*2024年04月01日:軽にする?
*2024年04月02日:「シュルレアリスムと日本」展/「ほとけの国の美術」展
*2024年04月03日:4〜5月の展覧会観覧予定
*2024年04月04日:結局マーチ [;^J^]/こども自然公園
*2024年04月05日:大岡川プロムナード
*2024年04月06日:草むしり
*2024年04月07日:「北欧の神秘」展/「大吉原展」
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*2024年04月01日:軽にする?


 早朝、雨が残っていたがやがて止み、雲が切れて晴れ間が覗く。暑い。

 スーパービバホーム長津田まで車を走らせ、長靴と人工芝(30cm x 30cm)を購入。シャトレーゼに寄ってワインとお菓子を買い、13:50頃、帰宅。

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 人工芝を切って、郵便受けの底にピッタリと敷き詰めた。「ハガキなどの薄い郵便物が郵便受けの底に貼り付いて取れない事案」の解決策としてネットで仕入れたライフハックである。ふむ、なかなかよい。「これをやったら人工芝の底に虫が湧いた」という報告もあったらしいので、ときどき気に掛けて様子をみることにする。



 神奈川日産のOさんから電話。5年落ちのデイズ(軽)が100万円程度で出ているとの情報。私は軽に乗ったことがないので助言を求めると、「普通車に比べるとパワーがないのでアクセルを踏み込むと若干もたつく」「とはいえ高速の合流などで一気に加速する際に支障が出ることはない」「燃費は普通車とは逆に高速よりも街乗りの方がいい傾向がある」「税金は1〜2万円程度で、車検の費用も廉くなるはず」..などなど。とにかく現物を見てみないと。中古車ディーラーに話しを通していただくよう、依頼した。

 第62回日本SF大会(やねこんR)への参加申し込みがまだだったので、ネットから登録した。毎年のクセで何の気なしに「前泊・後泊なし」として申し込んだのだが、今年(から)は暇なことだし、どちらかつけて周辺の観光をしてもいいかも。あまり行ったことのない地方(長野県)だし。(ホテルの前泊・後泊は高いので、別途安宿を探すのも、ありか。[;^.^])

 神奈川日産のOさんから電話。デイズの現物は「カレスト座間」にあるとのこと。4月4日の10時に予約をいれた。

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*2024年04月02日:「シュルレアリスムと日本」展/「ほとけの国の美術」展


 快晴。6:33のバスで発ち、鶴ヶ峰駅前の松屋で朝食。7:13に鶴ヶ峰を発って8:50に西高島平に着く(ちょ〜便利な)直行便。板橋区立美術館の前の公園に、9:10着。ベンチで読書で時間調整をして、9:30に入館。「『シュルレアリスム宣言』100年 シュルレアリスムと日本」の後期展示(4月14日(日)まで)である。といっても、入れ換えはあまりない。

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 前期展示からの差分のうち、3点だけピックアップしてご紹介しておく。左から、「少年」(高松甚二郎)。「球体」(今井憲一)は、エッシャーの「三つの球体」(1946、画像検索結果)と発想が似ているが、こちらの方が早い(1938)。ただし、技術的な精度はいささか見劣りがする。写真技術を応用した「オートグラム 代謝」(天野龍一)は、色彩がいい。



 10:05に退出。西高島平駅に戻り、11:44に府中駅。駅前の「RAKERU 府中ル・シーニュ店」で、デミグラスハンバーグオムライス。12:30発のバスで、12:40、府中市美術館。「春の江戸絵画まつり ほとけの国の美術」(前期:〜4月7日(日)まで、後期:4月9日(火)〜5月6日(月・祝)まで)である。

 「観経変相曼荼羅図(当麻曼荼羅)」画像検索結果)、土佐行広の「二十五菩薩来迎図」画像検索結果)。 狩野了承の「二十六夜待図」は、画像検索結果中、茫漠たる空間の彼方に月の出(の光の中に現れたる阿弥陀三尊)を拝んでいる作品。これ、素晴らしい。これ、欲しい![^.^][;^.^]

 伊藤若冲の「石峰寺図」画像検索結果)は、ちょいちょい観る機会があるような気がする。門の形が面白い。円空の「秋葉大権現及び両脇侍立像」は、画像検索しても違うのがヒットしまくりだが、まぁいい [;^J^]。だって、どれも同じように強烈に刺さるからね。円空もひとつ、廃墟城に備え付けたいなぁ..最悪、レプリカでもいいから。

 吉村孝敬の「蜘蛛・鷹・熊図」画像検索結果)は、蜘蛛をセンターにもってくるという感覚が、洒落ている。円山応挙の「時雨狗子図」画像検索結果)、同じく「雪中狗子図」画像検索結果)、そして長沢蘆雪の「子犬図屏風」画像検索結果)は、どれもこれもほとんど兇器水準の可愛らしさ![^.^] 検索結果には違う作品もかなり混ざっているが、この際、構わん。どれもこれも同じように可愛いからね。[;^.^]

 14:35に出て、バスで府中駅に戻る。14:58に府中を発って、15:28、渋谷。まんだらけに寄って不要雑誌を1冊処分。16:38の埼京線で鶴ヶ峰に直行。17:20に着き、17:55、帰宅。

 「間違いだらけの新NISA・イデコ活用術」(田村正之、日本経済新聞出版)を一読する。私は資産運用については事実上、「図解・最新 難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!」(山崎元、大橋弘祐、文響社)及び「超改訂版 難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!」(同)しか読んでおらず、ここに書かれていることに従っているだけで資産を増やしながらの隠居生活を送ることができ、従って、故・山崎氏には全幅の信頼を置いているわけなのだが、同氏がNISAの手引き書として推薦していたのが、本書だからである。確かにわかりやすく、参照用としても便利である。

 ちなみに、前記の3リンクは、いずれも電子書籍へのリンクである。hontoが、紙の書籍から撤退してしまったからである。私は可能な限り紙の書籍で読む(という宗派である)のだが、アマゾンで紙の本を買うぐらいなら honto で電子書籍を買う方がマシ(という宗派)だからである [;^J^]。それに honto の電子書籍のページからは紙の本が購入できる e-hon へのリンクもあるしね。(まだ e-hon を使ったことはないけれど。)リアル書店や別の通販などで紙の書籍を入手すべく努めていることも、もちろんである。

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*2024年04月03日:4〜5月の展覧会観覧予定


 相変わらず、多いなぁ [;^J^]。実はこのリストアップには、北関東・東北地域が含まれていない(そこまで目配りできていない)。京都・大阪あたりまで監視対象 [;^.^] に入れているのだから、これではバランスが取れていない。

*太田記念美術館
 「月岡芳年 月百姿
 前期:〜4月29日(月・祝)まで
 後期:5月3日(金)〜5月26日(日)まで

*府中市美術館
 「春の江戸絵画まつり ほとけの国の美術
 後期:〜5月6日(月・祝)まで

*パナソニック 汐留美術館
 「テルマエ展 お風呂でつながる古代ローマと日本
 前期:〜5月7日(火)まで
 後期:5月9日(木)〜6月9日(日)まで

*根津美術館
 「国宝・燕子花図屏風
 4月13日(土)〜5月12日(日)まで

*ポーラ美術館
 「モダン・タイムス・イン・パリ 1925 ― 機械時代のアートとデザイン
 〜5月19日(日)まで

*東京藝術大学大学美術館
 「大吉原展
 前期:〜4月21日(日)まで
 後期:4月23日(火)〜5月19日(日)まで

*岡田美術館
 「金屏風の祭典 ―黄金の世界へようこそ―
 〜6月2日(日)まで

*八王子市夢美術館
 「川瀬巴水 旅と郷愁の風景
 〜6月2日(日)まで

*SOMPO美術館
 「北欧の神秘―ノルウェー・スウェーデン・フィンランドの絵画
 〜6月9日(日)まで

*静嘉堂@丸の内
 「画鬼 河鍋暁斎×鬼才 松浦武四郎
 4月13日(土)〜6月9日(日)まで

*横浜美術館
 「第8回横浜トリエンナーレ「野草:いま、ここで生きてる」
 〜6月9日(日)まで

*東京都美術館
 「デ・キリコ展
 4月27日(土)〜8月29日(木)まで

*世田谷文学館
 「伊藤潤二展 誘惑
 4月27日(土)〜9月1日(日)まで

 根津美術館に行く日程は、もちろん、同館の庭園の燕子花の開花状況をウォッチして決める。「大吉原展」には「江戸アメイヂング」というサブタイトルが付いていたはずだが、いつの間にか削除されている。炎上したからかな。[;^J^]

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*2024年04月04日:結局マーチ [;^J^]/こども自然公園


 雨上がりの曇天。9時前に車で発ち、9:35、日産カレスト座間。10時の開店まで、駐車場の車の中で読書&音楽鑑賞。[;^J^]

 Mさんに対応していただいた。紹介していただいた5年落ちのデイズは、カーナビ・ドラレコ・CDプレーヤー・ETCが付いて100万弱なのでお買い得だとは思ったが、収納エリアが非常に狭く、ホームセンターへの買い出し用途等を考えると、ちと不安かな..

 ほかに、ノートとマーチを紹介された。ノートについては格段の感想はなかったが、マーチ! 約10年前にキューブに乗り換えるまでは、マーチに乗っていたのだ。この5年落ちのマーチは当然私が乗っていたものよりも新型であり、フォルムも微妙に異なっているのだが、基本は同じ。操作子の配置や形状も、収納エリアの広さもなじみ深いものである。キーに至っては同じ過ぎて [;^.^]、いまどきボタン式ではなく、物理的に鍵穴に挿して回すタイプである [^.^]。うむうむ「鍵」とは、本来こういうものだよ。[^.^][;^.^]

 デイズよりも30万ほども廉いだけのことはあって、カーナビもドラレコもETCもついていない。(CDプレーヤーは付いている。[^J^])しかしながら使い勝手も走行性能も熟知しているのだ。よし、これにしよう。別れた古女房との再婚だ [^.^]。ETCとドラレコを追加する。カーナビはいったん見送る。納車まで2週間ほどかかる。

 12:45に発ち、13:25、旭区役所の駐車場の待ち行列。入場できるまで、20分 [;^J^]。住民票と印鑑登録証明をもらうためである。今回のマーチは、無理なく即金で買えるのだが、Mさんからの依頼で10万円だけローンにすることになり、その手続きのために必要なのである。「ローンのノルマ」があるとのことで、なんじゃそりゃとは思ったが。[;^J^](「売上げのノルマ」ならわかりますが。)14:00過ぎに終わり、14:15に帰宅。

 14:55に再度車で発ち、「こども自然公園(大池公園)」へ。うっかり駐車場の入口を通り過ぎてしまったが、リカバリーして15:20着。[;^J^]

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 満開である。[^J^]



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 あいにくの曇天であるが、日本には「花曇り」という言葉がある。「雨降って地固まる」的な?(← 違うよ、きっと。[;^.^])



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 自宅から車で20分の距離に、これだけのスポットがあるというのは、とてもいいな。[^J^]



 16:30に発って、16:55に帰宅。

 SHARPのBDレコーダー(2B−C10ET1)が届いた。現在、BDレコーダーは2台稼働しているのだが、この3台目は、LD/VHSからの録画専用である。だから本来、アンテナにつなぐ必要もないのだが、ひととおりの初期設定はしなくちゃならんし、SHARP機を使うのは初めてで東芝機やSONY機とは当然UIが違うだろうし、と、まぁいろいろとめんどくさい [;^J^]。これから数日間、各地の花見やら造園対応やらで忙しいのだ。まったくもって不要不急なので、今日は開梱のみ。暇になってから動作確認する。

 山本弘、3月29日に誤嚥性肺炎で逝去。享年68。「時の果てのフェブラリー −赤方偏移世界−」は、とにかく衝撃的だった。その後の小説作品も、と学会での活動を中心とする一連の主張も、いちいち腑に落ちた。その意味で、鹿野司氏とともに、まさに私の「先生」であった。いまやおふたりとも、鬼籍に入られた..

 合掌..

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*2024年04月05日:大岡川プロムナード


 朝から小雨。9:25、神奈川日産のMさんが来訪し、ローン用の書類に捺印して、9:40に帰られる。なぜたかが捺印に15分もかかったのかというと、書庫に案内し、移動書架で威嚇していたからである。[;^J^](私は大概の客には、これをやっている。[;^.^])

 10時半過ぎに車で出て、スーパービバホーム長津田へ。小さなスコップ、熊手、軍手を購入。12:10に帰宅。雨はやんでいる。

 12:35の横浜駅西口行きバスで発つ。りそなに寄ってから、昼食はヨドバシの地下のゴーゴーカレー。うーむ、ファンには悪いが、私の好みではありませんでした。[_ _][;^J^]

 14:35、京急弘明寺駅。神奈川県の代表的な花見スポットである、大岡川プロムナードを踏破しようという腹である。

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 京急弘明寺駅から大岡川の観音橋まで下り、河口に向かって川沿いに歩く。



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 16:25、末吉橋。16:35、黄金橋。16:40、旭橋。「大岡川プロムナード」はこの次の長者橋が河口側の端らしいのだが、何しろ桜並木が途切れないので [;^J^] さらに進む。



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 宮川橋の手前の右岸にソープ街を発見。[*^.^*](写真は掲載しておりません。)営業時間内だとは思うが、どうせ高いし疲れているしで、今日のところは スルーする。[;^J^]



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 都橋で引き返し、観音橋に戻ってきた頃にはライトアップタイム。「大岡川プロムナード」は上流側にさらに少しだけ延びており、夜の住宅街 [;^J^] を与七橋まで歩き、観音橋まで引き返したのが19:00。これで一周である。



 このプロムナード、ほどほどに長く、桜の季節に限らず散歩道として手頃である。調べてみたら朝からやってるらしい休憩施設も、途中にあるしさ。[;^.^]

 19:12に弘明寺を発ち、19:21、横浜着。鶴ヶ峰に直帰して、20:00のバスて帰宅。

 固定資産税(+都市計画税)の納税通知書が届いた。146300円 [/_;]。去年は93100円だった。内訳を見ると、去年は、宅地:7万、家屋:2.3万。今年は、宅地:7.1万、家屋:7.5万。つまり、家屋の税額が3倍強になったのである。築52年を壊して新築したことを考えると、この程度ですんで助かった、とも思う。

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*2024年04月06日:草むしり


 曇天。今日は庭の草むしり。来週前半に造園業者が来ますのでね。まぁ、雑草などが残っていればスコップで勢いよく処理するのだろうとは思うが、それにしても、あまりに何もしていないだらしない庭をお出しするわけにはいかないでしょ。身だしなみというか。[;^J^]

 細かい雑草をブチブチと(できるだけ根を切らないように..といっても、そんなことは無理なのだが)抜いていくのだが、ひとつ、かなりの勇気を要求される「草」がある。まだ小さいうちは可愛らしくそれなりに綺麗で、微笑ましく見ていたのだが、いつの間にか巨大化しており..

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 ..触ると肉厚で不気味で、「抜こうとして掴むと手に巻き付いてくるんじゃあるまいか..[/_;]」「引き抜くときにそれを聞くと発狂するというあの悲鳴をあげるんじゃあるまいか..[/_;]」「根が何かの死骸にからみついているかあるいはこの草自体がその死骸から生えているんじゃあるまいか..[/_;]」、などなど、まったくなんの役にもたたない無駄な教養が邪魔をして..[/_;][/_;][/_;]



 ..ま、なんのことはない、ビロードモウズイカだったんですけどね。[;^J^]

 それにしても、およそガーデニング向きではない粘土状の土で、スコップや熊手や軍手や長靴にこびりつくこと..[;_ _]

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*2024年04月07日:「北欧の神秘」展/「大吉原展」


 早朝、雨だったが、ほどなくあがった。8:31のバスで発つ。8:53鶴ヶ峰発の直行便で、9:45頃に新宿。9:55、SOMPO美術館。10:00から、「北欧の神秘―ノルウェー・スウェーデン・フィンランドの絵画」(〜6月9日(日)まで)である。北欧絵画をまとめて観るのは、今回が初めてではあるまいか。

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 まず、「序章 神秘の源泉 ―― 北欧美術の形成」。左から、「ストックホルム宮殿の眺め、冬」(カール・ステファン・ベンネット)は、極めて写実的な風景画なのに、なんだろう、この幻想的な感興は。「イルマタル」(ロベルト・ヴィルヘルム・エークマン)は、神話の情景。ちょっと表情が硬いかな [;^J^]。「踊る妖精たち」(アウグスト・マルムストゥルム)は、この画家の代表作だとのこと。夜の散歩で、こういう情景に出会いたいものである、本当に..[^.^] 「滝のある岩場の景観」(マルクス・ラーション)も、類型的といってしまえばそれまでだが、実にいい。



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 「1章 自然の力」からは、まず、「カッルシューン湖周辺の夏の夜」(ヘルメル・オッスルンド)。この雪(氷河)は、現物では盛り上がった白い絵の具がてらてらギラギラと光って異様な存在感を放っているのだが、二次元画像ファイルではなんとも [_ _]。「フィンランドの風景」(ヴェルネル・ホルムベリ)は、私が一番好きなタイプの風景である。(スキャンが難しく左から光が入ってしまったが、ご容赦を。[_ _])「初雪」(ヴァイノ・ブロムステット)は、どこがどうというわけではない、さりげなさが心に染みいる。



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 「2章 魔力の宿る森 ―― 北欧美術における英雄と妖精」「トロルのシラミ取りをする姫」(テオドール・キッテルセン)は、この展覧会のアイコンとなっている。この感覚(質感)は、南方の神話にはない。「森の中の逃避」(エーリク・ヴァーレンショル)は、類型としては「エジプトへの逃避」型と言えるかな。少し暗すぎると思う。[;^J^]

 「金属の街の夏至祭」(J.A.G.アッケ)は、不思議な作品。近代都市の景観に、どうみても神話時代の人物たち(の幻影?)がオーバーラップしている。こういう画面を見て、すぐに「異なる時代/次元が重ね合わされているんだね」、と、「腑に落ちてしまう」のが、SF読者ならではの軽薄さ(だと思うよ、私は。[;^J^])



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 以下は、「名誉を得し者オースムン」というバラッドに基づく、ガーラル・ムンテによる壁画仕立ての10点の連作絵画からの4点。なんとも味わい深い。左から、「山の門の前に立つオースムン」「一の間」



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 「五の間」「帰還するオースムンと姫」



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 最後の「3章 都市 ―― 現実世界を描く」から、まず、左図の「街」(アウグスト・ストリンドバリ)。例の劇作家/作家のストリンドバリである。「ストリンドバリは芸術的な訓練は受けておらず、主に執筆でのスランプに苦しんだ時期に絵を描いていた」..要するに逃避行動ですか..(← だから言い方。[;^.^])この絵も上手いのか下手なのかよくわからないが、極めて印象的な(心象?)風景であることは確かである。

 「ティンメルマンスガータン通りの風景」(エウシェン・ヤンソン)は、まったくなんということもない街の風景なのだが、妙に私の心に残る。「画家の母」(アクセリ・ガッレン=カッレラ)で描かれているカッレラの母は、神秘主義や神智学に傾倒していたというが、そういう目で観ると、この背景は確かにスピリチュアルである。(この赤い輪は、雲なのだろうか?)



 11:10頃に出て、御茶ノ水駅に着いたのが11:30。昼食は駅近くの「しんぱち食堂」で、サーモンハラス干し定食と生ビール。ディスクユニオンでダブりCDを1枚売却してから、上野へ。

 ..それにしても、春休み最後の日曜日&晴天&桜満開、と来たもんだ [;^J^]。上野が一年で一番混んでいる日じゃないの?[;^.^] サンデー毎日な無職のくせになんでわざわざこんな日に上野に来るかなぁ..[;_ _] と、自分を責めながら東京藝術大学大学美術館へ向かう途中、奏楽堂が開いていることに気がついた。公開日でしかも日曜コンサートをやっているのである。そらみろ日曜日に来ればこんなにいいことがあるんだ!と、手のひら返しを鮮やかに決めつつチケットを買う。館内を見学し、14:00から日曜コンサート。今日はチェンバロであり、音楽学部チェンバロ専攻4年の赤木千華さんの演奏。バッハ、スカルラッティなど。

 14:30にコンサートが終わり、ほぼ隣りの東京藝術大学大学美術館に着いたのが14:35。「大吉原展」(前期:〜4月21日(日)まで、後期:4月23日(火)〜5月19日(日)まで)である。ちなみに、4月3日の日記には、「江戸アメイヂング」というサブタイトルが削除されたようだと書いたが、確かに展覧会の本体やサイト、図録にはその文言はないのだが、チラシにのみ記載されている。見落としたのか修正が間に合わなかったのか。

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 この展覧会は、細かく数えると17ものセクション(というかコーナー)からなっている。「吉原入門」のセクションでは、まず、左から、「吉原仲の町図」(勝川春潮)、「新吉原江戸町二丁目丁子屋之図」(鳥居清長)。



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 「新吉原春景図屏風」(歌川豊春)。「吉原入門」セクションでは、大型ディスプレイ(プロジェクタだったかな?)をうまく使って、細部まで要領よく解説している。

 「江戸前期 武家と豪商たちの遊興」のセクションからは、図録からのスキャンが難しかったので、菱川師宣の「北楼及び演劇図巻」画像検索で。

 「錦絵美人画」のセクションからは、「松葉屋新宅見世開く なか川 にほの いそち」(鳥文斎栄之)。この画家の美人図は、とにかく品がよい。



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 「後期江戸吉原 格式と大衆化」のセクションで驚いたのは、歌川豊春の「四季三遊里風俗図」(左端)である! 実に珍しい(見たことがない)構成で、縦に長い四幅対のセットで画面が連続しているのだが、それだけでなく、最下段が春の吉原、その上に夏の深川、その上が秋の品川、と、三大遊里の風景が描かれ、最上段に雪の富士..

 これ、素晴らしい! これ、欲しい! 300万までならなんとかするから売ってくれ!(桁が違うね、多分。[;^.^])

 「吉原の近代」セクションでは、小林永濯の「遊女図」。そして毎度お馴染み河鍋暁斎の「吉原遊園図」は、何度見ても素敵だ! まんまと乗せられてアホヅラ晒して馬鹿騒ぎしてる男どもと、しら〜、と営業している女たち。男子たるもの、キャバクラに行く前にはこの絵を見て「こういう目に合うのだぞ」、と、肝に銘じておきたいものである。[^.^][;^.^]



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 「『たけくらべ』の世界」のセクションでは、鏑木清方の「一葉女史の墓」と鏑木清方の「たけくらべの美登利」。この2点は、さまざまな展覧会で観られることが多いとはいえ、未見の方は、この機会に是非どうぞ。本当に名品なんだから。



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 「江戸町一丁目 花見 大見世」セクションでは、まず、スキャン困難な喜多川歌麿の「吉原の花」画像検索で。歌麿の肉筆画三部作をなす「深川の雪」(画像検索結果)、「品川の月」(画像検索結果)のうち、「深川の雪」は何度も観ているが、「吉原の花」は、たしか今回が二度目。「品川の月」(フリーア美術館蔵)は、高精細レプリカでしか観ていないはず。「吉原の花」は「深川の雪」の高みには達していないとはいえ、この華やかさにはやはり目を奪われる。

 左図は同じく歌麿の「吉原仲の町「普賢像」」。茶屋の二階から遊女たちが仲之町に咲く満開の桜を見下ろしているのであるが、桜の合間に花魁道中を暗示する長柄傘の上だけが見えている、という構図が、実に洒落ている。控えめな色彩も効果的である。

 そして右図、「江戸町二丁目 遊女のよそおい、切り見世、よそ行き、雪の吉原」セクションからの、歌川広重の「名所江戸百景「浅草田甫酉の町詣」」! 私はこの作品こそが、吉原を描いた全ての絵画作品中の最高傑作ではないかと考えている。

 吉原は、結局、牢獄なのである。妓楼の二階の格子の間から広く美しい世界を眺めやる猫には、ここから出たくて出たくてたまらないであろう遊女たちの、哀しみと憧れが投影されているのだ..



 閉館時刻の17:00を少し過ぎて退出。徒歩15分少々で、鶯谷の古書ドリス。よし、道を憶えたぞ [^J^]。それはいいのだが..この店には20分少々しかいなかったのに、まんまと万札むしり取られた。[/_;][;^.^]

 18:03に鶯谷を発ち、19:15、鶴ヶ峰。筑前屋。21:50、帰宅。

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*解説


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Last Updated: Apr 12 2024
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