*2000年09月25日:20世紀デザイン切手
*2000年09月26日:真夜中の怪異
*2000年09月27日:謎の解明
*2000年09月28日:粘菌にも知性?
*2000年09月29日:バス停の怪異
*2000年09月30日:起源について
*2000年10月01日:「イギリス・フランス近代名画展」
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*2000年09月25日:20世紀デザイン切手


 私は、こと書籍に関しては、コレクターと言われても仕方が無い(申し開き [^.^] が出来ない)が、少なくともグッズコレクターでは無い。だから、「20世紀デザイン切手」に、「鉄腕アトム」の図柄が収録された時ですら、シカトしていたのだが..

 ..「バルタン星人」には抵抗できず、ついつい、「20世紀デザイン切手 第13集」を購入してしまった。そして、こうなってしまうと、第13集だけ持っていても全く中途半端である(完備でない)ので、自動的に、残り全部、買わざるを得ないではないか。740円×12集。今日買い足したのが第14集で、あと3集もあるのである..ったく、汚い商売しやがる..(← 違うよ [;^.^])

 「3軒茶屋の2階のマンガ屋」に、手塚治虫初出誌調査用に先週月曜日に発注しておいた、「プレイコミック」誌 1970/11/28号が、届いた。対象作品は「人間昆虫記」。これによって、従来、「天牛(かみきり)の章」の初出誌情報が、


天牛の章:102:プレイコミック:70/09/26,70/10/10,70/10/24 - 70/12/26

 ..というところまで明らかになっていたのを、


天牛の章:102:プレイコミック:70/09/26,70/10/10,70/10/24,70/11/28 - 70/12/26

 ..と、さらに追い込めた。(なお、今週の新着情報には、特に見るべき物件は無かったが、相変わらず、この時期のプレイコミックが、五月雨式に放出されている。来週以降の新着情報に、期待をつないでも良さそうである。)

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*2000年09月26日:真夜中の怪異


 いささか不調。有休取得。終日読書。

 夕刻には回復したので、例によって天狗へ向かうが..

 おや、有楽街(浜松駅前の主要繁華街のひとつ)の入口付近にある、COX(若向きの衣料品屋..ブティックと言うんでしょうか?)の2階に、いつの間にか“遊べる本屋”「ヴィレッジ・ヴァンガード」が入っている。これは便利。浜松駅前だと、アクトシティの中にもあるのだが。(それとも、アクトシティ店が引っ越してきたとか?)ブティックの2階とは、書店としてはミスマッチなロケーションだが、“遊べる書店”としては、オッケー。というか、自宅の近所の店も、やはりCOXの一部を間借りしている。そういう仲だったのか? 夜9時まで。夜遊びするには、ちょっと店じまいが早いかな。

 早速、チェック。書籍以外のグッズ系の品揃えは、アクトシティ店、及び、自宅直近の富塚店と、ほぼ同じ。書籍(及びコミックス)の揃え方の基本コンセプトも、似たようなもの。澁澤/(サドつながりで)三島/荒俣/種村で、一角を固める、という基本が守られているし、さらに南方/夢野/寺山とつなげて、コリン・ウィルソンあたりをブリッジにして、精神世界系へ、という配列。(純粋トンデモ系は少ない。)ちゃんとしてるじゃないか。

 帰宅してフトンに入ったのが、1時前だったかな? ..深夜(というより明け方に近い)3時半頃、異様な物音で目が覚めた。

 机(正確には、机がわりのコタツ)の上で、何かが異常な振動をしている。カタカタカタカタガタガタガタガタカタカタカタカタガタガタガタガタ....

 寝惚けているので、「うぅん?」、と、上半身を斜めに起こして、片目を半開きにして、机の上をバタバタとまさぐるだけであり..そのうちに、振動音は聞こえなくなってしまった。半睡状態とはいえ、この異音をさして気にもしなかったのは、実はしばらく前から、この現象(真夜中の振動音)が起きていたからである。

 原因の見当は、ついていた。私は、リブ100とDVD−RAMドライブを、コタツの上に置いて寝るのが常だが、これらの電源を入れっぱなしにしておくことが、しばしばなのである。(面倒なので、理由の説明は省略する。)問題は、リブ100のハードディスクだ。いまだにWin95を使っているのだが、このOSは、放っておいても、時々ハードディスクにアクセスする。(Win95に限ったことではないが。)つまり、意図しないタイミングでハードディスクが回りだしても不思議ではない。そのハードディスクに、何らかの物理的なトラブルがあれば、振動音くらい、するだろう。DVD−RAMドライブだって、わかったもんじゃない。回転時に異音を発する可能性があるかどうかは知らないが、ハードディスクに勝手にアクセスされるぐらいだから、外部ストレージに勝手にアクセスされても、なんの不思議もない。

 ..しかし、だとすると、ハードディスク(かDVD−RAMドライブ)が壊れかかっているか、そうでなくても、非常にたちの悪い持病を抱えていることになる。状況は結構深刻なのだが、そこはそれ、この現象が起こるのは常に真夜中であって、つまり私はまだ半分夢の中にいるような状態で、この状況(“故障しかかっている”)を認識するのであるから、「そっかぁ、ハードディスクがどこかに当たっているかぁ..ムニャムニャ」、と、全く頼りにならない判断力しか持ち合わせておらず、そして、朝になれば忘れてしまっているのである。だからこれまで数週間、放置していたのだが..

 今夜のところは、音は止まった。おかげで、リブ100とDVD−RAMドライブのどちらが振動音を発していたのか、今夜も突き止めそこなってしまった、というわけだが..半覚醒状態で、「ふみゃあ..」とかなんとか呟きながら、リブ100とDVD−RAMドライブをそれぞれ手にとって、ぼんやりと眺めていた私は..

 ..一瞬にして、目が醒めてしまった。


 なぜなら、どちらも“電源が入っていなかった”からである!

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*2000年09月27日:謎の解明


 (承前)昨夜(というか、今朝)の3時半、嫌な物を見てしまった私は、目が醒めてしまったとはいえ、そのまま起きているのも気味が悪かったので、さっさとフトンにもぐりなおしたのであった。

 改めて5時過ぎに起床。現実に立ち向かうべき時である。

 超常現象であるわけが無いのだ。リブ100にもDVD−RAMドライブにも電源が入っていなかった以上、何か別のものが、振動音を発していたに違いないのだ..

 ..10分ほど、とっちらかったコタツの上を捜索して..ついに発見した! 「腕時計ブルブル」である!

 (目覚まし)アラームを、音か震動か選べるタイプの腕時計だ。何年も前に買ったものだ。当時の私は、深酒をして山手線や地下鉄に乗って、目的地を乗り過ごす、ということを頻繁に繰り返していたので、必要に迫られて買ったものだったのだ。(深夜の車内でアラーム音を響かせるわけにはいかないので、震動させられるタイプを買ったというわけ。)皮肉なことに、これは、その本来の用途では、ただの一度も役に立たなかった。起きられなかったのではない。深夜の居眠り(の危険)という状況に追い込まれなくなってしまったからでもない。深酒をしてしまった頃には、セットするのを忘れてしまっているからである [;^.^]。いずれにせよ、(このお守りが効いたのかどうかは不明だが)確かに乗り過ごす(寝過ごす)ことは、無くなった。

 その腕時計ブルブルが、乱雑なコタツの上に放られて、紙やその他のガラクタを震動(共鳴)させていたのであった。毎晩、定時に。(セット時刻は、3時25分頃であった。)

 やれやれ..と、セッティングを解除しようとしたのだが..できない [;^J^]。マニュアルは、とうに紛失している。「震動」か「音」かを選ぶ方法はわかったが、「オフにする」方法が、どうしてもわからない [;^J^]。これからも毎晩、3時25分に震動し続けるのか? 電池の無駄じゃないか..[;_ _]

 ..それはともかく、早朝から、事件(ヤマ)をひとつ解決したオカルト探偵は、散文的に出社したのだが..昨日、休んでいた間に、会社(というか、会社の私の机の上)に、郵便事故を起こしたかと案じられていた書籍が、届いていた [^J^]。状況を鑑みるに..これはどうも、(郵便局に責任のある)郵便事故ではなく、会社に届いてから、社内で滞留(あるいは巡業)していたようである [;^J^]..2週間以上 [;^.^]。

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*2000年09月28日:粘菌にも知性?


 朝日新聞の朝刊に、痛快な記事。


粘菌にも「知性」?

えさ求めて迷路解いた

情報処理解明に糸口

 アメーバ状の生物である粘菌が、迷路の最短ルートをびたりと見つけ出すことを、理化学研究所の中垣俊之・フロンティア研究員らが突き止めた。「知性」とまでいえるかどうかは疑問だが、かぎとみられる物質はヒトなどでも情報伝達にかかわるとされ、研究は生物の情報処理の仕組みを考える糸口になりそう。(中略)

 寒天の上に迷路を作って、ここで粘菌の一種のモジホコリを育て、迷路を埋め尽くさせて、その上で、迷路の入口と出口にえさのオートミールを置くと、モジホコリは約半日で、出入り口を最短ルートでつなぐ形に変形したとのこと。


 ルートを見つけるかぎはカルシウムイオンとみられる。えさを置くと、食べようとする粘菌内でカルシウムイオン濃度が変化。最短ルートから外れた部分は不安定になって縮むらしい。

 (「久々に明るいニュース!」、と、本気で思った奴。[;^.^])

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*2000年09月29日:バス停の怪異


 ほとんど毎晩、バスで天狗に“出勤”している。(飲みに行く、というより、読書と書き物の“ついで”に飲み食いしているのだから、実感として“出勤”なのである。)バスに乗る時刻は不定だが、会社から早めに帰宅した日は、大体、18時半前後に、バス停に着くことになる。そして丁度この時刻に、必ず、“おかしなこと”が起こるのである。

 このバス会社(遠鉄バス)は、「バス・ロケーション・システム」を運用している。バスの接近を、ランプで知らせるのである。私が利用するバス停は「浜商前」。そのひとつ前が「おかめ坂」。もうひとつ前が「富塚中学校」。

 バスが「富塚中学校」を発つ(あるいは通過する)と、第一のランプが点滅を開始する。そして「おかめ坂」を発つと、第一のランプは消灯して、第二のランプが点滅を開始する。それを見すまして、おもむろに「おかめ坂」の方向を見やると、バスがもうそこまでやって来ている、というわけである。

 “おかしなこと”、というのは、このランプの“誤動作”なのだ。

 時刻表によると、18:36、18:44、18:50に、「浜商前」にバスが着く。もちろん、ジャストこの時刻に着くことは、まずあり得ず、(たまに早く着くこともあるが)まぁ大体、数分は遅れる。(10分以上遅れることは、滅多に無い。)問題は、この18:36の便なのである。

 上述のように、バス自体は、ほぼ必ず数分間、遅れる。ところが、「バス・ロケーション・システム」の、第一のランプと第二のランプは、“正確に、18:36に到着するかのごとく、点滅する”のである。

 具体的に述べよう。少なくとも、私が18時半頃に「浜商前」バス停に着いた日には、まず確実に、18:32に、第一のランプが点滅を開始する。(「富塚中学校」発。)そして18:34に、第二のランプが点滅を開始する。(「おかめ坂」発。)しかし、それを確認してから「おかめ坂」方向を見ても、バスが来ていない。(「おかめ坂」は「浜商前」から一直線で、バスが「おかめ坂」を出ると、ほどなく視認出来る距離なのである。)そして、18:35に、第二のランプが消灯する..

 このバス停を利用し慣れているはずの、(目と鼻の先にある)「浜商」の生徒たちも、この現象は知らない子が多いらしく、「あれ〜、消えちゃったぁ!」「うっそ〜!」「なんで〜!」「ムカツク〜!」、などとブーたれたりするのであるが、その大体3分後に、改めて、第一のランプが点滅を開始する..そして順当に第二のランプが点滅を開始して、今度は、ちゃんとバスがやって来るのである。そしてこれは(何度も確認したのだが)本来、18:36に着くはずのバスそのものなのである。

 高校生諸君がブツブツ言っている脇で、慣れっこになってしまった私は、「またか」、と呟いたりしているわけなのだが..実際、「またか」どころではなく、「毎日、必ず」発生している現象なのである。(たまたま、私が18時半過ぎにそこに居合わせた場合にのみ、発生していると考えるのは、無理がありすぎる。また、他の時間帯にこの現象が発生しているかどうかまでは、私には判らない。)

 非常に不気味なのは、「富塚中学校」から「おかめ坂」まで2分、「おかめ坂」から「浜商前」まで1分、というのは、実際にバスが走る(停車せずに各バス停を通過していく)場合のラップタイムと、ほぼ完全に一致していることである。

 この現象の原因として、いくつかの仮説を立てることが出来る。

 まず、「近傍を走っている、別の路線のバスが発している信号が、混信している」、という仮説。これは、机上の説としては実に判りやすく、説得力もあるのだが..現実的では無いのである。つまり、(詳細な説明は省くが、)「混信を起こしそうな路線」が、近傍に無いのだ。

 もうひとつ、「バスが接近していようがいまいが、必ずその時刻(18:32から18:35)に順次点滅するよう、システムが組まれている」、早い話が「システムのバグである」、という仮説。これはこれで、状況を完全に説明できはするが..不自然すぎる。そういうバグが混入する理由が無い。(「バグなら、なんでもありうるさ」、など嘯くのは、ソフト開発の現場を知らない人だけである。)「デバッグモード」としても、考えにくい(役に立たない)振舞いなのだ。

 だから結局、私は、次のように考えることにしている。

 「我々の目には見えないし、ダイヤにも載っていないようであるが、「浜商前」を18:35に通過していくバスが、確かに存在しているのだろう」。

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*2000年09月30日:起源について


 ニフのFCLAの深夜RT(いわゆるチャット)で、もう長いこと“わたって”いない。

 “わたる”というのは、FCLA(の主として深夜RT族)でのみ通用する、ジャーゴン(仲間ことば)であり、一言で言えば、RTをしている最中に“居眠り”してしまうことである。

 この、誰もが(なにしろ深夜なのだから)やらかしかねない行為に、「わたる」という動詞が与えられたのは、かつての私(FCLAでのハンドル名は「わたる」)が、実にしばしば、居眠りしていたからである。1分10円の時代に、朝まで5時間居眠りしたときの(魂と財布への)衝撃は筆舌に尽くしがたく、従って、それを繰り返した馬鹿者英雄に対して当然払われるべき敬意として、「わたる」という動詞が作られたのであるが..月に2000円で使い放題となってしまったこんにちでは、この行為自体が無意味になってしまった。だから“わたらなくなってしまった”というわけでもないのだが..

 まぁ、それはさておき、先日の深夜RTで、比較的新参の(といっても、FCLAに入会してから数年は経っている筈だが、いわゆる古株ではない)B嬢に、「わたるさんのハンドル名の由来は、いつも“わたってしまう”からなの?」、と、訊かれてしまった [;^J^]。

 かくして、「わたる」は“神話”となったのである。

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*2000年10月01日:「イギリス・フランス近代名画展」


 朝の9時に担当者がやってきたので、国勢調査の(記入済みの)調査票を渡す。(基本的に夜は外出(か残業)していて都合が悪いので、この時間に取りに来るよう、頼んでおいたのであった。)調査票に「収入欄」が無いのは、ちょっと意外でした。

 昼前に自宅を出て、浜松市美術館へ。「イギリス・フランス近代名画展」(英国アバディーン美術館所蔵)である。なかなか結構。特に、ビクトリア朝の風俗画、普段あまり観る機会の無いスコットランドの美術など。もちろん、ラファエル前派も。一点だけあげると、エドウィン・ランドシーアの「山岳地方の洪水」の、ほとんど神話的なロマンチシズムが、感銘深かった。洪水自体というよりは、その洪水によって屋根の上に追い上げられた一家と(実に32匹もの)動物たちの、恐怖と不安に焦点を絞っており、(私好みの概念だが)“閉塞小宇宙”を現出させているのである。

 14時から館内の講座室で、千足伸行氏による「近代絵画における自然と人間〜イギリスとフランス〜」という講演を聴講。看板とは異なり、ほとんど近代イギリス美術に関する、肩の凝らない話であった。

 「ビクトリア朝の絵画をはじめとする多くのイギリス絵画は、特に革新的だったわけでもなく、今となってはあるいは古いかも知れないが、当時の大衆が支えた絵であり、その価値は再認識されなければならない」、という論点には、全く同感である。

 しかしもちろん、真に偉大で、真に革新的な画家たちも、イギリスにはいるのであるが..ターナーですら(日本では)マイナーなのだという千足氏の指摘は、ほとんど信じられないものであった。ターナーは、19世紀最大の画家のひとりではないのか!?(コンスタブルがマイナーだ、というのは、わからないでもないが。)そして、ウィリアム・ブレイク。日本では、英文学者ですら(英文学者だからこそ?)“ブレイクが画家だ”ということを、知らないのだと言う!(もちろん彼らは、ブレイクが偉大な詩人だということは、知っているのだが。)

 さらに、クノップフ。もちろん、クノップフはベルギーの画家であり、千足氏は“(日本における)マイナー”つながりで、クノップフに言及したのであるが、「一部には熱狂的なファンがいるのですが..」、と、何故かクノップフにだけ、接頭辞が付いた。[;^.^]

 まぁ確かに、「死都ブリュージュ」の、あのビジョンは、けっしてメジャーになって欲しくない。私(たち)だけの、マイナー・ポエットでいて欲しい..これは、前世紀の世紀末の、病と幻想に憑かれた者どもの、正直な想いではあるわなぁ..


 大衆はブタだ!印象派でも観てればいいんじゃ! ケケッ

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*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Oct 4 2000 
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