*1998年11月30日:iMacのデザイン感覚
*1998年12月01日:水木しげるの「サイボーグ」
*1998年12月02日:「“怪談入門”読破リスト」更新
*1998年12月03日:yahooの威力
*1998年12月04日:とあるセルフのガスステーション
*1998年12月05日:ただより高い携帯電話
*1998年12月06日:学生時代のバイトの想い出 その一
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*1998年11月30日:iMacのデザイン感覚


 iMacを、初めて見た。同じ工場に移動してきた他部署が、備品として持ってきたのである。

 う〜〜ん、このデザイン..最悪でないかい? [;^J^]

 フォルムは、まぁいい。透けているのも(留保付きだが)オッケーだ。我慢ならないのは、正面から見た時の面構え。あの、びんぼ臭い波板を思わせる材質。

 びんぼ臭いというより..オモチャっぽいというか..そう、つまり、ビスケットのケースの内装なのだ。高級志向とは無縁の領域でヒットしている、ということが、理解できた。案外、このあたりのキッチュな感覚が共感を呼んでいるのかも知れない。

 iMacは、横、あるいは後から見た時のデザインに、力点が置かれている。アメリカンな発想である。日本人はコンピューターを壁際に設置するので、前から見た時の姿が、もっとも重要になる。ま、把っ手も付いてるし、コタツトップでも使えないことはない。(それにしては大きすぎるが。)

 「透けているのが(留保付きで)オッケー」という“留保”の理由だが、これはつまり、透けている“意味”がないからだ。真空管とは言わないが、せめてLEDをチカチカさせることは出来なかったのか。内部が見える、という発想は悪くないが、肝心要の内臓が、いかにも散文的であり、ファンタジーに欠ける。ロビーやキカイダーには、遠く及ばなかった。

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*1998年12月01日:水木しげるの「サイボーグ」


 「水木しげる 貸本モダンホラー」が、上下2巻で、太田出版から出ている。例のQJマンガ選書の一環である。私は何故か、水木しげるの単行本を手放しているケースが多く、その後サンコミなどの相場が跳ね上がってしまい、買い直すことも出来なかったのだ。こういう企画は大歓迎である。

 上巻は「翻案物」が中心。例えば「草」は、ブラックウッドの「」を下敷きにしていることが、読み始めてすぐに判るのだが、実にうまく舞台を“日本の秘境”に移し替えている。他の諸作品も、原作とは確かに異なる存在価値を主張できるものが多い。

 そして、今日購入した下巻の白眉は、なんといっても「サイボーグ」という短編である。ストーリーは単純。人類の尖兵として宇宙開発に身を捧げるために、自らサイボーグ手術を受けた青年の、悔恨の物語。その、全く奇怪で非人間的なフォルム。そして、自らの意志で怪物のごとき姿になってしまった青年を前にしての、母親の嘆きの涙が、深い感銘を残す。忘れ難い佳品である。

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*1998年12月02日:「“怪談入門”読破リスト」更新


 「湖上の怪物」の感想を追加して、ひっさびさに「“怪談入門”読破リスト」を更新。

 おやおや。kaidan.gz(「“怪談入門”読破リスト」の全テクストを1ファイル(JISコード+UNIX式改行コード)にまとめて、gzipで圧縮したもの)も、これに伴って更新したのだが、これをダウンロードすると“化ける”。怪談だから、無理も無いが(違うちがう [;^.^])。

 まぁ、夜も更けている(というか、朝が近い)し、解明は明日明日。LHAで圧縮した kaidan.lzh は異常無しなので、緊急事態ではない。どうせどこかの設定間違いだ。

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*1998年12月03日:yahooの威力


 毎週木曜日に、ヒット数のピークが来る。水曜日の深夜に「廃墟通信」を更新するからだ。

 ..にしても、今日のアクセス数は明らかに異常。早朝6時には、通常の木曜日の1日分を遥かに越えるヒット数が、既に記録されていた。

 また、誰かが(無意味な連続アクセスで)悪戯しているな、と、舌打ちしながらログをチェックしてみたら..連続アクセスではない。ほぼ全てが、バラバラのアクセスポイントからの(有意な)アクセスである。

 ..思い出した。http://www.yahoo.co.jp/new/ だ。「12月3日に、『倉田わたるのミクロコスモス』を“本日のお薦め”欄で紹介する」という連絡メールを、数日前にスタッフから頂いていたんだった。

 正直いって、たいして気にも留めていなかったのだが..感心してしまった。こういう「お薦めページ」から「お薦めURL」をクリックする人って、やはり大勢いるわけだ。私自身はそういうことを全くしないだけに、目から鱗が落ちた。

 結局、上記ページの「“本日のお薦め”欄」が12月4日分に切り替わって、『倉田わたるのミクロコスモス』の紹介が消えるまでの24時間の間に、この欄からジャンプして来たと推測されるヒット数は、約1800。心覚えに記しておく。

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*1998年12月04日:とあるセルフのガスステーション


 浜松市内、東名高速の「浜松西インター」へ向かう道の、インター直前の約700メートルの区間に、ガスステーション(ガソリンスタンド)が6軒あった。そのうち2軒は、ここ数ヶ月(1年以内)の間に潰れてしまったが、こんなのは、不況のせいというより単に過当競争だったからとしか言いようがない。資本主義の健全な顕れである。

 そのうち1軒の跡地を何やら工事していると思っていたら、セルフサービスのガスステーションとして新装開店した。これも時代だ。結構なことである。

 問題は価格だ。「レギュラー87円/リットル」では、論外である。そこから700メートル先の店で、その値段で店員がガソリンを入れてるっつーの。せめて直近の商売敵のリサーチくらいしろってば。

 ま、私自身は自分でガソリンを入れたことはないし、面白そうなので、一度は利用してみるつもりだけどね。

 kaidan.gz が化けていた件、解決。サーバー側の設定の問題だった由。昔はそもそも問題がなかったはずなので、サーバーのアップグレードや設定変更を繰り返しているうちに、いつしか壊れていたのだろう。こういうのは、なかなか追跡しきれない。

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*1998年12月05日:ただより高い携帯電話


 H書店(Hな書店にあらず)で本を買ったら、スクラッチ籤をくれた。3箇所のうち、どこか一箇所だけ削れ(2箇所以上削ったら失格という、射幸心煽りモード)というので、右端を削ってみたら、見事特賞。大喜びして景品を確かめてみたら..「携帯電話+図書券6000円分、100名様(お申し込み頂いた方)」。ちなみに1等賞は「携帯電話+図書券3000円分、200名様(お申し込み頂いた方)」。この携帯電話は42000円相当らしいが、機種不明。

 PHSをただで配っているのは知っていたが、携帯もそうだったのか。しかし6000円では、3ヶ月と持たずに基本料金で足が出る。(7ヶ月間は解約できない、と書かれている。)この当たり籤は、ごみ箱行き。

 破り捨てる前に残り2箇所も削ってみたら、「特賞」と「外れ」。2/3の確率で特賞なのである。何がなんでも特賞を押し付けようという気迫が、心地よい。

 大体、私の生活スタイルでは、携帯もPHSも不要なのだ。東京などに出かける時も、グレ電で問題ない。強いて喫茶店に座ったままアクセスしなければならない理由がない。それにPHSと違って、携帯は遅い。(データ通信のことしか考えていない奴。[;^J^])

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*1998年12月06日:学生時代のバイトの想い出 その一


 学生のアルバイトと言えば、家庭教師や塾の講師がメジャーなところだろうが、私はこれらをやったことがない..というか、そもそもアルバイトの経験自体が、ごく乏しい。少なくとも学期中は、そんな暇がなかったのだ。

 学生がもっとも暇なのは、学年の端境期である春休みである。この時ばかりは(実家に帰省していた)私も、実家の近くでアルバイトをしていた。

 確か大学の1年生か2年生の頃、最初に手がけたアルバイトが、「味噌の訪問販売」であった。朝早く、味噌の卸し問屋に出かけ、そこで5〜6名ずつの班に分けられ、それぞれ味噌と共にライトバンに乗り込んで、これと目をつけたスポット(主として住宅街)に乗り付け、ライトバンを前線基地とし、試食品を持って近所の住宅をしらみつぶしに訪問しては、売り込むのである。商談が成立すれば、ライトバンから商品を届ける。販売金額に比例した歩合を、各人は受け取る。メインの商品は味噌だが、漬物も売る。私はグルメではないが、これらは確かに美味いものであった。我々は、商品に自信と誇りを持っていた。

 1978年か79年頃のことだったと思う。今でも、こういう商法は成立するのだろうか? 得体の知れない学生が、一般家庭に食品のサンプルを持ち込んで「試食させる」のである。今の物騒な世相では、拒絶されるのではあるまいか?(スーパーやデパートの食品売り場で試食するのとは、全く状況が異なるのだ。)

 なんにせよ、このアルバイトを通じて私が得た財産は、「私には営業的センスが全くない!」という、知識であった。[;^J^] とにかくまぁ、毎日毎日、呆れるほど売れなかった。手取りの歩合給は、500円に届かない日の方が多かったと思う。「1500円」稼いだ時には思わず舞い上がって、仲間2人と(背伸びして)呑み屋に入って祝杯をあげ、(当然)1500円以上飲みつぶした挙げ句、呑み屋の外の公園のごみ箱に“血反吐”を吐いたことを、よーく憶えている。[;^J^](呑み屋のトイレで、食物から胃液に至るまで、吐き尽くしていたのだった。[;^.^])

 それでも、数週間は勤めていた(もしかすると、次の年の春休みも勤めたかも知れない)のは、大学や自宅では得られない、面白い経験が出来たからである。とにかく、訪問販売というのは、他人の日常生活(家庭生活)に、ずかずかと入り込むものなのであって、必ずしもプライバシーを侵害するわけではないが、本を読んでいるだけでは想像も出来なかった「生活」や「考え方」の多彩さに、触れることが出来たのだ。

 いまでも良く憶えているのは、とあるオバサンの言葉である。

 高級住宅街は、我々の守備範囲ではない。ごく普通の住宅街や商店街を攻めていた。そんな、ごく中流と思しき住宅を訪問して、その家の主婦に、熱心に味噌と漬物を売り込んでいたのだが..


「..だって、お漬物って、お品(ひん)がよろしくないじゃない?」

 ....

 嫌いだ、というのなら、解る。珍しくも無い。しかし、漬物が「お品(ひん)がよろしくない」と口走る可能性があるのは、年収(最低でも)30億以上の成り金か、旧華族(あるいはそれに準ずる階級)のなれの果て位のものではあるまいか? 私はそう思っていた。少女漫画ならぬ現実界で、本当にこういう言葉を聞くことが出来るとは、夢にも思わなかった。

 私は、数秒間、彼女の顔を惚けたように眺めてから、一礼して辞去したのであった。

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*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Dec 9 1998 
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