*2003年04月28日:Nさん資料、第22便
*2003年04月29日:「楽器と20世紀」展
*2003年04月30日:「廃墟探訪」
*2003年05月01日:廃棄考I
*2003年05月02日:廃棄考II
*2003年05月03日:東名バスで(理不尽な)帰省
*2003年05月04日:「と学会年鑑BLUE」/「夜鳥」
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*2003年04月28日:Nさん資料、第22便


 銀行、郵便局。ジョーシンでDVDを3枚購入。

 先日届いた、Nさんからの手塚治虫関連資料、第22便の整理。「少女クラブ」、「少年キング」等に掲載されたコメント等の、ちいさめのネタが中心だが、今回の目玉は、


「手塚ヒューマニズム」って言われるのは、ほ〜んとにもう、耳をふさぎたい。(インタビュー)(渋谷陽一、さくまあきら氏)::12:NHK−FM「FMホットライン」(「ロッキング・オン・ジャパン増刊サイト」(2003/04/19)に再録):84/?

 ..である。1984年に、NHK−FMの番組で収録されたインタビューが、先月号の「サイト」誌に再録されたもの。こういうのを見落としているようではいかんなぁ..要するに、今回の「アトムブーム」に「便乗」したかのごとき、各誌の「手塚治虫特集」を、ハナから相手にしていなかった(立ち読みすらしていなかった)わけなのであるが..

 この「サイト」誌の手塚治虫特集(「何故、手塚治虫はアトムが嫌いだったのか 誤解された天才の闇に迫る」)は、どうやら一本、筋がとおっていたもののようだ。渋谷陽一氏は筋金入りの手塚治虫ファンであり、「アトム=科学技術礼賛=ヒューマニズム礼賛」、などという“誤った認識”が、今回の(半ば人工的な)ブームで拡大再生産されかねないことを危惧して、この特集を立ち上げたらしいので..

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*2003年04月29日:「楽器と20世紀」展


 午前中に、楽器博物館へ。「楽器と20世紀」展。先日はセミナー(「楽器と20世紀〜文化としての電子楽器〜」)を聴講したものの、展示を観ている暇がなかったので、改めて。

 さほど大規模な展示ではないが、なかなか面白い。「20世紀の楽器」とくると、どうしても「各種電子楽器」「その前身としての、テルミン、オンド・マルトノ」、などを想起してしまうのだが、もちろんそれらも展示されているのだが、それら以外の「復元楽器」「(廃物利用に近い)新・民俗楽器」の展示が興味深かった。後者の例としては、ドラム缶の再利用である「スチール・ドラム」は誰でも知っていると思うが、驚いたのは「ファンタの瓶」である。(アフリカの民俗楽器。)こするのである。

 また、西洋の楽器である「ハーモニウム」が、伝道師によってインドに伝えられて、いつしかインド音楽の「伝統楽器」になったことは、私も知っていたが、日本の「大正琴」が、(経路は不明だが)アジアのいくつかの国の「民俗楽器」になっていたことは、今回、初めて知った。

 一番、興味深かったのは、「ストロー笛」である。普通のストローに穴を開けたり曲げたり組み合わせたりする、ギミック一杯、楽しさ一杯の「新楽器」。演奏風景のビデオも流されていたが、これはいい!

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*2003年04月30日:「廃墟探訪」


 「廃墟探訪」(中田薫、二見書房)を、一読。

 小林伸一郎の格調高い写真集(「廃墟遊戯」(メディアファクトリー)、「廃墟漂流」(マガジンハウス)など)と比べると、やや品格に欠ける点はあるが、実に面白い。下世話な楽しさとでもいいましょうか。

 ちょっと不思議なのは、92頁の記述。潰れて10年以上も経つホテルのエレベーターに乗ろうとするのだが..(勿論、動いていないどころか大穴が開いているのだが..)何故、動いていることを期待する?(動いていれば、それこそ幽霊ホテルだぜ。[;^J^])

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*2003年05月01日:廃棄考I


 またまた部署の引越などありまして、(今回は、われわれは動かないのだが、よその部署が同じフロアに移転してくるのだ、)そのあおりで、(ほとんど“既得権益的”に占有していた [;^J^])倉庫をふた部屋、明け渡さなければならない。

 ということで、どうしても必要なものは(自部署の部屋の中に物置エリアを作って)引き取るのだが、それ以外は、棄てろ!棄てろ!棄てろ!

 実際、棄てられるのである。なんでまた、こんなものをいつまでも残していたの?(答え:置き場所があったから。)特にソフトウェアは、大量に廃棄した。ひとつの目安として、「マスターメディアがフロッピーであるようなものは、原則として廃棄」、である。

 5年も10年も前のソフトが、今、使えるわけがない。(そもそも、OSが違います。)アップグレードすれば使える可能性はあるが、これだけ時間が経つと、アップグレードパスが無い可能性が高い..つーか、ほとんどの場合、そのソフトのメーカーが消滅している [;^J^]。棄てろ!棄てろ!棄てろ!

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*2003年05月02日:廃棄考II


 というわけで、5/7〜5/22まで、入院休暇である。(正確には、5/7は準備日であり、入院は5/8から。)現在進行中の仕事を引き継いでおかなければならない。

 やっかいなのは、外部からの問い合わせ対応であり、これには、「現在、当方で調査中(なので、こちらからのアウトプットを外部から催促されている)」「いちおう、回答済みで、相手の承認待ち」、など、いくつかのフェーズがある。一日かけてメールボックスを洗い直した結果、実は「調査中」フェーズは(厳密には)1件しかないことが明らかになり、やや胸をなでおろした。

 なぜ、なでおろしたのかというと..実感として、5件以上、溜め込んでいると思っていたのであるが..実はそれらの多くは、既に解決済みというかなんというか..時間の経過と共に、意味を失ってしまっているというか..時の癒しというか..(以下、差し障り過ぎるので略 [;^.^])

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*2003年05月03日:東名バスで(理不尽な)帰省


 東名バスで帰省..したのはいいが、いやはや。記録的に時間がかかりました。浜松駅発8:10で、霞ヶ関着は12時過ぎの筈が、14:50。[;^J^]

 納得いかないのは、東名自体は、それほど混んでいなかったことである。確かに、東名富士までは、ややノロノロ気味の流れ方(高速道路的には「渋滞」の範疇に入る)だったが、まぁ、これはさほどのことはない。

 参ったのは、途中の「バス停」が「料金所」の隣りに設けられている場合、ランプウェイを降りて、料金所の隣りまで行かなくてはならないことだ。ここが混むのである。(例えば、「東名江田」停留所などは、料金所とは無関係な場所に設置されているので、料金所の混雑とは無縁なのである。)今回は2個所、「東名富士」と「御殿場」で、思いっきり詰まってしまった。前者で30分以上。後者では1時間半もかかってしまった。東名本線はむしろすいており、首都高に入ってからも、普通の混み方だったので、今回の遅延の大部分は、この2停留所で稼ぎ出されてしまった..

 ..というわけで、中野まんだらけに14時集合、という「まんだらけ当選品受け取りオフ」には、参加できず [;_ _]。電波状況が悪くて苦労したが、なんとかバス中から、参加不能である旨、連絡する。

 ..で、仕方がないので、いつものコース。秋葉でCD3枚。徒歩で神保町に回り、三省堂とコミック高丘で数冊ずつ。渋谷経由で(渋谷ではどこにも寄らずに)横浜の実家に帰省。

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*2003年05月04日:「と学会年鑑BLUE」/「夜鳥」


 終日、読書。

 「と学会年鑑BLUE」(と学会、太田出版)。良いネタがたくさんある。後書き(「人類は進歩している」)は、実にポジティブで気持ちが良い。今の時代にあっては、こういうメッセージを発信し続けるのが、SFの(重要な)役割だとも思う。

 「夜鳥」(Maurice Level、田中早苗訳、創元推理文庫)。特選が、「小さきもの」「集金掛」「父」。佳作が、「幻想」「闇と寂寞」「乞食」「ふみたば」「暗中の接吻」「ペルゴレーズ街の殺人事件」「自責」「誤診」。他、「或る精神異常者」「麻酔剤」「犬舎」「誰?」「生さぬ児」「碧眼」「青蠅」「フェリシテ」「老嬢と猫」「情状酌量」「二人の母親」「蕩児ミロン」「無駄骨」「空家」「ラ・ベル・フィユ号の奇妙な航海」など。

 「暗中の接吻」(「新青年」大正15年9月号に掲載)は、手塚治虫の「アラバスター」の導入部を明らかに想起させる..というか、そのものである。手塚治虫が影響を受けている可能性は、大いにあると思う。(5年の歳月と引き替えにしたほどまでに)重要なことを、ど忘れしてしまって思い出せない..という「集金掛」のアイデアは(身につまされて [;^.^])恐ろしい。「小さきもの」の(哀切極まりない)エンディングは、ほとんど戦慄的である。

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*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: May 7 2003 
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