ガムガムパンチ:(無題)

 ぱんちとぴんこは、兄妹である。ぱんちはがむを道に吐き捨てるが、ぴんこは、それを叱る。がむやさんはぴんこを誉めて、御褒美にがむをくれる。ぱんちとぴんこは、それを半分こ。そのがむを膨らましたら、それぞれ、馬の前半身と後ろ半身ができた。魔法のがむだったのだ。

 その馬をくっつけて乗るが、うしろ半身がちぎれたり、改めてがむを膨らましたら、今度はスポーツカーの後ろ半分が出来て、それを馬の前半身とくっつけたり。道行く人はびっくり仰天。

 暴走ダンプを止めるために、がむで怪獣を作って押さえこませるが、怪獣はがむにもどり、あたり一面ぐちゃぐちゃに。

 ガムガムパンチには、三系統ある。

*1967年4月〜1968年3月まで、小学一年生に、引き続き、1968年4月〜1968年12月まで、小学二年生に連載されたもの
*1967年5月〜1968年3月まで、小学二年生に連載されたもの
*1968年4月〜1969年3月まで、小学一年生に、引き続き、1969年4月〜1969年9月まで、小学二年生に連載されたもの

 (複数年度にまたがる学年誌の連載を追うのは、結構厄介なのだ。[;^J^])全集に収録されているのは、第一系統の後半の小学二年生掲載分と、第三系統(の、計27本中、22本)である。このエピソードは、第一系統の最初のもの、すなわち、がむがむぱんちの劈頭のお話である。なんでも作れる魔法のがむ。しかしそれには時限があって、いずれはがむに戻る。主人公の少年はがむを無駄使いする。これらの基本要素が手際良く紹介されている。

 なお、連載が進むにつれて、ぱんちとぴんこが、いつのまにかパンチとピンコ(片仮名)になったりするが、細かいことは気にしないこと。


*「手塚治虫作品集6 児童まんが1」(文民社)
*「ほるぷ版 手塚治虫選集16」(ほるぷ出版)


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Sep 12 1996 
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