ユニコ(小学一年生版):第36話

 友達の自慢する、腕時計TV。いつもくっついているTVが欲しいというS男に、ユニコは、犬のように四つ足でついてくるTVを作ってあげる。..が、次第にTVは増長し、大音声を張り上げて、町中で大騒ぎ。

 もてあましたS男は、走り去るトラックの中に、TVを捨ててしまう。..犬のようにドロンコになって帰ってきたTVは、やかましい子どもを大勢つれていた。ユニコとS男は、TVたちを宇宙飛行場のパイロットのところへ連れてゆき、どこかの星へ連れてってやってくれ、と頼む。お別れにE.T.のお面を一同にかぶせ、

ユニコ「にんげんだったら、よかったのにねえ」
S男 「もう、コマーシャルはいいってば」

 ワンアイデアのショートショートだが、“野良TV”が愉快な、ちょっとした佳作である。


(文中、引用は、小学一年生 1983年5月号より)


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: May 28 1998 
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