クラインの壺

 多産の夫婦の悩み。薬、道具、手術、書籍、何に頼っても、子どもがポコポコ出来てしまうのである。

 マッドサイエンティスト登場。彼は研究所で、夫にクラインの壼の説明をし、そこへ滞納している税金を取りたてにやってきた国税庁の役人を、クラインの壼に放り込んで、四次元に送り出してしまう。博士のアイデアとは..子宮の形状はクラインの壼に似ているから、手術をして“クライン化”し、出来た子どもを四次元に放り出してしまおうというものなのである!

 夫は博士に依頼して、妻の子宮を“クライン化”するが、その夜、四次元に送り出されたのは、夫のペニスであった。博士は弁償として、クラインの壼の権利を彼に譲る。

 究極の不妊手術である。彼はたちまち大金持ち。厚生大臣の依頼で人間の腸も“クライン化”することに成功し、これで人間は皆、トイレにいかなくても済むようになった。

 ノーベル賞も貰って得意満面、女を作りまくる彼。妻は腹いせに壼に飛び込み、四次元世界から、放り込んだ物を送り返し始める。

 まず、彼のペニス。次に、国税庁の役人。10億人の赤ん坊。そして、水洗トイレのような音が..!?

 星新一の「おーい でてこーい」で、先に使われていたアイデア。ペニスをなくした身で女を作っても、仕方が無いと思うが。[;^J^]


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: May 2 1997 
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