*2002年10月21日:「餓狼の弾痕」
*2002年10月22日:漫画讀本、コンプリート!
*2002年10月23日:ドタバタと更新
*2002年10月24日:未来の夢
*2002年10月25日:健全な週末
*2002年10月26日:「ゴーメンガースト」!
*2002年10月27日:ワイシャツ救出大作戦
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*2002年10月21日:「餓狼の弾痕」


 大藪春彦の「餓狼の弾痕」(1994、角川文庫)を読む。なるほどこれは確かに聞きしにまさる..[;^J^]

 そもそもは、約1年前に「トンデモ本の世界 R」(と学会、太田出版)で紹介されているのを読んで非常に気になり、数ヶ月後に入手したもの。とはいえプライオリティが高いわけではないので、今日まで積まれていたという次第だが..

 ..なんというかまぁ、なんというかまぁ! この長編は、実質20頁くらいしか無いのである [;^J^]。約14頁ほどのエピソードAと、約6頁ほどのエピソードBが、固有名詞と数字を僅かに変えつつ、果てしなく果てしなく繰り返されるのである [;^J^]。「まるでラベルの「ボレロ」のようだ」と思いましたか? 全然違う。「ボレロ」には、「徹底的な音色のバリエーションをオーケストラから引き出しつつ、1曲全体をただひとつのクレッシェンドによって構成する」、という、強固この上ない、完璧な「構造」が存在する。対して、「餓狼の弾痕」には、「構造」が存在しない。[;^J^]

 主人公は、「世界平和問題研究所」という「恐喝・強奪」組織の「尋問及び処刑部のエース」で、ターゲットは、政財界の裏側で「汚く金儲けした奴ら」である。

 主人公と部下のふたりが、マンションに乗り付ける。ドアの鍵を内視鏡とピアノ線で解除する。侵入するとふたりのボディガードがメイドを(3Pで)犯しているので3人まとめて射殺する。次の部屋では秘書が居眠りしているかまたはピストルを構えているので殴り倒すなどしてしょっ引き、政府高官(等)の私室に案内させる。政府高官(等)は、覗かれているのも気が付かずに女(等)を相手に痴態を繰り広げているので、ひととおりビデオに収め、射精した頃合いを見計らって踏み込む。政府高官(等)はボディガード(常に2名)の助けを呼ぶが、もちろん既に殺されている。主人公は(政府高官(等)の不正蓄財を白状した男の)証拠ビデオを再生してみせ、その金の在処を吐かせる。一部はこの部屋に、残りは妾宅(2個所)に保管されている。この部屋の金庫の鍵の在処を吐かせる。それは必ず、政府高官(等)のズボンの尻ポケットにある。金庫の中味を残らず奪うと、政府高官(等)と相手をしていた女に心臓ペースメーカー型爆弾を埋め込む手術を施すと告げる。ふたりとも気を失う。主人公は政府高官(等)の鎖骨の上を切開して爆弾を埋め込むが「傷口にバラマイシン軟膏をすりこみながら」丁寧に縫うので7分間かかるが、相手の女にどうようの手術を施す部下は消毒もせず軟膏もすりこまずに乱暴に縫うので3分間で終わる。気絶したままの女を米軍用の死体収容袋に入れると、政府高官(等)を起こす。そしてみせしめ(サンプル)として女を爆殺する。爆風で丸くふくれあがったバッグがしぼむと、中からは「首を千切られた**子の死体が現れた」。失禁した政府高官(等)にさらに闇献金の流れをゲロさせて、それをビデオに収める。それが終わると、携帯電話で死体処理部員を呼ぶ。ナイロン・ストッキングで覆面した死体処理部員たちとの合い言葉は「ウルフ」「餓狼」。以上がエピソードA。(政府高官(等)に爆弾を埋め込むのは、もちろん、口封じのためである。)

 そして主人公グループは政府高官(等)を引っ立てて彼の妾宅に向かい、事情を何も知らない妾(「突然来るなんて、びっくりするじゃん」)に、金庫の中味を安全なところに移すと偽って、有り金残らず奪う。(以上を、通例2回繰り返す。)そして政府高官(等)を解放する際に、毎回必ず、「これが新世代の抗生物質“ホスミシン”10シートだ。手術の傷口が化膿しないように毎食後2カプセル服むがいい。それにこれが心臓ペース・メーカー患者手帳だ。空港で金属探知器がピー、ピー鳴ったらこれを示すがいい」と言う。以上がエピソードB。

 ..これだけ [;^.^]。以上のA、Bを果てしなく果てしなく果てしなく繰り返すのである。これらの他に、「世界平和問題研究所」におけるブリーフィング(今日は誰と誰と誰と誰を襲うという割り当て)のシーンが数回あるが、これも全くのワンパターンである。主人公のベッドシーンが2回あるが、これも驚くべき単調さで、「淋しかったわ」「好きだよ、絵里子」三段締めにミミズ千匹、と来たもんだ。きょうび高校生でも、もう少しボキャブラリの工夫をするんじゃあるまいか? あと、海外遠征が1回。主人公がラーメンを食うシーンが1回。以上で、バリエーションの網羅も、終わり。[;^.^]

 唯一、「構造」に近い現象と言えば、390頁めあたりから、上記の(合わせて20頁ほどの)パターンの圧縮が始まり、会話などをほとんど省略して、1ターン1頁ぐらいに高速化され、ぐるぐるぐるぐる繰り返され始める。さらにこれが1ターン0.5頁にまで濃縮され、急加速モードに入るが..しかし別に、筒井康隆の「急流」のようなオチがつくわけでもなく、単にそのまま終わる。[;^J^]

 「トンデモ本の世界 R」において、山本弘は、「いや、これはすでに小説ですらない。何しろストーリーらしきものがまったく存在しないのである。/小説じゃないとしたら、いったい何だ? 分からない。まったく新しいタイプのトンデモ本としか言いようがない。僕はまだこの本を的確に表現する言葉を思いつけないでいる」(284頁)、と、お手上げ状態であるが、しかし私はそうは思わない。こんにちの私たちは、こういう芸術(と呼ぶのは、もっの凄く抵抗がありますが [;^J^])を知っているはずである。そう、「ミニマル・ミュージック」。なんの展開も構造もなく、ひたすら同じ場所で同じパターンを繰り返す音楽..それのバイオレンス・ノベル・バージョンが、「餓狼の弾痕」なのであった。

 ..読んでみたい? [;^J^] 俺は薦めなかったからね [;^J^]。それだけは釘を刺しておくが、金と時間をドブに捨てるのは君の自由だ。私はそれを、制御できない。[;^.^]

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*2002年10月22日:漫画讀本、コンプリート!


 「漫画讀本」誌の、第13巻 第10号(1966 臨時増刊号)を、ついにゲットした! これで、漫画讀本、コンプリートである!

 昨年末の、新宿伊勢丹の大古本市で、同誌の「ほとんど完全揃い」を入手したのち、欠けている数冊、及び、完本でない(典型的には、巻頭のカラーヌードグラビアが切り抜かれている)数冊、合わせて10冊ほどを、ヤフオクを含めてインターネットで探し回っていたのであった。中でも、この増刊号にはもっとも手を焼いたのだが..実のところ、これを(ようやく)見つけた前後に、数ヶ所で合わせて3冊、発見したのである。(うち1冊は、あやうく(ヤフオクで)必要以上の価格で落札してしまうところであった。)中々見つからなかったものに限って、一度みつかると(もう必要無いのに)ポロポロと見つかり続ける、という経験を何度もしているが、今回もその例に洩れなかった。

 朝夕、本格的に冷え込んできた。ついに長袖ワイシャツに切り替える。

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*2002年10月23日:ドタバタと更新


 更新日だと言うのに、リブを会社に置き忘れて来るし..[;-_-]

 すぐに取りに帰れば良さそうなものだが、(この時間帯なら、自家用車で片道25分程度、)18:30にはワインの訪問販売のP社が訪問する約束になっているし..

 そのために、残業もせずに、速攻で帰宅して、今は18:15なのだが..結局、19:10まで来なかったし..[;-_-]凸 いつものセールスマンが退社したとかで、今日は新顔で、道に迷っていたらしいが..それなら電話しろよ、電話! たまりかねて私の方からP社に電話して、ようやく連絡が取れたのである。

 ワインの商談は20分ほどで片付けて、速攻で会社まで往復して、20:31のバスで街中へ出て、なんとか更新。

 (なんで街中へ出ないと更新できないんじゃ、と、疑問を持たれるかも知れませんが、“習慣”に突っ込まれても。[;^J^])

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*2002年10月24日:未来の夢


 とある社内文書を提出しなければならない。テンプレートはWORD書式である。それはそれでいい。その中に、三択や五択の設問がいくつかあるが、それも問題ない。

 しかしなぁ..その回答を、その数字の上に「○印で描画させるな!」っつーんだよ、こらっ!

 それ(○印)は、「紙と筆記用具」を想定しているんだよ。紙と鉛筆(シャーペン、ボールペン、サインペン等でも可)なら、1秒で終わるんだよ。しかし、WORDだとなぁ..

 描画ツールから○を選ぶのは、まぁ仕方がない。しかし、○印の大きさを決めるためには、コーナーをつまんでドラッグしなければならない。しかも、「シフトを押しながら」ドラッグしないと、真円の形状を保ったままサイズを変更することは出来ないのである。さらに、私の環境では、なぜか思う場所に○印を置けず、サイズも思ったサイズにならない。解像度が粗すぎる..

 ..「これはグリッドの設定だな!」、とまでは思いついたが、さてその「グリッド」という文字列を、メニュー群のどこを探しても出てこない..一個所あったが、それは「グリッドを表示するか否か」であり、ここでは関係ない..そうこうしているうちに、5分たち、10分たつ..


 俺は、○印をつけたいだけなんだよ!

 ..ったく、なに、これ? 紙と鉛筆なら1秒の作業だよ? 1GHz級のCPUと512Mのメモリーを使って、5分? 10分? 冷静に考えてみなよ。これほどの高性能ハードウェアを作った人々に対する冒涜以外の何物でもないぞ!?

 しかも..結局、まともに○印は描けなかったのである。以上までのことだけならば、「倉田がWORDをマスターしていないのが悪いんだよ、ケケケッ」、という批判も甘んじて受けようが、(しかしどれほどマスターしていようとも、○印を思った個所に1秒で描ける人はいないと思うぞ、)このようにして苦心惨憺して作成した文書をネットスケープコミュニケーターからメールに添付して発送したところ、受信側でそのファイルを開いたら、○印の場所が「ずれていた」のである。

 どうやら、○印と文書とは別の階層にあり、文書の行数が変わるようなエディットをすると、(画像レイヤーにある?)○印の場所とずれるらしい。この動作の原理はそれなりにわかるが、それなら、文書側のエディットを行った時点で、画面の上で、○印の場所がずれるべきである。(とんでもなく使いにくいと思うが、現状よりはマシだ。)もちろん、理想的には(というか、常識的には)ずれないべきだ。

 どうして、ここまで間抜けなんだ? ネットスケープで送信したから? インターネットエクスプローラーを使えば、そんなことにはならないの? 私が使っているのは、Office 2000 のWORDだぞ。現役バリバリのバージョンだと思うぞ。

 今回の件に限って言えば、マイクロソフトの責任は3割くらいである。MSより遙かに、弊社の総務が悪い。ITの使い方を間違っている。WORD文書を標準書式として使うことが間違っているとは思わないが、手書きをそのままアナロジって、○印をつけさせるなど、論外である。たかが「五択」なのであるから、「1」〜「5」を記す空欄を一個所、設けておけばそれで良いのだ。

 もちろん、WORD(Office)も酷い。「行数が変わる編集をする」という、極めて当たり前のことを行っただけで、「描画との不整合が発生し、しかもそれは、環境依存である(添付メールの送信側と受信側で見え方が異なる)」という、致命的な事態が発生している。

 よろしいか。今年は2002年だ。とっくの昔に、夢の21世紀に突入しているのである。


 21世紀にもなって、これかよ!!

 ..「SF作家が予言できなかった未来」、というのは、いろいろある。

 普通、第一指を屈せられるのが、「月着陸を、全世界の人間がテレビ中継で見られたこと」である。次が、「オイルショック」かな。(「公害」を挙げる人もいる。確かに、1960年代になるまで、本格的な公害テーマの作品は(いくつかの例外を除いて)現れず、1960年代になってから書かれたようでは、それは少なくとも「予言した」とは言えない。)そしてもちろん、「パソコン」「インターネット」「携帯電話」だ。

 しかし、21世紀にもなって、その時代の最先端のPC(すなわち、数十年前のメインフレームどころか、ヘタするとスーパーコンピュータ並みの性能のコンピュータ)を使って、文書の上に○印も満足に描くことができない、などというデストピアを想像したSF作家が、いたであろうか?

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*2002年10月25日:健全な週末


 NECから、ADSL関連機材が届く。28日(来週月曜日)に切り替え予定なのであり、その日に、ISDN用のルーターを外して、これに付け替えなくてはならない。

 今回、敢えて「どシロウト」モードで話を進めている。何も調べていない。これでどれだけスムーズにISDNから切り替えられるか。この「段取りのスムーズさ(あるいはスムーズさの欠如)」こそが、「インフラ」であるはずだからだ。それを測りたいのである。

 久しぶりに「赤ちゃん」へ。しばらくぐたぐたしてから、私がこの店に行く日には80%以上の確率で居るT君の車で、近場の知人のマンションへ向かう。(元々週末しか開かない店であって、週末にはいつものメンバーが(浜松にいれば)大概集まってくる、という店ではあるのだが。)

 知人というのは、同じ勤務先のH君..アルファベットだと語弊があるな [;^J^] ハ君。新築らしい、セキュリティのしっかりしていそうなマンション。引越してから一ヶ月ほどだという、その新居にお邪魔してみたら、なんだなんだ、勤務先の同僚が男女取り混ぜて10数人。1〜2名を除いて、知った顔ばかりであるが..(中堅ないし“トウが立った”若手たちといったところか。)みんな、週末にはここに来てるの? それとも誕生パーティーか何か?(誰かの誕生日であることは確からしいが。) そのわりには、特に料理もなく、まだ家具が何もない広い居間で車座になってしゃべったり楽器弾いたり、誰かが持ち込んだ赤ん坊 [;^J^] を可愛がったり、となりの和室で(高校生のように)雑魚寝していたりするのだが..暇なやつらだ。(← ひとごとかよ。[;^J^])なんの話をしていたんだったか、ほとんど記憶が無いが..ノンノンの全裸問題の議論をしていたような気も、少しする。[;^J^]

 それなりに遅くまでお邪魔してから、T君の車で自宅まで送ってもらう。

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*2002年10月26日:「ゴーメンガースト」!


 雨の中、ジョーシンに車で乗り付け、修理上がりのアンプと、注文していた「ゴーメンガースト」のDVD(PIONEER、PIBF-7400)を引き取る。帰宅してから(まだ雨なので)取りあえずアンプは車の中に置いたまま、「ゴーメンガースト」を、早速再生!

 Great! これは素晴らしい! 皆さん、必ず買いなさい。たったの6000円だ!

 マーヴィン・ピークの原作三部作「タイタス・グローン」「ゴーメンガースト」「タイタス・アローン」から、最初の2作をBBCがTV化したものである。(それぞれ1時間番組2回構成で、都合、全部で1時間×4回。)第三部が除かれていることをもってして、不完全であると思われる向きもあるかも知れないが、これは実は妥当な処置なのである。やや時期をおいて書かれた第三部は、舞台も異なるし、登場人物も(主人公以外)総替えだし、さまざまな意味で「連続していない」のだ。

 気に入らない点を先に述べておくと、まず、画面が明るすぎるのではなかろうか。私の想像上の「ゴーメンガースト城」は、もっともっと暗く重い、石の堆積なのだが..そして、「遠景」(特にゴーメンガースト城の「遠景」)に、スケール感が無い。メイキングを見ると、随分工夫はしているようだが..やはりどうしても「ロード・オブ・ザ・リング」などと比較してしまうと..もちろん、制作費は(恐らく)桁違いのはずなのだが。

 しかし、俳優陣は素晴らしい! 彼ら以外のキャストが考えられないほどである。まさに、マーヴィン・ピーク自身の手になるイラストそのもの! 美術も衣裳も同様。そして何より、音楽が素晴らしい!

 この原作三部作は「必読!」、と言いたいところだが、分厚さが分厚さなだけに(そして、強烈に読者を選ぶ“文体”であるだけに)、万人に薦める、というわけにもなかなか行かないのだが..このDVDに4時間付き合うぐらいのことなら、誰にでもできるはずである。原作の神髄が完全に転写されているかというと、それは違うのだが、しかしある意味、「これでも十分」だ。少なくとも、「ゴーメンガースト」を知らずに死ぬより、原作は読まないまでもこれを観てから死ぬ方が、よほどいい。

 だから、あなたは買いなさい。わかったね。

 さて、はや夕刻。雨が小止みになってきたわけでもないが、いつまでもアンプを車に積みっぱなし、というわけにもいかないので、後部座席から(箱には入っていない、プチプチマットでくるまれただけの)アンプを搬出しようとして..


 ..落とした! [/O;]

 ..それも、考えられる限り最悪の落としかた、すなわち、「パネル面を下にして、やや斜めから」、である。しかも、自重15Kgなのである。自重15Kgなのである。結果として、ボリューム類が欠け、斜めに曲がり、押し込んだり回したりできないボリュームやボタンがいくつか..


 激 欝 ..

 (..車からの搬出に際して、ベストをつくして落としたのならまだしも..この15Kgの、しかもプチプチマットにくるまれた物件を「片手で支えて」、片手で車のキーを回そうとして落としたのだから..)

 ..えぇえぇ、なおりますよ。こんなものはなおりますとも。1万円も払えばな!(修理上がり直後とはいえ、まったく別の原因のノイズの修理だったので、こんな落下事故が無償再修理の対象になるわけもない。)しかしこのタイミングで、修理に出す気力がわくと思うかね?

 ..まぁ、この状態でも、幸いにも(CD端子に突っ込んだ)DVD/LD/VHSの音声を聴くことは出来るので、当分、この状態で使うつもりである。人生、楽の次には苦がやってくる。セオリーどおりである..

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*2002年10月27日:ワイシャツ救出大作戦


 私は普段、(長袖、半袖とも)3〜4着のワイシャツをローテーションして着用している。基本的に洗濯機。時々クリーニング。これで十分間に合う。しかしそれ以外に、ローテーションから外れているワイシャツが、(押し入れの中にに作りつけの)衣裳戸棚に、多数ぶら下がっている。何年も何年も、袖を通されることもなく。

 何故、彼らは“外された”のか? 理由は簡単。「ボタンが取れた」からである [;^J^]。これまで(というか、10年ほど以前から)の私は、ワイシャツのボタンを付け直す手間を忌避し、また、この作業をクリーニング屋に依託すると500円以上かかるのでその選択肢を取ることもなく、また、ボタンが外れたワイシャツを着続けるほどまでにだらしのない性格でも無かったために、必然的な解として、「ボタンが取れたら、ワイシャツを買い直す」ことを行ってきたのである。ここ10年ほど。[;^J^]

 以上のロジックには一点の曇りも無く、私はそれには胸を張れるのだが..しかしそれはそれとして、こういう行為は、マリー・アントワネットにしか許されないのではあるまいか? ..と、少々気になってきたという次第 [;^J^]。そこでついに、10年の封印を解いて、ボタン付けを手ずから行ったのである。

 なに、ボタンの付け方くらい、知っているのである。(小学校で習ったし。)裁縫セットもある。(小学校以来の針はさすがに錆びていたが、1年ほど前にコンビニで(何故か)買い直していたのであった。)ボタンの在庫は少々足りないが..(自宅のあちこちで拾ったボタンをストックしてあったのだが、なかなかサイズや仕様が合わないのだ..)問題のワイシャツのうち2着は、襟が擦り切れている、あるいは、布自体が変色(変質)していてクリーニング出ししても回復しそうもない、という理由で、部品取り(ボタン取り)をしてからツブすことによって、パーツ(ボタン)を確保した。

 かくして、10着ほどのワイシャツを救出(修繕)することによって、手持ちのワイシャツは、長袖13着、半袖7着となった。

 ..多すぎる [;^J^]。一体私に、これらをどうしろと?(← 着なさいよ。[;^J^])ヤフオクで売るには、品質にいろいろ難があるし、どうせ50円か100円だと思うとなぁ..

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*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Oct 30 2002 
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