*2006年04月10日:人間ドック/生物彗星WoO
*2006年04月11日:「最後の夢の物語」
*2006年04月12日:「レクイエム」の衝撃の真相
*2006年04月13日:掛川花鳥園など
*2006年04月14日:ドア修理/車検
*2006年04月15日:漫画喫茶に滞在男
*2006年04月16日:「特盛! SF翻訳講座」
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*2006年04月10日:人間ドック/生物彗星WoO


 今日は楽しい人間ドック。結果は..相変わらずである。軽い運動(散歩)を不定期ながら始めたり、夜の総菜(酒の肴)から不必要に脂っこいものを追放したりし始めたのはつい最近なので、数字に変化が出るわけがないのだ。酒量はむしろ増えているしな。これをなんとかしないと。

 ハイビジョン特撮ドラマ「生物彗星WoO」が、昨日から始まった。物語は始まったばかりだが、同日に放映された特番「いよいよ始まる“生物彗星WoO”」によると、主人公の少女の“逃亡系”の物語になるらしい。ふんふん、良きかな。「スラン」の昔からSFの基本は逃亡なのである。(ついて来れなかったそこの若い人。悪いね。[;^.^])

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*2006年04月11日:「最後の夢の物語」


 先日読み終えた本の感想を書いておくのを忘れていた。「最後の夢の物語」(Lord Dunsany、中野善夫、他訳、河出文庫)- ダンセイニの短編を集成した4冊シリーズの最終巻である。(他の3冊は、「世界の涯の物語」「夢見る人の物語」「時と神々の物語」。)

 掌編集「51話集」、掌編集「不死鳥を食べた男」、及びその他の掌編2篇を収める。「51話集」を読んだのは中学生の頃だが、記憶に残っている作品が驚くほど多い。「カロン」「めんどり」「風と霧」「兎と亀の駆けくらべの真相」「劫火のあと」「駆け引き」「詩人、地球とことばを交わす」など。当時は特に「劫火のあと」が好きで、当時片想いしていた同級生に、これを書き写したハガキをいきなり送ったりしたものである。[;^J^](よくある話じゃないですか。[;^.^])

 「不死鳥を食べた男」は本邦初訳。「リリー・ボスタムの調査」「名誉会員」「不死鳥を食べた男」「森を吹く風」「無視」「最初の番犬」「林檎の木」「マルガー夫人」「当世の白雪姫」「第三惑星における生命の可能性」「チェス・プレイヤーと金融業者ともう一人」「犬の情熱」「記憶違い」「鉄の扉」など。特に「リリー・ボスタムの調査」は、まったくもって高橋葉介の世界。登場人物にブン、猫夫人(「ライヤー教授の午後」バージョン)らを重ねずに読むことは不可能である [^.^]。「無視」も葉介の世界。この日記の読者には高橋葉介の読者も多いような気がするし、お薦めである。

 ダンセイニを読んだことがないというのならば..「ペガーナの神々」「時と神々」「三半球物語」を収録している「時と神々の物語」から読み始めるべきかな、やはり。

 夜になって風雨が激しくなる。深夜、稲光と雷鳴の連続でなかなか眠れず。(雨戸を1枚、常時開けたままなので、眩しいのだ。)

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*2006年04月12日:「レクイエム」の衝撃の真相


 5月末日までに(というかできれば4月末日までに)ウェブの引越をしなければならないのだが、案の定、引っ越し先のリサーチには全くの手つかず状態 [;^J^]。それはそれとして、条件として「シェルが使えること」としていたのだが、これは引っ込めることにした。選択肢を広くするためであることは言うまでもないが、それよりなにより「仮に現在、シェルが使えるとしても、将来に渡って使い続けられるとは限らない」からである。シェルというのは、セキュリティ・ホールになりかねない。もちろん、運営業者がちゃんと管理していればなんの問題もないのだが、このご時世、自信のない運営会社はそのうち禁止(廃止)してしまうかも知れない。シェルが使えることを当てにしていてはならないのだ。

 というわけで、ホームページのアップデートをFTPのみでできるように、環境(ツール)の整備を始める。なに、別にたいしたことではない。従来、手元のウィンドウズ環境でマスター(30メガバイトほど)を維持しており、これを圧縮してFTPでサーバーに送り、サーバーにテルネットでログインしてこれを解凍し、さらに若干のファイル名変換やシンボリックリンク作成などを行うスクリプトを走らせていたのを、これからは全てウィンドウズ環境でマスターイメージを構築し、ここからサーバーに差分アップデートするようにするだけのことだ。差分アップデート(Sync)には、例によってzcopyを使うことにする。

 数日前から読み始めていた「管弦楽法」(ベルリオーズ−R.シュトラウス、音楽之友社)。とにかく面白い記述が満載であり、いちいち抜き書きしていられない。12000円もする本なので「買え!」とは言いにくいし、「立ち読みしろ!」というわけにも行かないので [;^J^]、行き付けの図書館におねだりして買ってもらいなさい。

 その「管弦楽法」の「ティンパニ」の項目では、案の定、ベルリオーズの「レクイエム」のスコアが引き合いに出されており、やっぱりね〜、ふむふむと読んでいたところ..そのスコアの(ティンパニではなく)金管楽器群のパートに記載されている作曲者による指示が目に入った瞬間、その時わたしは床の上に腹這いになって両肘をついて顎を支えて読んでいたのだが、その姿勢のまま床面に平行に50センチ弱浮き上がり(飛び上がり)、その姿勢を保ったまま落下したのだが左肘が先に着地したので、数週間前から痛めている左肩に衝撃が走り約1分間声も出せずに悶絶するはめになってしまった(← 物理的に不可能な記述なのであまり真面目に読まないこと [;^.^])。

 な、な、な、何ぃいぃぃいいいいい!! 「4つの金管楽器からなる小さなオーケストラは、それぞれ大編成の合唱、オーケストラの四隅に配置すること。ホルンだけは大オーケストラの真中に配置する。」..「会場」の四隅じゃなかったのか!「オーケストラ」の四隅だったのか!

 人生最大の衝撃とは言わぬまでも、ベスト20には間違いなく入る衝撃である。誤訳かも知れない、裏を取らないと、裏を取らないと..(英仏独三カ国語仕様の)Eulenburg の総譜を見る。該当個所には「These four small brass-wind orchestras must be placed separately at the four corners of the grand group of choral singers and instrumentalists. Only the French horns remain in the grand orchestra.」「Ces quatre petits Orchestres d'instruments de cuivre doivent etre places isolement, aux quatre angles de la grande masse chorale et instrumentale. Les Cors seuls restent au milieu du grand Orchestre.」(独語は読めないので略 [_ _])..間違いない。「ベルリオーズ回想録 1」(丹治恆次郎訳、白水社)の第306頁を読む。「演奏者たちはかなり距離をおいていくつかのグループに分けられた。「トゥーバ・ミルム」のところで私は四つの金管楽器群(グループ)をつかったのだが、合唱団と管弦楽団からなる大きい塊(マス)の四隅にそれぞれ位置を占めねばならなかったので四つの群(グループ)がどうしても必要だったのである。」..間違いない。

 裏を取るための一次資料としては、以上で必要十分だ。(膨大な量のCDのライナーノーツにあたる気力は無い。)それにしても思いこみとは恐ろしい。私はこれまで何十年間も、「会場の四隅に配置される」のが本来の姿(ベルリオーズによる指示)だと思い込んできたのである。「新・ベルリオーズ入門講座 第3講:死者のための大ミサ曲」にもそう書いた。また、これまで私が接してきたこの曲の実演の記録を、この日記に「2003年11月26日:ゲルギエフのベルレク」としてまとめているのだが、そこにもそう書いた。後者はともかく、前者は早急に改訂する必要がある..

 それにしても、どうしてこういう思い違いをしたのだろう。世間の人々は思い違いをしていないのだろうか。(前述のごとく、ライナーノーツの類にあたるのは大変なので)「ベルリオーズとその時代」(Wolfgang Domling、池上純一訳、西村書店)で代表させて、レクイエムの楽器配置に言及している個所を片っ端からチェックする。「会場内の四個所」「それぞれ離れた個所」「空洞」などと記されている。「会場内の四個所」とはまた、微妙な表現である。確かに「オーケストラの四隅」は「会場内の四個所」に含まれるが、こう書かれると、普通は「会場の四隅」と取るのではあるまいか。

 私が一番最初に読んだベルリオーズ関連書籍を掘り出した。1967年発行の「大作曲家・人と作品 ベルリオーズ」(久納慶一、音楽之友社)である。私はこれを中学生時分にボロボロになるまで読み返したのだが..第194頁に「ホルン以外の金管楽器は四組の小さなブラスバンドを作って、中央のオーケストラから離れ、ホールの各四隅から最後の審判の響きを立体的に描き出すように指示されている」..これか。これのせいか。これで刷り込まれたのか〜〜!! [;^.^]

 久納慶一が何を参照してこのように書いたのかはわからないし、あるいは彼のオリジナルの(?)思い違いかも知れない。しかしこうしてみると「会場の四隅」風説は、かなり広く流布していると考えるべきである。これを正すのが私の使命..なのであろうなぁ [;_ _][;^J^]。それにはまず、レクイエムの新全集版のスコアを(刊行されていれば)入手することだな..

 まだ午前10時である。(朝っぱらから知的生活をしてるでしょ。[;^J^])街中へ徒歩で出動。時代舎(古書肆)に寄り道してジョーシンへ。先週に引き続き閉店セール狙いであるが..DVDフロアの棚はスカスカ。もはや収穫なし。コンプマートによって書籍を数冊。昼食はべんがら横丁の「竈」で「得入りラーメン」。バスで帰宅。あとは夜まで録画消化。

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*2006年04月13日:掛川花鳥園など


 午前中、友人から電話。昼過ぎに来て、一緒に私のマーチでお出かけ。(友人がハンドルを握る。)サイゼリアで昼食を食べてから、Tさんの下宿へ。いかにも学生風の暗い部屋 [;^J^]。しばらく話をしてから、とある説明会へ。ふぅむ..

 引き続き友人の運転で、掛川方面へ走る。どこに拉致されるのかと思っていたら [;^J^]「掛川花鳥園」。全く知らない施設だったが..これは素晴らしい! 面白い! 花の中で鳥たちと「スキンシップ」できるのである。いや、そりゃもちろん、ヒッチコックを想い出さなかったわけではなく [;^.^] 少しもびびらなかったというと嘘になりますが [;^.^] インコたちが腕や肩や頭に鈴なりになって、これが結構、重かったり、シロクジャクの猫のような鳴き声の美しさに驚いたり、梟たちの(確かにミネルバの象徴に相応しい)知的な瞳と見つめ合ったり..しかしわたくし的には、一番のヒットはエミュの群れに身を投じたことである [;^.^]。ほとんど恐竜体験であった。[;^.^]

 佐鳴台の「とろろや」で夕食してから帰宅&解散。

 ホームページのFTPのみによる更新環境、整備終了。もはやシェルは不要である。さて、あとは引っ越し先を探すだけなのだが..[;^J^]

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*2006年04月14日:ドア修理/車検


 車検の季節である。IKKOに電話。15時にマーチを持っていくことになる。

 午前中は(時間が無いので、徒歩ではなく)車で街中へ。りそなで車検費用を下ろし、昼食はべんがらの「でびっと」で醤油系のラーメン。谷島屋に寄って帰宅。

 14時過ぎ、イイダサッシが来訪。(13時の約束だったのだが。)バストイレのドアの修理を去年の12月に依頼していたのだが、その後音沙汰が無く、まぁ忘れているのだろうなとは思いつつ、だましだまし開け閉めできるので私としてもつい億劫になって督促していなかったところ、先週になってついに完全に外れてしまいもはや閉めることができなくなったので流石にこれ以上は放置できん、と、ようやく督促していたところ、本日改めて来訪してくれた、という次第である。(← だらだらと書くのはとても楽である。[;^J^])今日は「改めて見積もり」の筈だったのだが、一気に修理完了となった。実際忘れていたらしく、大変遅くなって、と非常に恐縮されていたが、まぁ忘れる方も忘れる方だが、どちらかと言えば督促しなかった私の方が悪い [_ _]。とにかく、ようやくまともに開け閉めできるようになって良かった良かった。

 15時にIKKOへ。車検の実施は来週火曜日(18日)なのだが、諸事情あって今日から預けることにする。代車は軽トラック..

 ..軽トラを運転するのは初めてなのだが、そりゃシートがリクライニングするわけはないとは認識していたが、シートを前後に動かせないのには、目から鱗が落ちました [;^.^]。運転しにくいよぅ..これはこの車種(あるいは個体)だけのことかも知れないが、アクセルもブレーキも、完全にペタンと踏み込んでから、ようやく効き始めるのである [;^.^]。こんな車に慣れるわけにはいかん。できるだけ、この代車は運転せずにすませることにしないと..その一方、バックが非常にやりやすいことに気が付いた。後ろを振り向くと目の前に窓があるので、後方の視界が非常に広いのである。(荷台が空っぽの場合はね。)ヒヤヒヤしながら自宅まで転がして帰宅。

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*2006年04月15日:漫画喫茶に滞在男


 というわけで、徒歩で出勤。片道6.2キロ。早足気味だと時速6キロ出るので、1時間少々で着く。結構、いいじゃん。徒歩通勤にしようかなぁ。

 一昨日のサンケイウェブのニュース速報を、ネタにするのを忘れていた。「漫画喫茶に1カ月寝泊まり。代金払わず詐欺で逮捕。岐阜北署。24時間営業の店、9時間で使用料千円の個室を使用。 」

 数ヶ月に一度は報道される「事件」である。いつも思うのだが、何故、もっと早く叩き出さない(通報しない)のかね。出来るだけ長期間滞在させて「太らせてから」食う、もとい、追い込みにかかっているようにしか見えないんだけどね。[^.^]

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*2006年04月16日:「特盛! SF翻訳講座」


 今日も徒歩で出勤。夕食は「天はる」。

 「特盛! SF翻訳講座 −翻訳のウラ技、業界のウラ話−」(大森望、研究社)- ここ最近、飛ばしまくっている大森望のエッセイ集。ひところは「大森望が誉めた本は誰も読まない」なんて某漫画で書かれていた様な記憶もありますがね。[;^J^]

 まぁSFマガジンに連載されていたので、私にとってはあらかた既読の文章なのだが、結構面白いのでお薦めしておく。それにしても、折り込み広告を見て、初めて出版元に気が付いた次第であるが..いいのかね、研究社がこんな本 [;^.^] を出して。

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*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Apr 20 2006
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