*2006年02月06日:美しき獣
*2006年02月07日:こんなところにいましたか
*2006年02月08日:伊福部昭、逝去
*2006年02月09日:「THE 有頂天ホテル」「キング・コング」
*2006年02月10日:スパムの新ネタ
*2006年02月11日:ワイルドな時代
*2006年02月12日:ある幻視
*目次へ戻る *先週へ *次週へ


*2006年02月06日:美しき獣


 NHKの「地球ふしぎ大自然」。今日の題材は「アムールトラ」。

 ..驚嘆した。いや、ほとんど茫然とした。なんという、美しい獣だろう! 私はゆくりなくも「美獣」という形容詞を想起し、そういえば「美獣」という綽名を冠せられたプロレスラーがいたことも想いだしたが..例え鍛え上げられたプロレスラーの肉体であろうとも、「ヒト」の肉体など、アムールトラの前ではなんと哀れで貧相なものであろうか..

 とにかく、完璧なのである。その大きさと身体の各パーツのサイズのバランス、そして紋様が! 同じトラであっても、番組中に登場した他のトラ(例えばアモイトラ)は、これほどまでには美しくないのである。アムールトラこそ、百獣の王と呼ばれるべきではあるまいか。

 アルフレッド・ベスターの不滅の傑作、「虎よ、虎よ!」のエピグラフとして引用された、ウィリアム・ブレイクの詩(の一部)を紹介しよう。


虎よ! 虎よ! ぬばたまの
夜の森に燦爛と燃え。
そもいかなる不死の手 はたは眼の
作りしや、汝がゆゆしき均斉を。

           (中田耕治訳)

 これは画文集「Songs of Innocence and Of Experience」(1794)からの引用なのであるが、この詩(原文は4行6連)に付けられたブレイク自身のイラストは、アムールトラには見えない。(頭部が大きすぎる。)しかしブレイクがアムールトラを見たことがあるはずがないので、これはやむを得ないことである。

 番組の解説によると、トラには5種類あるとのこと。スマトラトラ、ベンガルトラ、アモイトラ、インドシナトラ、そしてアムールトラとのことであるが..インドシナトラがいるのならフランクシナトラも..[;_ _]。スマトラトラトラとか..[;;_ _][;^.^]

*目次へ戻る


*2006年02月07日:こんなところにいましたか


 NHKハイビジョンの「日本の世界遺産」だかで最近放映された、知床の海中の映像。「天使」と綽名されるクリオネの食餌シーンであるが..(これは、トリビアでも放映されたと記憶する。)頭部がパクッと割れて、触手が6本ぐらい飛び出して餌となる貝類を抱え込んで、頭部の中に引きずり込む..

 ..どう見ても「寄生獣」(岩明均)である。[;^.^]

*目次へ戻る


*2006年02月08日:伊福部昭、逝去


 1914年生まれだから、天寿をまっとうされたのだ。

 日本の現代音楽をいかに豊かにしてくれたことだろうか..今夜は「SF交響ファンタジー」を聴いて偲ぼう..

*目次へ戻る


*2006年02月09日:「THE 有頂天ホテル」「キング・コング」


 昼過ぎから起動する。まずはバスで街中へ。以前から気になっていた「浜松銀行協会」を訪れる。

Picture Picture

 この建物(登録有形文化財)は今では使われておらず、閉鎖されているのだが、今週は「建築 WEEK in 浜松 2006」というイベントがここで行われるということで入館できるのであった。このイベント自体よりも、建物に興味があったという次第。

 少しも豪華ではないのだが、なかなか趣があって結構。イベントの展示物もそれなりに面白かった。


 徒歩でザザシティのトーホーシネマへ。「THE 有頂天ホテル」と「キング・コング」のチケットを買う。時間調整のためにヤマハへ。洋書がセールで半額なのでスコアを1冊買って、トーホーシネマに戻る。

 「THE 有頂天ホテル」−素晴らしい! お薦め! これだけのオールスターキャストでありながら、単なる顔見世興行になっていない。全員が個別に物語をもっており、それを「2時間」というリアルタイムのドラマの中で相互に関連づけながら混乱させずに同時並行進行させ、クライマックスのパーティーシーンで結合させている。実に見事な脚本である。

 ただし、見終わってから、あれ?と思った点がひとつ。西田敏行のケツ出しシーンが無かった。見落としたのか? いや別に楽しみにしていたわけではないのだが [;^J^] 「チューボーですよ!」に三谷監督が出演したときに、「映画館で見ていると一番笑いを取っているのが西田さんの(アドリブの、脚本に無い)ケツ出しシーンなんですよ。僕はもう、ガッカリなんですよ。半年かけて(緻密に)笑いどころを作り込んだのに、西田さんのお尻ひとつに負けたのかと..(トホホ)」、と語っていたので、気になっていたのである。もしかして悔しいからカットしたのか? [;^.^]

 制服姿でウロウロしているフライトアテンダントも、謎である。特に最後の退場の仕方が。明晰ですみずみまで見通せる物語中、ここだけ釈然としない。何かカットされている様な気がする。もう一度観てみようかな。

 映画が終わったのが17:50。18:00開店の貴田乃瀬に電話するが、やはり(またしても)カウンター席は満席。こんな直前に電話しても無理だろうとは覚悟していたのだが、映画が始まる前の15:00過ぎには電話が通じなかったので。う〜ん、なかなか難しいなぁ。

 だからというわけでもないのだが、久しぶりにこだわりやまで食事して、20:20から「キング・コング」(ピーター・ジャクソン版)。

 見逃さなくて正解だった。(あなたがこの日記を読んでいる頃には、公開が終わっていると思う。)1933年版の、実に見事なリメイクである。ここまでオリジナル版に忠実だとは思わなかった。SFマガジンの執筆者たちは絶賛していたし、中には「怪獣映画の完成形」とまで称揚している人もいたのだが、その一方で「ラブ・ストーリー」という情報も流れ込んできており、私は「そういうの」が苦手なので [;^J^]、腰が引けて観る気になれずにいたのだが..杞憂であった。

 髑髏島の生物相の、伸びやかな描写! 流石に「三本首のステゴザウルス」は出てこないが [;^J^]、狭い谷間を走り抜ける恐竜たちのスタンピード、ティラノザウルス似の肉食恐竜たちとの(空中ブランコ状態での)「空中戦」、誰もが顔を背けるであろう巨大昆虫や巨大節足類の群れ、サンドワーム型のクリーチャー。

 心配していたキング・コングの造形も、素晴らしいものであった。基本的に終始「恐い顔」でありながら、しかも表情豊かなのである。だから、アン・ダロウ(ナオミ・ワッツ)との絡みが空々しくならない。

 難癖をつけることは可能だが、枝葉末節ばかりである。アン・ダロウは、あれだけ振り回されたら、どこかにぶつけられなかったとしても脳震蕩でアレしてしまってるはずだ、とか [;^J^]、ワンピースやスリップがほとんど汚れず破れずなのはいかがなものか、とか。[;^.^](別に胸ポロリを期待していたわけではありませんのでお間違えなく [;^J^]。ちなみに、オリジナル版のフェイ・レイには一瞬だけ胸ポロリがあるのですが、あなたは見つけられていますか? [;^.^])また、ニューヨークで脱走したコングが、アン・ダロウと氷上でデートするシーンがあるのだが、ここは長すぎると思うぞ。それに、コングとアンが出会った時点からしばらくの間、ニューヨークの街が完全に無人になってしまうのには(そこまでのパニックシーンがリアルなだけに)違和感を覚えた。まるで日本の特撮TV番組のようだ。ウルトラマンあたりの影響を受けてるんじゃないか? [;^J^]

 終演は23:35。とっくにバスは終わっているので、タクシーで帰宅。

*目次へ戻る


*2006年02月10日:スパムの新ネタ


 ここんとこ出会い系・斡旋系ばかりで食傷していたのだが、久々に新しいパターン。


Subject: Re:【新品】ひらキャミ*イエローとIDを落札いただきありがとうございます

お世話になります。ご連絡が遅れまして申し訳ございませんでした。
この度上記の御品物を含めました4点を落札させて頂きました。
その中のID分だけ、ヤフーかんたん決済で2日後の振込となります。

 これは、うまい。こちらがヤフオクに出品していて、それを落札した人に対して連絡していて、それに対する返信..のフリである。

 もちろん、このメールを受け取った人(私)はそんなものを出品も連絡もしていない。「人違い」なのであるが、このままでは振り込まれてしまう。どうしよう、どうしよう、とにかく振込を阻止するために、大至急連絡しなくては..と、迂闊な人を慌てさせ、「返信させる」(釣り上げる)のである。何故慌てるかというと、自分に非が無いとしてもこのような金銭トラブルに巻き込まれることにより、ヤフオクで「評価」が下がる恐れがあるからなのである。効果的なテクニックだと思う。

 もちろん、私は動じない。日記のネタにするだけである。

*目次へ戻る


*2006年02月11日:ワイルドな時代


 今から40年も昔。私が小学校の低学年だった頃。当時、北九州市八幡区の小学校に通っていたのだが、その小学校の校庭の周囲には木が密生しており、一度も地面に降りることなく、一周することができたのである。校門をどうやって突破していたのか、さすがに憶えていないが、昼休みの心躍る冒険であった。

 今、(街中で)こういうことができる小学校が、どのくらいあるのだろうか? 例え物理的に可能だとしても、「校則」によって、このような「危険行為」は禁止されているのではあるまいか。ぼくらは木々の枝を渡り歩きながら、木の実を採っておやつがわりに食べていたのだが、こんにち的には論外な行為であろうか。[;^J^]

 上記からもわかるように、この小学校は街中にありながら緑が豊かな環境であったのだが、緑が豊かすぎて?プールの水の中には、その木々から落ちた植物の断片や虫の死骸が、たくさん浮かんでいた。(水中で迂闊に口を開けていると、それらを飲んでしまうのである。[;^.^])水の透明度は低く、緑っぽく濁っていた。

 これまた、こんにちの衛生観念的には、論外な環境でありましょうかね。[;^J^]

*目次へ戻る


*2006年02月12日:ある幻視


 ついでにもうひとつ、追憶ネタ。

 40年前の北九州時代、私たちの家族はアパートに住んでいた。鉄筋コンクリート3階建てか4階建てのその屋上で、遊んでいた。

 ここで、妙なものを見た記憶があるのである。

 巨人である。

 アパートから北を眺めると、遙か彼方に洞海湾。そこに、北九州市八幡区の北九州工業地帯の工場群がある。中心となるのは八幡製鉄(当時)、三菱化成(当時)などである。

 その工場群をまたいで、右から左へ(すなわち、東から西へ)大きな歩みを進めている巨人。私が記憶しているのは「ストップモーション」であり、実際に「歩く」動作を目撃していたかどうかが、実に曖昧なのであるが..背の高さは、距離から推測するに、恐らく数キロメートル..

 もちろん、実物のわけがない。また、その「幻」を実際に屋上から見たのか、それとも「屋上から巨人を見た」という夢を見たのかも、判然としない。「夢」と考えるのが一番合理的だが..なぜ、このような夢を見たのだろう。

 常識的に考えれば「ガリバー旅行記」だ。当時、子ども向きにアブリッジされたこの小説を読んでいた可能性はある。しかし、私が目撃した巨人は、ガリバーからの連想にしては背が高すぎるのである。それに類似した「怪獣」も、見たことはない。この幻は、一体、どこからやってきたのだろう?

*目次へ戻る *先週へ *次週へ


*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Feb 16 2006
Copyright (C) 2006 倉田わたる Mail [KurataWataru@gmail.com] Home [http://www.kurata-wataru.com/]