*2016年06月20日:7月の展覧会観覧予定
*2016年06月21日:「宇宙細胞」
*2016年06月22日:「SF JACK」
*2016年06月23日:幻想美術選「ルシファー」トーマス・ハフナー
*2016年06月24日:英国、EU離脱!
*2016年06月25日:某研修
*2016年06月26日:「貞子vs伽椰子」
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*2016年06月20日:7月の展覧会観覧予定


*出光美術館
 「開館50周年記念 美の祝典 III― 江戸絵画の華やぎ
 〜7月18日(月・祝)まで

*国立新美術館
 「オルセー美術館・オランジュリー美術館所蔵 ルノワール展
 〜8月22日(月)まで

*国立新美術館
 「日伊国交樹立150周年特別展 アカデミア美術館所蔵 ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち
 7月13日(水)〜10月10日(月・祝)まで

*京都文化博物館
 「ダリ版画展 −もうひとつの顔−
 7月9日(土)〜9月4日(日)まで

*国立西洋美術館
 「聖なるもの、俗なるもの メッケネムとドイツ初期銅版画
 7月9日(土)〜9月19日(月・祝)まで

 一部を除き会期に余裕はあるが、極力前倒しにする。(特に今年は8月に、まともに休みが取れるかどうかわからないので..)京都文化博物館以外の4件は、7/16(土)〜17(日)に、まとめて片づける予定。7月には、ほかに上京できる週末がなさそうなので、ほぼワンチャンスである。

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*2016年06月21日:「宇宙細胞」


 10年近く積んでいたのを片づけたのが、4ヶ月前。[;^J^](読書記録DBを読み返していて発見した。[;^.^])ネタが無い夜は、君らの出番だ。[;^J^]

 ..というわけで、今さらながら、「宇宙細胞」(黒葉雅人、徳間書店)。当時からゲテモノとして、有名だった。[;^J^]

 文章が硬い、というか、会話が書けていないのは、仕方がないか。いきなり、船上でのパニックが延々と続くシーンで、既にB級の匂いがプンプンしていたし [;^J^]、序盤というか前半の趣向は「物体X」+「寄生獣」っぽいが、最終章は、開き直りもいいところのバカSF [;^.^]。それ以前に、“靄文字”の時点で、超論理のトンデモだが [;^J^]。“蝉海老”は、登場するや否やの「フォッ、フォッ、フォッ、」で、出自は自明だったが、298頁に至って、「宇宙忍者」言っちゃうし [^.^]。ブラックホールに飛び込んでからの描写は、「2001年」へのオマージュかとも思うが、あまりにも「そのまんま」なので、あるいは、イマジネーションのストックが尽きたのかも知れない。

 まぁ、再読不要だが、そう悪い読書体験でもなかった [;^J^]。一応、結末は伏せておく。お約束通りのマッド・サイエンティスト(的な役割の人間)も、もちろん登場する。

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*2016年06月22日:「SF JACK」


 「SF JACK」(日本SF作家クラブ編、角川文庫)..これはつい最近読んだアンソロジー。随分以前(2013年)に単行本が出ていたのだが、ようやく、文庫落ちしましたのでね。ただ、その過程で、1作品、省かれてしまった。著者の意志である。この話題にはあまり触れたくないので、調べたい人は適当にぐぐりなさい。私としては、日本SFの損失としか言い様がない..と思っている。彼を(結果的に)「不当に弾き出した」ところに、「日本SF界」(この言い方も、なんだかな、であるが)の、一番「イヤ」な体質が現れていると思うのだが..この話は、やめよう。おそらく彼は、帰ってこないし..

 「神星伝」(冲方丁)−既視感があると思ったら、やはり既読だった [;^J^]。やりたい放題の傑作である。内容を憶えてられるような話ではないが [;^J^]。「黒猫ラ・モールの歴史観と意見」(吉川良太郎)−これにはあまりノれない。「楽園(パラディスス)」(上田早夕里)−まずまずの佳作。「チャンナン」(今野敏)−いまどきこれを書きますか、という素朴さが、好印象。

 「別の世界は可能かもしれない」(山田正紀)−こういう、派手で胡乱な作品を書かせると、山田正紀は本当に生き生きとしている [^J^]。たったいま思いついたが、日本のヴァン・ヴォークトとは、実は山田正紀のことであったかも知れない。

 「草食の楽園」(小林泰三)−まぁまぁかなぁ..驚きがない。「リアリストたち」(山本弘)−なんとなく、「裸の太陽」(アシモフ)を思いだした。傑作。「あの懐かしい蝉の声は」(新井素子)−佳作。「宇宙縫合」(堀晃)−持ち味が出ている。「さよならの儀式」(宮部みゆき)−これは既読であることを憶えていた。近未来の「ロボット廃棄テーマ」として、実にリアリティがある。「陰態の家」(夢枕獏)−まぁ、彼の土俵なのだから、面白くて当たり前というか。[;^J^]

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*2016年06月23日:幻想美術選「ルシファー」トーマス・ハフナー


 第17回である。前々回からの「悪魔」つながりで、ついでにもう1枚ご紹介。(これまでのラインナップ →「幻想美術選」)

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「ルシファー」(トーマス・ハフナー、制作年不詳)

 ..ここまでくると、「デビルマン」を超えて「凄ノ王」である。[;^J^](永井豪つながりかよ。[;^.^])あるいは、「からくりサーカス」(藤田和日郎)か。

 もちろん、目を奪われるのは、その複雑極まりない構造である。手前左に居るのは、ベルゼブブだろうか。下の方に裸女やその他数人の人間が見えるが、これは「ルシファー」の一部なのか、あるいは悪魔に囚われているのか。よく見ると、ベルゼブブ(?)の口の中にも、何か(誰か)が居る。私は、この混沌に、遠くヒエロニムス・ボスのエコーを見る。

 作者については、1928年、ベルリン生まれのドイツ人だという程度にしか詳らかにしない。"Thomas Hafner" で検索すると、情報も作品画像も、もう少し得られるし、ほかにも面白い作品があるようなのだが、ネットから得られた画像は「幻想美術選」の対象外である。あくまでも、私の自宅にある「画集」などの紙モノからのスキャンにこだわるのだ。(まったく、我ながら度し難い石頭っぷりである。[;^.^])

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*2016年06月24日:英国、EU離脱!


 ..意表を突かれた。まさかと思った。僅差ではあるが..残留派が優勢だった都市は、荒天による交通機関の乱れなどもあり、投票率が低かったらしい。それさえなけば残留だったという保証もないが..こうなると、運命の悪戯としか言い様がない..

 間違いなく景気は悪化するだろうが、仕事でも私生活でも、与えられた環境下で出来ることをやるだけである。

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*2016年06月25日:某研修


 曇天から雨。休日出勤。終日研修である。もちろん、なんの研修だかは書かないよ。[^.^]

 でもまぁ、このぐらいは書いてもいいか。テキストに、「〜を考慮し」、と、あったのだが、ついうっかり、「〜を憂慮し」、と空目 [;^J^]。どこまでネガティブなんだよ。[;^.^]

 帰宅時には、雨が上がっていた。

 7月16日(土)上京の、高速バスチケットを購入。7:00の便は売り切れていたが、8:00の便はまだ残っていたのでラッキー。まぁ、1時間ぐらいの遅れなら、当日のスケジュールに大きなインパクトは与えないだろう。

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*2016年06月26日:「貞子vs伽椰子」


 快晴..かと思ったら、薄雲が広がってきた。まぁ、明るいし、ときどきは陽も射すし、こういう天候は、どう定義されているんだろう? 「曇り」? 直感的にも機能的にも、「晴れ」なのだが。

 8:40頃に車で出て、サンストリート浜北へ。9:45からの回で、観たよ、観ましたよ、「貞子vs伽椰子」! [^.^][^.^][^.^] ..いやぁ、私が信頼している某レビュアーが「考える前に観ろ!」「ネタバレ情報が耳に入る前に観ろ!」、と書いていますのでね。これはもぅ、恐いものみたさで..(← あまりに見事に教科書的なダブルミーニング。[;^.^])

 ..いいと思いますよ。「B級/見世物興行」を、全力で全うしている。山本美月のファンなら必見でしょう!(ただし、彼女のシャワーシーンは、期待はずれどころの騒ぎではないが。[;^.^]凸)緩やかなペースでじわじわと恐怖現象が進行する前半から、中盤、いきなり、活動的で口が悪くて報酬がバカ高くて強力な霊媒(と、その相棒のクソナマイキな [;^.^]凸 霊感童女)(← ブラック・ジャックとピノコをイメージしているらしい [;^J^])が現れてからは、一気に活劇調になるあたり、「わたしの人形は良い人形」(山岸凉子)の構成感覚を思わせる一面もある。

 そして、問題のラスト..もちろん、ネタばらしはしない。ここまでは書いてもネタバレではないだろう(これだけ読んでもわけがわからないだろう)、と判断して書くが..これは(パンフで某氏が指摘しているような)クトゥルーの影響というよりは、より直裁に、諸星大二郎だろう。

 見せ物映画が大好きな人には、超お薦め。[^.^]

 帰路、オフハウスに寄り、Tシャツを2枚引き取ってもらう。状態も悪くなっていたのでもちろん格安だが、引き取っていただけただけでも嬉しい。(長年、愛用してきた品ですからね。)誰かに買って(着て)もらえるといいな。[^J^]

 1時間半ほど湯風景しおりで休んでから、14:15、平野美術館へ。(要するに、サンストリート浜北から自宅までの直線というかほぼ一本道の上に、オフハウス、湯風景しおり、平野美術館、と、並んでいるのだ。[;^J^])「美しき女性たちー近代美人画の変遷ー」(〜8月7日(日)まで)である。

 小振りな美術館なので展示も小規模だが、だからこそ構えずに気楽に立ち寄れる、下町の美術館である。この良さは、大美術館では絶対に得られないものであり、存在意義は、確実にある。

Picture Picture

 購入してきた絵葉書をスキャンしておく。左から、北澤映月の「緑蔭」(眼が素敵)、中尾淳の「小唄振り」



 15:00、帰宅。あとはごろごろと骨休め。

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*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Jun 30 2016
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