*2000年12月04日:年の瀬の楽しみ
*2000年12月05日:O君の訃報
*2000年12月06日:リアリティの喪失
*2000年12月07日:国会図書館/O君の通夜
*2000年12月08日:O君の告別式/日比谷図書館
*2000年12月09日:私の血となれ肉となれ
*2000年12月10日:イブのプラン
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*2000年12月04日:年の瀬の楽しみ


 さて、先月下旬から、連日の古書目録攻撃である。(一日平均、3冊は届く。目を通している暇など無い [;^J^]。)不況にも関わらず(いや、不況だからこそ)、ボーナス商戦に力がこもっているのだ。

 本日届いたカタログに、面白い誤植が、一件。手塚治虫の「ペンタックスばんざい」。そんなコマーシャル漫画は、描いていないというに [;^J^]。(正しくは、「ペックス ばんざい」。氏の青年漫画の傑作のひとつ。)

 もちろん、漫画専門(あるいは、漫画を主として取り扱っている)古書店だからといって、あらゆる漫画のタイトルを知っているわけではないし、いちいち調べている暇も無いのであろうが..

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*2000年12月05日:O君の訃報


 夕刻、帰宅直後に、旧友・O君の訃報。

 愕然。信じられない。

 何故だ..

 直ちにT君に確認の電話を入れるが、プッシュボタンを叩く指が、自分の声が、震えていることがはっきりと判る..

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*2000年12月06日:リアリティの喪失


 本来ならば、有休を取るべきだとは思うのだが..仕事が溜まっているのだった。

 無理矢理出社したものの、放心状態。

 仕事が手につかない..いかんいかん、こんなことでは。

 判断力を要求されない、機械的に処理すれば良いだけの仕事を選んで、定時まで、事務的に片付け続ける。

 本来ならば、更新も休むべきだったとは思うのだが..私の(私の友人の)事情など、更新を楽しみに待ってくれている一般の読者に、なんの関係があろうか。

 必死に更新..とはいえ、推敲が甘く、筆が踊っている個所を何ヶ所か直しきれず、おかしな文章があちこちに残ってしまった。

 仕方がない。これもまた心理状態の記録としての意味はあるので、このまま置いておくことにする。

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*2000年12月07日:国会図書館/O君の通夜


 今夜が通夜。明日が告別式。場所は横浜である。実家に泊まれるのは助かる。

 夜までに横浜に着けば良いのだから、いつものように朝7:14のひかりに乗る必要など、本来は無いのだが..この機会(というか、ついで)に、両日とも、図書館に籠もるつもりなのである。

 別に不謹慎でもなんでもない。死者を悼む気持ちも、生きている私自身の“時間”も、共に大切であり、それは両立するのだ。それに、国会図書館で調査を開始したが最後、文字どおり(比喩ではなく)席を温めている暇も無いほど忙しくなるので、夜まで気を紛らすのに、丁度いいのだ。

 成果は上々。「若人芸術」の表紙絵や「まんが宣言」に掲載されたエッセイを確認した副産物として、前者からは座談会、後者からは対談を発掘(新発見)できた。

 特に大きな獲物は、「中公コミックス 世界の歴史」(全15巻、中央公論社、1983/11/20〜1985/02/20)である。これは従来、


ウイープとトリープ(キャラクターデザイン)::-:「世界の歴史」(中央公論社):83/?

 ..という形でしか判っていなかったものなのであるが、実は、全15巻の“監修”“編集”“構成”、及び、狂言回しである「ウィープ」と「トリープ」の“キャラクターデザイン”、さらに各巻に「あとがき」を書き下ろし、という、かなり本格的なプロジェクトだったのである。(第2巻のみ、所蔵無し。)

 なぜ、こんにちに至るまで判明しなかったのかと言うと..「発見できなかった」からである。国会図書館のCD−ROM端末で「世界の歴史 AND 中央公論社」という検索を行うと、(誰でも知っている)例のシリーズしかヒットしないのである。もちろん、「中公コミックス」というキーワードならば検索出来たのかもしれない。しかし、全く引っかからなければ、「これはおかしい..」、と、いろいろ検索条件を工夫もしようが、曲がりなりにも(有名なシリーズが)検索出来てしまうと、「他にもあるのではないか?」という方向には、発想が向かなくなってしまうのである。これは面白い盲点だ。

 そして、(「中公コミックス」版ではない)「世界の歴史」には、もちろん、手塚治虫に“キャラクターデザイン”された「ウイープとトリープ」など、登場しないのである。するわけがない。(念のため、何冊かサンプリングして請求して、検査はしましたが。[;^J^])それで、「恐らく、電車内の吊り広告か何かのみに起用されたキャラクターなのであろう..」、と、この件はペンディング(というか調査終了)していたのであった。いやまさか、コミックス版があったとはね。

 このことに、なぜ(CD−ROM端末での検索には失敗していたのに)気が付いたのかと言うと..先日、浜松市立中央図書館の参考図書室で、国会図書館の「児童図書目録」を“発見”し、これをパラパラと読んでいて、「中公コミックス 世界の歴史」を“発見”したからである。この目録もまた、新たな鉱脈である。(今のところ、これの精査に回す時間が、全く取れていないが。)

 閉館後、神保町(中野書店等)を経て、横浜・岸根公園の通夜会場へ..

 ..再び、現実感が稀薄になる..

 ..現実に世の中で進行していることとは、思えないのである..

 夜も更けてから、横浜・鶴ヶ峰の実家へ。

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*2000年12月08日:O君の告別式/日比谷図書館


 昨夜と同じ会場で、O君の告別式..

 ..さぁ、もう、現実に立ち戻るべき時だ。

 以前から、その存在は知っていたし、気にもなっていた「日比谷図書館」を、初めて利用してみた。地下鉄霞ヶ関駅から徒歩5分、という、交通至便な場所にある。

 実のところ、昨夜、実家で、この図書館のことを思いだして、「東京都立図書館のホームページ」から蔵書検索をしてみて仰天した、という次第。

 もとより、その量において、国会図書館と比較できるようなものではない。しかし、国会図書館にも、現代マンガ図書館にも、大宅壮一文庫にも無いものが、まとまって蔵書されている“ケースがある”のだ。具体的には、「少年キング」誌や、学研の学年誌だ。

 その一方で、「プレイコミック」系は全滅だったりする。要するに、万能の図書館などただのひとつもなく、相互補完的に利用するしかない、という(判りきっていたはずの)ことを、再確認することになったのだが..しかし、これらの(相互補完しあっている)図書館群の多くが都内にあるのは、不安である。いつかは必ず襲い来るはずの大震災で東京都が壊滅した時、いったい、これらの書籍は、どうなるのだ..

 閑話休題。

 何よりも、その“効率”に感激した。少年漫画雑誌は、「児童資料室」にあるのだが、ここでは「一度に6冊しか出納できない」という制約がある。しかし実は、この“制約”が“制約”になっていないのだ。なにしろ、請求票に6冊書いて渡すと、ほんの数分以内に(1分かからないこともあったかも知れない)、出納される。また、「少年キング」誌は、連続してまとめて調べる必要があったのだが、「半年分ほど、次々に読みたいのですが..」、と、カウンターの係員に告げたところ、書庫から、台車に半年分乗せてきて、カウンターの隣りにスタンバイさせておき、そこから6冊ずつ、(千切っては投げ、千切っては投げ、の要領で [;^J^])私が6冊返却するのと引き替えに、出納してくれるのである。こうなると、冊数制限など、無いも同然である。(この場合、請求票を書くことすら、求められなかった。ちなみに、請求票に住所氏名を書く欄が無いのも、嬉しい。時間に追われているときには、住所はもちろん、氏名を書いている時間も惜しいものなのである。)

 この部屋での最大の成果が、「少年キング」誌に連載された「アポロの歌」のデータが確定したことである。いや全く、長年の懸案であった。

 日比谷図書館自体は20時まで開館しているのだが、(これも助かる、)「児童資料室」は17時で閉まる。そこで、「新聞雑誌室」に河岸を変え、「高1コース」など、学研系の学年誌を調査する。ここでは冊数制限が無い。台車は貸してくれないので、“両手で運べる量”が、事実上の制限冊数となる。(このことを良く理解せずに山ほど出納請求して、エライ目に会いました [;^.^]。)

 「高1コース」誌に連載された「ユフラテの樹」のデータが、確定した [^.^]。しかし、同じく「高1コース」誌に連載された「日本発狂」については、連載期間の同誌は、全て蔵書があったにも関わらず、同連載は端から端まで、全て“切り抜き”の被害にあっていた [/_;]。

 調査対象は、手塚治虫だけではない。「高2コース」に連載された、吾妻ひでおの「いちヌケ君」(3ヶ月間、毎月4頁連載)を、ついに発見! コピーを取った。これも長年(本当に、長年!)探し求めていたものなのである。

 これから、少年少女マンガ雑誌を、まとめて閲覧しようとする人々には、次のようにアドバイス出来る。まず、「東京都立図書館のホームページ」で蔵書を調べなさい。“あれば”、無料で、効率よく、どんどん閲覧できる。国会図書館と現代マンガ図書館は、セカンドチョイスである。前者は(やはり)無料だが、一度に出納出来る冊数に制限があるし、出納にも時間がかかるなど、効率が悪い。後者は、冊数制限が無いことや出納にかかる時間の短さは、日比谷図書館並みだが、100円/冊、というコストがかかる。

 20時まで調査するには、準備不足。(昨日、突然思い立ったのであるし。)そこで、ほどほどの時刻に切り上げて、東京駅へ直行。浜松へ。

 をを、帰宅してみれば、Nさん資料の第3便が届いている。とはいえ、今週末は、この2日間のデータ整理その他の作業で、手一杯である。(意外に思われるかもしれないが、私はリストのメンテ“以外”のことも、しているのである。)少なくとも一週間は、先送り。

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*2000年12月09日:私の血となれ肉となれ


 ぐぎゃぁっ!!

 「仮面荘の怪事件」(カーター・ディクスン、創元推理文庫)が、この11月に復刊されていたことに、今日になって気が付いた!

 つい先日(12/3)、B堂の目録に掲載されているのを発見して、3000円で発注し、それが(留守にしていた)12/8に届いたばかりだというのに..当然、まだ、読むどころか、支払ってもいない。これから振り込まなければならないのだ、3000円 を..[/_;](脚注:定価680円)

 もちろん、(ネットを含めて)古書店で捜すフェーズに移行する前に、紀伊國屋BOOK WEBで発注し、在庫無しで入手不可なことを、確認してはいたのだ。但しそれは、数ヶ月前のことである。そのあとの状況の変化を追跡していなかった。油断していた。これだから、創元と早川は怖いんだ。

 この..この、の涙を..このの涙を、肥やしとするのだっ!

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*2000年12月10日:イブのプラン


 浜松市立中央図書館で、朝日新聞の縮刷版をチェックする。Nさん資料の第2便関連である。(一昨日届いた(というか届いていた)“第3便”は、未開封状態である。)国会図書館の児童図書目録も調べたいのだが、これには相当時間がかかる。今日、手をつけても、中途半端になるだけなので、見送る。

 ジョーシンで、DVDを少々購入。ふむふむ、アダルトDVDのコーナーが拡充されておるな。(良い傾向だ/嘆かわしい傾向だ/買った/買わない、などという議論は、ここではスコープ外である。)それにしても、一体、いつ観るんだ、いつ! 既に10枚以上のバックストックがあるぞ。(未開封LDの枚数は、数えないことにしよう。[;^J^])

 浜松駅へ。12/23(日)深夜東京発の「ながら」のチケットの購入に、失敗する。ったく、こんなに美味しい夜のチケットが、今ごろ取れるわけ無いだろっ! 何考えてるんだ。

 というわけで、帰宅してから早速、23日夜のTホテルを予約する。(23日には、例のお気楽オフがあるのであった。)

 転んでもただでは起きないぞ。えっと..12/24(日)に東京にいても、当然ながら、することが無い [;^J^] のだが..国会図書館、大宅壮一文庫とも休みで、(開館しているはずの)現代マンガ図書館には(1日かかるほどの)調査案件が残っておらず、仮に、まんだらけに寄るとしても、現代マンガ図書館もまんだらけも午前中は開いていないので、半日、無駄になるところなのだが..なんと、都立3図書館(都立中央、日比谷、多摩)は、ことごとく(午前中から)開館しているのであった。偉いっ

 というわけでピッチをあげて、「東京都立図書館のホームページ」で、手塚治虫&吾妻ひでおの要調査案件について、蔵書調べを、あらかた終わらせる。日比谷図書館でなければ閲覧できないもの、都立中央図書館でなければ閲覧できないもの、多摩図書館でなければ閲覧できないものが、それぞれ2〜30件前後ある。多摩図書館の分は、やや少なく、また、地理的にもいささか離れているので、デフォルトで日比谷図書館と都立中央図書館、残り時間次第でまんだらけ、現代マンガ図書館..か。日比谷図書館は、(日・祝・休日は)新聞雑誌室も児童資料室も閉まっているのだが、仕方がない。同図書館で他に調べるべき物件は、いろいろある。

 クリスマスイブの正しい過ごし方である。みなさんも、見習っていただきたい。

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*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Dec 13 2000 
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