*2022年06月06日:幻想美術選「魔女の集会」ゴヤ
*2022年06月07日:6〜7月の展覧会観覧予定
*2022年06月08日:平安神宮/鏑木清方展
*2022年06月09日:忘れてた [;_ _]
*2022年06月10日:人間ドック 2022
*2022年06月11日:「この地獄の片隅に」
*2022年06月12日:火曜The NIGHT お笑い賞レース出場アイドル編
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*2022年06月06日:幻想美術選「魔女の集会」ゴヤ


 「幻想美術選」も、第296回。300回を目前にして、初の試みを行うことにする。これまでは、同じ画家の作品を採り上げる場合、おおむね半年程度のインターバルを置いていたのだが、これから3回連続で、同じ画家の、しかも同じ画題の作品を、採り上げることとする。

 画家は「ゴヤ」。画題は「魔女」である。西洋絵画史上最高傑作レベルの「魔女画」を、3回連続で観ていただこう。

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「魔女の集会」(ゴヤ、1794〜95年頃)

 サバトと言えば、この絵を思い出す人も多いのではあるまいか。オスーナ公夫妻のために描かれた、魔女を主題にした6枚の作品の内の1枚であり、ゴヤが、それまでのどちらかと言えば明るく楽天的な世界から、暗黒の幻想の渦巻く世界に踏み入れることとなる、もっとも初期の作例である。

 線も形態も色調も、まだ「闇落ち」しきっては、いない。しかし、晩年の、あの「黒い絵」へのベクトルは、既にはっきりと見えている。

 星の数ほどもある「サバト画」の中でも、とりわけ魅力的なタブローである。その秘密は、山羊の姿をしたバフォメットを中心としたシンプルな構図や、魔女たちの生活感やリアリティもさることながら、やはり、この「光」と「ロケーション」にあるだろうか。三日月がこんな場所にあるということは、やはり薄暮なのだろうが、サバトはそもそも、真夜中から夜明けにかけて行われるはず。この勝手な [;^J^] 設定変更が効いているような気もする。

 リビングルームに似合う、スタイリッシュなサバト画である(ほんとかよ [;^.^])。

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*2022年06月07日:6〜7月の展覧会観覧予定


 7月が、要注意である。FCLA夏オフの準備と、横浜の家の改築準備(業者選定)のために、休日をかなり割かなくてはならないはずだからだ。

*京都国立近代美術館
 「没後50年 鏑木清方展
 〜7月10日(日)まで

*岡田美術館
 「花鳥風月 名画で見る日本の四季 琳派・浮世絵から御舟・一村まで
 前期:〜7月10日(日)まで
 後期:7月16日(土)〜12月18日(日)まで

*アーツ千代田3331
 「萩尾望都SF原画展
 7月9日(土)〜7月24日(日)まで

*すみだ北斎美術館
 「北斎 百鬼見参
 前期:6月21日(火)〜7月24日(日)まで
 後期:7月26日(火)〜8月28日(日)まで

*静岡市美術館
 「ボストン美術館所蔵 THE HEROES 刀剣×浮世絵 −武者たちの物語
 7月2日(土)〜8月28日(日)まで

*国立西洋美術館
 「自然と人のダイアローグ展
 〜9月11日(日)まで

*大阪市立美術館
 「ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展
 7月16日(土)〜9月25日(日)まで

*東京都美術館
 「ボストン美術館展 芸術×力
 7月23日(土)〜10月2日(日)まで

 鏑木清方展は、明日(6月8日)と7月6日の2回、訪れることによって、展示替えのパズルを解いて、本展覧会で展示されるほぼ全作品をクリアできるという寸法である。[^.^]

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*2022年06月08日:平安神宮/鏑木清方展


 快晴。不就労日。今日は日帰り京都である。5:30に出て(始発バスが動き出す前に)徒歩で浜松駅へ。6:32のこだまで、7:55、京都。市バスで平安神宮前のバス停に着いたのが、8:34。8:45、平安神宮の神苑。

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 まったくもって、久しぶりである。神苑の入口付近にある「日本最古の電車」は、なかなか好きな素材である。



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 花菖蒲の池。レンズは 24-120mm なのだが、やはり素直に 28-300mm も持ってくるべきだったかなぁ。



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 曇天というわけでもないのだが雲が多い。たまにしか届かない陽光をとらえて、DXクロップで けなげに 懸命に引き寄せる。[;^.^]



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 蓮の満開は9時頃までなので、早くもつぼみに戻りつつある。

 右端の写真は、地上の建造物の細部の描写と雲の陰影を両立させたかったので、HDR合成を使っている。

 説明しよう! 地上が暗くて空が明るい場合には、地上の建物や森林が黒つぶれしないように露出を明るくすると、空がのっぺりと真っ白になり、雲などは見えなくなってしまう。逆に、雲の表情がわかる程度に暗くすると、こんどは地上が真っ暗につぶれてしまう。これを解消するためには、空は暗い露出で、地上は明るい露出で撮って、合成すればいい..思わず突っ込まざるを得ないベッタベタな発想であるが [;^.^]、既に存在している技術なんだから仕方がない [;^J^]。PCのソフトでも可能であるが、ニコンの(ハイクラスの)デジカメは、この機能を内蔵している。(他社のにもあると思うが、私は使っていないので知らない。)

 使いこなしの難しい点は、(短いインターバルで自動的に)2回撮影して合成するので、「普通に手ブレする」ことである [;^J^]。取扱説明書には、「三脚を使え」と、当たり前の注意が書かれているのだが、あえて手持ちでトライする私の性格はなんとかならんか [;^.^]。20枚近く撮影して、まずまず手ブレしていない3〜4枚の中から、一番マシな奴を選んで掲載したという次第である。[^.^][;^.^]



  天気はゆっくりと下り坂で、このあと雲が厚くなる一方と思われるし、あとの予定もあるので10:00で打ち切り、退出。10:05、歩いてすぐの京都国立近代美術館。「没後50年 鏑木清方展」(〜7月10日(日)まで)の、1回目の観覧である。

 「1章 木挽町紫陽花舎・東京下町にて(明治)」

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 左図、「深沙大王」は、泉鏡花の戯曲の絵看板。背後をゆくこの世ならざる者たちが、印象的。「曲亭馬琴」は公募展覧会で落選した作品だが、私は、素晴らしいと思う。



 「2章 本郷龍岡町・金沢游心庵にて(大正)」

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 左から。「薄雪」は、近松の浄瑠璃『冥途の飛脚』に取材した作品。女性が本当に美しい。「ためさるゝ日」は、長崎丸山で毎年一月十五日に行われていた遊女の宗門改め(絵踏み)に取材した作品。豪華な出で立ちからも察せられるように、既に形骸化した(祝祭的な)行事だったようだ。

 「微酔」の色っぽさ [*^.^*]。「桜姫」も同じく。



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 左2点は、「道成寺(山づくし)鷺娘」。歌舞伎演目の『京鹿子娘道成寺』と『鷺娘』に取材しており、左隻では綿帽子を被った女が白無垢の袖に手を隠して、鳥の羽のように見せており、右隻では撥を持つ手を狐のように丸めて身を反らしている。いずれも、異界の者が恋の妄執にとらわれているさまを、実に妖しく美しく描いている。

 8図よりなる「雨月物語」からは、最終図「蛇身」を。[^.^]



 「3章 牛込矢来町夜蕾亭にて(昭和戦前)」

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 左から、「築地明石町」「新富町」「浜町河岸」。この三部作の同時公開が、本展覧会の目玉である! まさに理想的な、ほとんど究極的と言ってしまいたくなる、美人図! いずれも、微かに描かれている背景との(時間的・時代的距離感も含めての)響き合いが、まさに絶妙である。



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 すみませんねぇ、美人画ばかりで [;^J^]。左図、「明治時世粧」は、右の女性の着物のグラデーションが美しい。中図、「たけくらべの美登利」、右図、「いでゆの春雨」ともども、まったく何をかいわんや。[*^.^*]



 「4章 鎌倉、終の棲家にて(昭和戦後)」

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 左図、「小説家と挿絵画家」。対面している左は、清方自身。右は泉鏡花..この激似ぶりに、私はもう、私はもう、おなかいっぱいで悶絶してしまう..[;^.^][;^.^][;^.^]

 右図、「十一月の雨」..太田裕美は「九月の雨」だったかな(そういうのはいいから [;^.^])。実はこの展覧会のテーマ(のひとつ)は、「清方といえば美人画!」、という通念に対する異議申し立てであり、いわゆる美人画以外の作品もいろいろ展示されているのだが、ふりかえってみたら、図録からスキャンしてご紹介している作品の大部分は「清方ならではの美人画」..[;_ _] これはもう私の嗜好(単なる美人好き [;_ _][;^.^])の問題にほかならないのだが [;^J^]、せめてバランスを取るために、と、この細やかで暖かい生活風俗画をご紹介する次第。1955年(昭和30年)の作品だが、描かれているのは、古き良き明治の下町風景である。



 図録の劈頭の「鏑木清方 生活を描いた画家」(鶴見香織)から、最終パラグラフを引用しておこう。


 清方芸術のいちばん大きな柱は生活だとこの小文の最初に言った。今さらではあるけれど、なにも取り立てて長々と述べたてることでもない。清方の文章をひもとけば、大抵のことはそこに書いてあるからだ。

 たとえば美人画について。「人の絵を描くに、手とか足とかを、あげたり、枉(ま)げたりしてゐる人間の形が美しいと思ふが、自分の感興は形よりも季節を人間に感じて、季節と人間との間に、自然と融合されて来た何かの美しい感覚によつて、大抵の場合は絵を作つてゐる」

 たとえば風景画について。「風景画に向ふ時は、何か窮屈な家の中をはなれて、ほんたうの野びろいところへ出たやうな気がする。殊に生活をもつ風景に接する時、今の私は一ばん生き生きした制作慾を感ずるのである。風景と云つても、人間の生活の伴なはない風景は、私には死物のやうに冷かで親しみにくい、だから山水画家の境地に到らうとは少しも願つては居らぬ」

 たとえば肖像画について。「文字に依らざる伝記として、一箇実在の人間を写すことに興味を感じて来た(略)従来の肖像画の形式でもよいから、それに伝記を含ませたい、言ふ心は単なる似顔絵に終らず、画かれた人物の性格から生活に徹したい」

 つまり、清方はさまざまな文章において、どんなジャンルだろうと究極のところ、彼が関心をもつのは生活なのだとはっきりと述べている。そして市井の人々の生活の細部にあたたかな目を注ぎ、その世界を市井の人々と分かち合うことを喜びとした。

 そろそろ清方を「生活を描いた画家」として推してはどうだろうか。


 11:45に会場を出て、1Fのcafe de 505。30分弱待って、カレーパスタ。12:50から13:30まで、コレクション展を観覧。

 4Fのコレクション・ギャラリー内で開催されている「MONDO 映画ポスターアートの最前線」(〜7月18日(月・祝)まで)が、面白い。映画のオリジナルのポスターではなく、その映画にインスパイアされて新規に作成されたポスターたち。元のポスターの印象に近いものもあるが、「あ、そのシーンを切り取るか」「あ、その角度(視点)ね」、という、ひとひねりしたものが多数ある。タイトルを見ずにポスターだけ見て作品名を当てるというゲームが、お薦めである。[^J^]

 美術館前のバス停から13:35のバスで、14:00過ぎに京都駅。走れば、14:10のこだまに飛び乗ることも不可能ではなかったが、そこまで急ぐ理由もないので、余裕をもって、15:08のひかり。

 それにしても、さすがは平日。京都駅の待合室でも新幹線の車中でも、ビジネスマンたちがPCで仕事をしまくっているが、君たち、セキュリティ教育を受けてないのか? せめて、覗き見防止フィルターぐらい、使えよ。目のやり場に困るんですけど..[;^.^]凸

 16:13、浜松。17:19、帰宅。

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*2022年06月09日:忘れてた [;_ _]


 朝は快晴。夕方にはにわか雨の可能性があるらしいが、自転車出勤。(結局、降らなかった。)

 明日、人間ドックなのだが、KB(婉曲表現)を採取するのを忘れてた [;_ _]。昨日も今日も普通に食事をしているのだから、明朝には取れると期待するしかない..[;_ _]

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*2022年06月10日:人間ドック 2022


 4:30起床。(これでも遅い方なのである。[;^.^])KBはまだ採取できそうもない。7:30に自宅を発って人間ドックに向かうので、それまでに取れればいいのだが..(牛乳を飲めばなんとかなりそうだが、冷水も牛乳も飲むわけにいかないし..[;_ _])

 昨夜の21時から23時にかけての録画が3本、失敗していた。原因不明。試しに直近の番組を予約録画してみたが、問題ない。機器の故障ではなさそうだ。この時間帯にファームウェアの自動アップデートでもあったのかなぁ..ロストした3本は、いずれも、再放送でリカバーできるか、あるいは、録れてなくてもさほど惜しくはない番組だったので、被害自体は軽微なのだが..

 7:30。結局KBは採取できず [;_ _]、諦めて、聖隷予防検診センターに、8:20着。「事前に指示されているKBを持ってこないなんて、そんな不真面目な受診態度の奴には人間ドックを受ける資格などないっ、帰れっ!!」、と、受付のお姉さま方に蹴りだされるかとびくびくしていたのだがもちろんそんなことはなく [;^.^]、後日提出でよいとのこと。やれやれ。

 まぁ、例年通りのそれなりの結果なのであるが [;^J^]、興味深かったのは、腹部CTスキャンである。去年の結果に比べて、内臓脂肪がかなり●えているのだが [;_ _]、皮下脂肪がそれ以上に減っており、プラマイゼロどころかマイナスなのである。

 内臓脂肪(中性脂肪)が増えているのは、もちろん悪い報せであるが、有酸素運動などで減らしやすいのは内臓脂肪、なかなか減らないのが皮下脂肪、と認識している..つまり、事態は大幅に改善しているのである!\[^O^]/(ほんとかよ。[;^.^])

 16:00、終了。17:05、帰宅。

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*2022年06月11日:「この地獄の片隅に」


 昼前にようやく、2日遅れで廃墟通信更新。[;_ _]

 この地獄の片隅に パワードスーツSF傑作選」(John Joseph Adams 編、中原尚哉訳、創元SF文庫)、読了。以下、簡単にご紹介するが、インプレがネタバレになりそうな作品や、アーマー(パワードスーツ)が脇役に過ぎない作品は、省く。

 「この地獄の片隅に」(ジャック・キャンベル)−異星での戦闘。将軍の無謀な指令により、小隊は全滅する。生き残りの隊員に糾弾された将軍が、装着していたアーマーのフルフェイスバイザーを外した時..「アーマーの恋の物語」(デヴィッド・バー・カートリー)−軽妙な艶笑コメディ。「ケリー盗賊団の最期」(デイヴィッド・D.レヴァイン)−蒸気駆動のアーマー。「外傷ポッド」(アレステア・レナルズ)−意識/主体をアーマーに乗っ取られる。このパターンの作品は、本アンソロジーにいくつか収録されている。「ドン・キホーテ」(キャリー・ヴォーン)−第二次世界大戦の直前のスペイン。フランコ軍を蹂躙してゆく、超強力なアーマー(ほとんど巨大戦車)が発明されたが..「天国と地獄の星」(サイモン・R.グリーン)−地獄のような環境に順応していくという、類例多数のパターンだが、それなりに面白い。「所有権の移転」(クリスティ・ヤント)−これもアーマーに(全ての)主導権を奪われるというパターン。考えてみれば、実に恐ろしい状況である。「猫のパジャマ」(ジャック・マクデヴィット)−アーマーが主役とは言えないのだがそんなことはどうでもよろしい、なかなか魅力的な、宇宙での猫救出SF。[;^.^]

 リフォーム業者Bから、図面ができたとの電話。6月15日の10:00に、鶴ヶ峰の家。さてさて、毎週(どころか場合によっては週2)、浜松 ⇔ 横浜往復のサイクルに入ってまいりました。[;^.^]

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*2022年06月12日:火曜The NIGHT お笑い賞レース出場アイドル編


 AbemaTV の深夜24時からの「The NIGHT」シリーズ(Wikipedia)。私が観ているのは、矢口真理がMC(岡野陽一がアシスタント)を担当する「火曜The NIGHT」のみである。さまざまなアイドル(メジャーなアイドルからご当地アイドルから地下アイドルまで)をゲストとして呼ぶトークバラエティであり、既に280回(6年以上)続いているのだが、私がこの番組を「発見」したのは今年になってからで、AbemaTV でアベイラブルな過去3年分のアーカイブから、面白そうなものを数十本、拾い見している(← イマココ)。

 6月7日に放映され、2〜3日前にアーカイブで観た、最新の第280回のテーマは、「お笑い賞レースに出場した経験があるアイドル」であり、スタジオゲストはSKE48の福士奈央と、つぼみ大革命の恵梨華。どちらも存じ上げていませんでしたが [;_ _]、アイドルの余技どころではない、本格的な女芸人として二束の草鞋を履いている由。

 恵梨華は「美容室」というネタを(全9人のグループである「つぼみ大革命」の舞台のVTRとして)披露し、福士奈央は「辛口系アイドル スパイシー」というネタを、生放送で披露した。これがどちらも実に素晴らしく、また、ふたりによる「明日があるさ」のフルコーラス(の演出)が、思いがけず面白く、ほとんど感動的と言っていいほどで、驚いた。

 自宅作業のBGVとして、結構ヘビロテしていることを、白状しておく。[;_ _][;^J^]

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*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Jun 17 2022
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