m)に着くのだが..そこから下り始めてしばらくして、これはおかしい、(というか、やってしまった!、)と、気が付いた。



 両脚の膝を痛めてしまった [;_ _]。延々と続く石段を、ほとんど下りられない..途方にくれた..[;_ _] 確かにもともと運動不足ではあるが、しかし高々、233mの山を登る石段である。脚(膝)を痛めるような事案ではない。問題はない。問題はなかった。上りでは..下りが拙かった。中途半端な幅と高さの下り石段が、延々と続く..この状況で一番やりがちで一番やってはいけないこと..つまり、脚を伸ばしたまま、トーン、と、着地..衝撃が膝(の裏)を直撃した。しかも両脚。しかもしばらくは気が付かず、何度も繰り返し..[;_ _] ほどなく、下りられなくなってしまったことに気が付いたのである [;_ _]。下りるとき、上側の脚の膝が、体重を支えられない。連続7歩が限界 [;_ _]。7歩から、頑張って10歩も下りたところで、ひと休みしては(邪魔にならないように、参道の外側に少し出られる(外れられる、踊り場的な)場所が数メートルから10数メートルごとにあるのだ)、ストレッチをする。以前、似たような痛めかたをして医者にかかっているので、ストレッチの方法はわかっている。これのおかげで、なんとか下山できたようなものである..[;_ _][;_ _][;_ _][;^J^]

 稲荷山エリアから 脱出する 出る直前に、私の前を行く、妙な人に気が付いた。キツネのお面をかぶったゴスロリ女子 [;^J^]。顔はわからないが、後ろ姿が可愛い [^.^]。高橋留美子系というか..初期「うる星やつら」に出てきそうなキャラである。(青春時代の甘酸っぱい想い出をかきたてられた..とまで書くと、さすがに(恥知らずの)私ですら、恥ずかしいが。[*_ _][;^.^])「おぜうさん、寫眞を一枚撮らせてくださいな」、と、声をかけることができなかったのは..内気だから、というよりは、お稲荷様の最後のトラップではないか、と気が付いたからである [;^J^]。だっておかしいではないか。脚が動かなくなった(稲荷山から下りられずに閉じ込められそうになった)のも、いちおう前記のように理屈はつけたが(下り石段で脚を伸ばしてトーン!)、あそこまで動かなくなるはずはない。(痛みというより、動かなさ加減は、58年の人生でもあまり記憶にないほどのものである。)そして、最後の最後に、この場違いなゴスロリキツネ娘。ナンパ 声がけしたりしたら、どんな罰(ばち)が当たることやら..[;_ _][;_ _][;_ _] 11:20、伏見稲荷を無事に [;^J^] 離脱。

 無事にと書いたが、膝は治っていない。祟りは続いているのである。この二泊三日の京都旅行は、例によって、愛用している「まっぷる 京都さんぽ地図 '17」に則ったものであり(このガイドブック、使いやすく情報量のバランスも良く、ぶらぶら歩きしたいのなら、お薦めである)、今日は、「コース11 伏見稲荷」と「コース12 東福寺・泉涌寺」(合計、8時間弱)を片づける予定だったのである。既に、伏見稲荷で想定外の時間を使っている上に、今日は、6:00から四条駅そばの店で待ち合わせしている。膝が痛いといっても、平面を歩いている分には、まったく問題ない。階段を登るときも、まぁ問題ない。下りられないのである [;_ _]。基本的には神社仏閣巡りの散歩なのであるが、神社仏閣というのは、奥の方に行くためには、大抵、階段を登らなくてならない。そこまではよいのだが、行きはよいよい帰りは怖い [;^J^]。階段を下りられない。帰れない(少なくとも、時間が倍以上かかる。[;_ _])

 こんな状況だから、事前に決めておいた予定(そこそこ強行軍)を変更して、省略すべきだったのだが..ここが私一流の、融通のきかなさ [^.^](← いばるな。[;^J^])予定は全部こなす、と、再確認(再決意)してしまったのである。[;_ _](よせばいいのに..業(ごうと書いて、カルマと読む)である。[;^.^])

Picture Picture

 11:30、石峰寺。伊藤若冲と縁が深い寺である。竹林の中の、若冲が下絵を描いて石工が彫った五百羅漢は撮影不可だったが、墓は撮影できた(左写真)。

 11:50に離脱して、12:10に宝塔寺。このあと、京阪本線で深草駅から鳥羽街道駅まで移動。(普段なら歩く距離であるが、時間短縮のためというよりは、極力脚力を温存するため [;^J^]。あ、それから、このあと、駅の階段は原則として使わず、エレベーター、エスカレーターがあれば、必ずそちらを [;^J^]。反エコロジーであり、反ガイアである。[;^.^])

 12:55に光明院。庭が美しい(右写真)。とにかく今日は平日(金曜日)ということもあり、どこに行っても(比較的)すいているのは、助かるというか作戦勝ちである。(朝いちで伏見稲荷に直行したのも、それが理由である。土日は、えらいことになるに決まっているからだ。)



Picture

 13:10に離脱して、13:15に東福寺。(何故、行く先々の神社仏閣等の名称を全部書いているのかと言うと、一度訪れたところを検索できるようにしておいて、今後の人生で京都を訪れるとき(今年だけでもあと3回は来るだろうが [;^J^])、できるだけ効率よく未訪問の場所を回れるよう、プランを立てられるようにするためである。何しろ、書いておかないと、忘れてしまいますのでね。[;_ _][;^J^])

 見応えのある大伽藍、小伽藍(とは言わんか [;^J^])もあるが、ここで紹介するのは、あえて森の写真。秋には紅葉が美しいんだろうなぁ..13:40、離脱。



 14:10、泉涌寺。特別拝観で庭園などを見学。本当はもっといろいろ観られたし、奥が深い寺院なのだが、脚が..[;_ _] 表層を眺めたのみであり、ここは、リベンジが必要だ。(メモメモ φ[._.])14:55、離脱。15:00、今熊野観音寺。階段を登れるが下りられないので [;_ _]、奥までは行けない [;_ _]。15:10、離脱。

 15:20、戒光寺。ここでも特別拝観の時期にうまい具合に滑り込め、内陣に入れた。巨大な本尊丈六釈迦如来像を足元から観られたのは嬉しかったが、写真はもちろん、撮れません [;^J^]。15:35、離脱。

 15:40、即成院。ここでも特別拝観の時期にうまい具合に滑り込め、阿弥陀如来と二十五菩薩の足元まで入り込むことができた。菩薩たちの表情のバリエーションが、みどころです。15:55、離脱。

 16:10、瀧尾神社に着いたが..工事中![;^.^] 拝殿天井の龍の彫刻を見たかったのだが、仕方がない。即、離脱。

 16:45頃、京都駅から徒歩10分のドミトリーTに着く。ここ最近、京都での定宿にしている。ほかにもいくらでも選択肢はあるのだが、勝手がわかっていますのでね [^J^]。強いて言えば、眺めが悪い(というか、窓の外がすぐ壁である [;^J^])のが欠点だが、一晩や二晩、寝に帰るだけなら関係無いしね。ちなみに、明日もここに止まるのだが、連泊のプランはとれず、今日と明日は別契約。今日は個室、明日は相部屋である。

 ひと休みし(もちろん、ストレッチもしっかりして [;^J^]。いちいち書いていなかったが、行く先々で、ストレッチをしながら歩いていたのである)、17:15に発つ。17:50、待ち合わせ時刻よりは少し早いが、「天ぷら よしおか」に着いたところ、Kさんは既に到着されていた。

 老夫婦ふたりできりもりされている、小ぶりな店であるが、天ぷらが美味い! 酒も中々。20:45頃に出て、まだ少し飲み足りないので、20:50、「AUX BACCHANALES」という店に入り、ワインを飲みながら、おしゃべりの続き。22:45に出て、散会。いつもお付き合いいただき、ありがとうございます [_ _][^J^] >Kさん。このあと、地下鉄までの階段を必死で下りて [;_ _][;^.^]、京都駅へ。

Picture

 京都に来るたびに撮影している、京都タワー。これが意外に、難しい被写体である。この写真では、展望台の下の「朱色」が(肉眼で見えている通りに)写っているが、普通に「絞り優先オート」で撮ると、何故かこれが写らない。白っぽくなってしまうのである。「なるほど、フリッカー現象か」、と、シャッター速度を落としても、ダメ。痺れを切らして1/10秒ぐらいまで落とすと、今度は光が入りすぎて、タワー全体がぼんやりと白くなってしまう。

 この写真は、普通に1/80秒程度のシャッター速度で、連写したものから選んだものである。フリッカー現象の影響が出るシャッター速度であるが、どういうわけか、この連写で撮影した20枚程度の写真は、全て朱色に写っているのである [?_ _]。仮説としては、点滅はしているのだが、それは白色光と朱色光の点滅であり、白色光の方が時間が長い。今回の連写ではたまたまタイミング的に、朱色光にすべて「当たった」、というものであるが..眉唾である。[;^.^]



 23:45、宿(ドミトリーT)に帰り、シャワー。やれやれ。[;^J^]

 今夜、Kさんとおしゃべりした話題を、思い出せる限り(差し障りのあるものは除いて [;^J^])順不同で列挙しておく。(こういうのをいちいち書いておくのも、次回、同じことを(できるだけ)しゃべらないようにするためである..何しろ、一度しゃべったことを忘れて、同じことを何度も何度もしゃべってしまいますのでね、この歳になると。[;_ _][;^J^])

 カメラ(写真)の話。展覧会の話。京都観光の話。伏見稲荷で祟られた件 [/_;][;^.^]。ものを買わない時代。ものを買わない人々。私も買わない。では何故カメラを買った?(既に50万円超えの投資。年内に100万超えがほぼ確実という..[;_ _][;^.^])フェチだから。メーカーはここを(この嗜好を)狙うべきでは。楽器をやる人は、楽器に数十万の投資は、当たり前だよね。

 最近の(ネット)ニュースネタだが、30〜40台の人は、年収300万に減るとショックを受けるが、20台の人は300万でも「そんなもんか」と、貧乏生活に馴染んでしまうという。別に悪いことではないと思うが、向上心はないのか。経済が回らなくなる。欲しいものがないんじゃ、仕方がないか..本離れ、漫画離れ、映画離れ、テレビ離れ。ゲームもしない、車も買わない、ゴルフも麻雀もしないし、酒も飲まない。パチンコや賭博の人口は減る一方だし、スポーツに打ち込んでいるようにも見受けられない。どうせ、勉強もしていないんだろう。一体、どういう人生を送っているのか。ラインとインスタだけか。

 ドリフ(ドリフターズ)の話。先日の某番組で、仲本工事が居酒屋をやっていることを知った件から。74歳にもなって働き始める必要があるのか。もう一生分稼いで貯えていたと思っていたが..あの世代の芸人には、そういう感覚はなかったかも知れないなぁ(真相は知らないが)。単に働くことが好きなのかな。

 (子どもの頃読んだ)本の話。ロビンソン・クルーソー。「ロビンソン・クルーソー型遭難(すぐそこに拾いに行けば何でもある。雑貨屋を開けるほど何でも手に入る。特に銃器のバラエティには驚いた)」。宝島。終盤、宝(金貨や銀貨の山)を手に入れた人々を待ち受けていた重労働。貨幣のより分け。指先が痺れ、腰が痛くなったという描写の迫真性。宝探しつながりで「カムイの剣」。ダミーの(比較的価値の低い)宝で隠されていた真の宝を、洞窟の中で発見するシーンの凄味。「無限の富を手に入れた」という表現に、子ども心に首を傾げていた私に(「いつかは使いきるじゃん..」)親父が「金利」という概念を教えてくれた話。超低金利時代に育った若者には「銀行に金を預けておくだけで生活できる利子生活者」という概念は理解できないか [;^J^]。(今の若者は物心付いて以来、不景気しか知らなかったので、(東京などある程度局地的ではあるが)「好景気」という状況が、理解できていない、という話。)「ロビンソン・クルーソー」や「15少年漂流記」を、西原理恵子が死ぬほど嫌いだという話。これは夏休みの修学旅行か!という憤激。のちに「蠅の王」を読んで、かくあらねばならぬ、と、心安らかになったという話。[;^J^]

 地方都市の大変さ。浜松は(人口が減っている=そう遠くない将来の困窮が目に見えているのに)政治家も実業家も「なんとかなるだろ」と、危機感がない。これが最大の危機。京都だって、別に楽だというわけではない。街には外国人が溢れているが、飲食店にも外国人が溢れているかというと、そうでもない。

 伏見稲荷が、日本の観光地で外国人の人気No.1だというのは、確かに理解できる。圧倒的に個性的、かつ、どこか異様。国に帰って家族・友人に写真を見せたら、確実に(「Waao!」、と)ウケる。禅寺の方丈や庭園も悪かないけど、正直な話、日本人にも、どれがどれだか区別つきゃしないし。[;^J^]

 その伏見稲荷で、ゴスロリ+狐のお面の少女に邂逅したにも関わらず、「写真を撮らせてください」、と、声を掛けられなかったチキンぶりを、Kさんに責められた。[;_ _][;^.^]

 山岸凉子の「わたしの人形は良い人形」は、必読、と、Kさんにお薦め。山岸凉子の恐怖マンガは、全てお薦め。

*目次へ戻る


*2017年04月15日:千本釈迦堂/海北友松展/リド飲食街


 7:25、チェックアウト。(今夜もここに泊まるのだが。)昨日の熱心なストレッチのかいあって、(シャワー室でのほぐしと、一晩の睡眠も、それなりに功を奏したのだろうが、)脚(膝)は、だいぶ楽になってきた。まだまだおかしいが、なんとか階段は下りられる [;^J^]。やれやれ..と、油断したのが間違い [;_ _]。お稲荷様の祟りは、まだ続いていたのだった。[;_ _](事件は、すぐあとに述べる。[;^J^])

 明るい曇天。今日は時々雨が降るらしいが、今はまだ、その気配はない。駅そばのコンビニでおにぎりとほうじ茶を買って、駅前のベンチでこれで朝食。今日、午前中のターゲットは、千本釈迦堂。バス停の係員の人に、206系統がいいと教わり、一日乗車券カード(500円)を買う。これは大正解だった。(京都の市バスは、230円なので、2回乗るとトントン。3回乗ると丸儲けだが、後述する理由から、乗車回数は当初の予定より、だいぶ多くなったからである。)

 206系統の、8:05頃のバスに乗る。千本釈迦堂の最寄りバス停には、30分程度で着くだろう。千本釈迦堂は9:00からだから、それまでは、近所で桜でも探して撮っていればよし、と、考えていたのだが..(さぁ、そろそろです。[;^J^])

 8:33、直近の千本上立売バス停で降りる。千本釈迦堂の場所を探しつつ、近くを散歩しつつ、それにしても身軽で楽だ..リュックをバスに置き忘れてきた![;*.*][;*.*][;*.*] ただちに iPhone で市バス総合受け付けを検索して、そこに電話。そこで、206系の事務所の電話を案内されて、そちらに電話..北大路バスターミナルで保護されてる![;^.^] 助かった、ここから近い![;^.^] 9:00に、近くの千本今出川バス停で、そちら方面に向かうバスをつかまえ、9:15、北大路バスターミナル着。リュック、無事確保![;_ _][;_ _][;_ _] ああよかった。京都市内全域を捜し回ることになるのかと覚悟していましたよ。お稲荷様、もうここらで勘弁してください..[;-人-][;-人-][;-人-][;^.^]

 北大路バスターミナルから9:30のバスで引き返し、千本釈迦堂に着いたのは、結局、9:55。たった1時間少々のロスで、いい想い出作りが出来た。この一件、私にとっては黒字である(などと書いていると、また、お稲荷様の逆鱗に触れてしまう。[;_ _][;^J^])

 おや、ポツポツ小雨がふり始めている。(このあと終日、降ったりやんだり。)

Picture

 千本釈迦堂(大報恩寺)は、だいぶ以前からFさんに薦められていたスポットである。仏像が好きなら、絶対に見逃すな、と。(堂自体は国宝だが、仏像群は)国宝指定されていないので知名度は低いが、その質たるや、半端ではない、と。

 ..凄かった。霊宝殿は、文字通り宝の山である。快慶作の「十大弟子像」の生気! 実に見事に、個性的に彫り分けられている。そして、定慶の「六観音像」の美しさ、繊細さ、その品格! いつまでも観ていられる。いつまでも観ていたい..

 そしてまた、「穴場感」が、半端ではない [;^J^]。なにしろこの霊宝殿に50分近くいたのに、その間の参拝者は(土曜日なのに)私を含めて3名 [;^J^]。30分以上も、この霊宝殿まるごと、独り占めである![^.^](雨もよいとはいえ、すぐ近所の北野天満宮は、今頃えらい騒ぎになっているであろうに。[;^J^])

 教えてくださったFさんに、感謝 [_ _][^J^]。そして皆さん、ここ、外しちゃダメだよ! 「千本釈迦堂」、今日は名前だけでも憶えて帰ってくださいね。[^J^]



 10:55、霊宝館を出る。雨上がってる..と、境内の桜の写真など撮っていたら、また雨。11:05に、千本釈迦堂自体を離脱。雨、どんどん強くなる。前回の轍を踏まぬよう、リュックは前に回して両手で保護し、絶対に濡れないように万全の態勢を取りつつ(なにしろ、中には、旅の空き時間の無聊を慰めるための書籍が数冊、入っているのだ)、直近のバス停に急ぐ。ほとんど待たずに、11:12、千本上立売バス停で、206系を掴まえられた。ラッキー。このまま京都国立博物館まで行ける。(今日は(遺失物の受け取りも含めて)ほとんど終日、206系で移動し続けた1日となった。)12:10、着。雨上がってる..と思ったら、また小雨。(こんなんばっかし。[;^J^])

 「開館120周年記念特別展覧会 海北友松」(前期:〜4月30日(日)まで)である。

 正直、狩野派や長谷川等伯に比べて、あまり認識していない画家であったが、目から鱗が落ちた。いったい、どれほど多くの宝物を、私は見落としてきたんだ? [;_ _] いったい、どれほど多くの未知の宝物に、これから出会えるんだ? \[^O^]/

 やはり、トレードマークは、竜、ということになろうか。画像検索しやすかったのは、「雲竜図」画像検索結果)、「雲竜図屏風」画像検索結果)だが、ほかにも数多く来ていた。「花鳥図」画像検索結果)の孔雀の表現は珍しく、「竹林七賢図」画像検索結果)も、樹の描き方が、強烈に個性的である。

 「婦女琴棋書画図屏風」画像検索結果)は、発想が面白い。「放馬図屏風」画像検索結果)の白馬の描き方を見ると、昔の(手塚治虫以前の)「漫画家(絵師と呼ぶ方がいいかも知れない)」が、どれほど古典を勉強していたのか、逆に痛感する。彼ら、こういう線を、駆使していたのである。「寒山拾得・三酸図屏風」画像検索結果)も、楽しい。

 「花卉図屏風」画像検索結果)は、やはり迫力満点。この展覧会の目玉として位置づけられている「月下渓流図屏風」画像検索結果)は、良い作品だとは思うものの、頭の中で印象を整理しきれない。鑑賞ポイントが、腑に落ちていない。確か近々、「日曜美術館」で取り上げられるはずだから、そこでしっかり学ぶことにしよう。

Picture Picture Picture Picture

 15:05に会場を出たら(まだ、京都国立博物館の敷地内である)、今度こそ、晴れである。この博物館の公式キャラクター、トラリンが来てる![^.^] もしかして、生きて動いているトラリンと会うのは、初めてかも。しばらく撮影会が続いていたが、やがて係の人が、「さぁ、ゲストの人たちと撮影しましょうね〜」、と、連れて行って、お開きになった。このとき、私の聞き間違いでなければ、係の人は「ぶらぶら」と言ったような気がする。「ぶらぶら美術・博物館」の収録かしら? 楽しみ、楽しみ。[^J^]



 このあと、噴水や桜の撮影練習をしてから、15:35に退出。東本願寺に行きたいのだが、徒歩20分程度とのこと。いつもなら迷わず徒歩だが、今日は無理をしない [;^J^]。博物館前から、バスで移動。206系以外に3〜4本の系が、東本願寺直近のバス停に寄る。(何しろ、もうほとんど駅前ですのでね。)結局、86系で、15:55に東本願寺。

 西本願寺に比べて、マイナー感は否めない [;^J^]。が、(外から見て)「単にだだっ広いだけ」と思っていた阿弥陀堂と御影堂が、中に入ってみると、なかなか見事な空間である。(基本、だだっ広いだけなのだが、その中での装飾とか、とにかくいろいろ見事。)東本願寺、見直しました。[^J^](← 何様目線なんだ、コラッ![;^.^])

 16:50に離脱し、東本願寺の、道を隔てて南側にあるリド飲食街の場所と、営業開始時刻(「大体、18時位から」)を確認してから、いったんチェックインするために、今夜も、ドミトリーTへ..おやまたポツポツと。徐々に強く。空は1/3ぐらい、雲間が見えているのになぁ..これではまるで、狐の嫁入り..キ、キツネ!?(← もう、おやめなさい。[;^J^])

 17:10に宿に着き、17:45に、リド飲食街に向けて出発。(今夜はここで、一人酒である。[;^J^])

Picture Picture

 18:00少し過ぎに着いた。左写真は、入る前(18:00過ぎ)、右写真は出た後(21:00過ぎ)である。

 とにかく狭い!(通路も狭いが、店も狭い。大体、カウンター席は、多くて10数席、少なくて5〜6席である)この狭さが値打ちであるというのは、よくわかる。3軒、ハシゴ。18:00〜19:00(最初に河岸を変えたタイミング)の時点で、早くも格差は明らかで、席が全部埋まっていてしばらく様子を見ていても入りようがない(ほど盛況な)店があるかと思えば、1時間以上も、客がひとりも入っていないのではないかと思われる(それはそれで入るのに勇気が必要な [;^.^])店もある。ただし、この、早い時間帯でのことではある。もっと遅くなれば、それらの店も盛況になるのかも知れない。



 まずホルモン焼きの店で、レバ焼き、カルビ、ハラミ、ビールとハイボール。ちょうどテレビで、MUSIC FAIR が始まっている。先週に続き、加山雄三傘寿記念で、さだまさしやアルフィーらとともに、ももクロもゲスト出演している。もちろん、浜松で予約録画しているのだが、それはそれとして、リアルタイムでも観たいので、テレビに見入る。[;^.^]

 2軒目は、客が全然入ってない店 [;^.^]。味や値段に問題があるとは思わなかったが、さらに付加価値が必要なのであろう。ほろ酔いセットと2品。

 3軒目は、混んでいる店。そろそろ私の小さな胃袋が悲鳴を上げ始めているので、ビールを1杯とチーズの豆腐&酒盗。なかなか美味いが、ここで満腹。[;^.^]

 21:05頃に離脱して、21:20、ドミトリーTに帰る。定宿のTから徒歩15分程度ということは、今後、京都で夜、遊んでくれる人がいなければ、デフォルトでリド飲食街にしてもいいかも知れない。(それはそれとして、祇園のバー街にも興味はありますが。)

 今夜は相部屋(4人部屋)で、既に寝ている人もいるので、音を出さないように気を付けつつ、アサインされていた2段ベッドの下段で、21:40頃、早くも就寝。何しろ、昨日に引き続き、疲労困憊な1日だったので..

 23:00に、目が覚めた。おはよう。[;^.^]

*目次へ戻る


*2017年04月16日:渉成園/芳年展


 なんとか二度寝して、起きたのが、5:00頃。もうこれ以上眠るのは無理なので、二段ベッドの下段で手元照明をつけて読書。6:45、チェックアウト。快晴。膝はほぼ、問題なし。お稲荷様のお許しが出たのであろう。今後は、気をつけます。[_ _][-人-][-人-][-人-]

 京都駅前の地下街であるPortaに着いたのが、6:55。さすがに2日連続コンビニにぎりで朝飯というのもどうかと思うので、今朝はここで朝食をとるつもり。7:30の開店を待ちつつ、スタバの前のベンチで読書しながら待機。

 ..スタバには、モーニングセットはないのか。まぁ、サンドイッチがそこそこ美味しかったからいいや。コンビニにぎり(&ほうじ茶)の方が、コスパはいいけどな![;^.^] 8:40にスタバを発ち、徒歩で8:55、渉成園。9:00の開園まで5分待つ。雲が広がってきたが、暑い!

Picture

 ここには、リベンジに来たのである。前回(2月に)来たときには、花がほぼ全くなかったのは仕方ないとして、メインである「印月池」が、浚渫工事の真っ最中で、完全に干涸らびていた、という、手痛い一撃を喰らっていたからであるが..[;^J^]

 ..返り討ちに合いました [;_ _][;^.^]。花は、まぁ咲いていた。「印月池」は今なおメンテ中とはいえ、水は戻っていた..が、だいぶ水位が低い。それよりなにより、庭園のほぼ中央に位置する「侵雪橋」が、分解保存修理の最中で、影も形もない。[;_ _](3月1日〜10月末まで)うーむ..次のリベンジは、冬だな。[;^J^](11月では、工期の遅れがありうる。)またぞろ、花の乏しい季節だが..

 ちなみに、この印月池の撮影は、難しい。構図を決めにくいのだ。向こう岸の形状というか角度が原因なのだが、ぴったり水平にして撮影しても、傾いて見えてしまうのである。かといって、その(見かけの)傾きに合わせて傾けて撮ると、これはもう完全な失敗写真 [;^J^]。それと、ちゃんとした広角が欲しい。「AF-S NIKKOR 28-300mm f/3.5-5.6G ED VR」を持参したのだが、28mmでは入りきらない。16mm、いや、せめて20mmの画角が欲しい。



 9:35に発つ。10:05、美術館「えき」KYOTO。「芳年 − 激動の時代を生きた鬼才浮世絵師」(〜4月23日(日)まで)である。

 ここはもう、スキャンも、画像検索結果へのリンクも、省略させていただく [;_ _]。手抜きと思われても仕方がないが [;_ _](そういう側面が皆無とは言わないが [;_ _][;^.^])、なにしろ、大部分は、今まで何度もご紹介してきた作品でありますので。[;_ _]

 改めて痛感した、総評というか講評だけは、書いておこう。現代日本の「劇画表現」「劇画文法」は、芳年の段階で、完成している。素人が勝手なことを抜かすなと怒られることを承知で書くが、もしも漫画家・劇画家がスランプに陥ったら、基本に立ち返るために、芳年の模写をすれば良いと思う。

 10:58のひかりで、12:06、浜松着。八丁蔵で昼食。15:05、帰宅。暑い!

 WOWOWでトラブル。BDレコーダーで、来週末の193(WOWOWシネマ)の番組が、録画予約できない。「契約がない」的な表示。191(WOWOWプライム)も同様。192(WOWOWライブ)は、問題なし。

 もちろん、契約しているのである。(高い金払って。[;^J^])慌ててカスタマーサポートに電話。担当者のガイドに従い操作してるうちに、症状が消えてしまった [;^.^]。「ファームがアップデートされたあとに、こういう症状が発生することがある」とかゆってたけど、既知の問題だった? それにこのレコーダー、勝手に(ネットから)ファームをアップデートする機能、あったっけ?(あったような気もする。[;^J^])ガイドに従って、「いったん現在放映中の番組を録画する」、という手順を踏んだのだが、どうやら、これが、この症状を消すためのおまじないだったらしい。(これを書いていて気が付いたのだが、私はWOWOWのカスタマーサポートに電話したのである。BDレコーダーのメーカー(パナソニック)にではなく。つまり、メーカーや機種を問わずに、一般的に発生しうる症状ということか..)

*目次へ戻る *先週へ *次週へ


*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Apr 22 2017
Copyright (C) 2017 倉田わたる Mail [KurataWataru@gmail.com] Home [http://www.kurata-wataru.com/]