*2022年04月18日:幻想美術選「眼のある風景」靉光
*2022年04月19日:見えないものの影
*2022年04月20日:藤棚など
*2022年04月21日:D850のこと
*2022年04月22日:珍しい忘れもの
*2022年04月23日:フラワーパーク/ZOOMで同窓会 [;^.^]
*2022年04月24日:藤田美術館について
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*2022年04月18日:幻想美術選「眼のある風景」靉光


 「幻想美術選」、第291回。日本の「シュルレアリスム絵画」としては、もっとも有名な作品である。あなたも、美術の教科書か副読本で見たことがあるのではないだろうか。

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「眼のある風景」(靉光、1938年)

 僅か38歳で夭折した靉光(1907〜1946)の作品数は、従って、多くはない。その全てが傑作であるなどというつもりはないが、しかしアベレージと密度は高いと思えるのは、あるいは贔屓目だろうか..(Wikipedia画像検索結果

 いっけん、タイトルどおりの「風景画」のようであるが、しかし「山」とも「岩」とも見える赤褐色の量塊の「素材/発想源」は、おそらく自然の情景ではない。この作品に先行する「ライオン」の連作があり、それらにおいては獣の肉体(獅子の四肢)は視認しにくく、周囲との境界も定かでない異様な「マス」の中に見え隠れしていたのだが、どうやらそれらを起源に持つように見える..つまり、混沌とした絵の具のうねりとしてここに描かれている「塊」は、なにかの生命体(あるいは屍体)が変容したものなのではあるまいか..

 そして言うまでもなく、この「眼」だ! この「眼」の意味の作者からの説明はないし、決定的な解釈も存在しないようであるが、シュルレアリスム絵画の中でこの「眼のある風景」の類例を探すのであれば、ダリというよりは、明らかにエルンスト。彼らの作風からのエコーは感じられなくもないが、この「眼」だけは、ダリ作品にもエルンスト作品にも、無いのである。もちろん彼らにも(時には大きな)「眼」を描いた作品は存在するのだが、この靉光作品の「眼」の強烈な存在感は、それらとは明らかに一線を画すものである。

 「暗澹たる時代の果てを見通す意志のシンボル」という評言を読んだこともある。あるいはそうなのかも知れないが、私は、「時代」に帰着させる解釈は(安易というつもりはないが [_ _])できれば取りたくない。なぜなら、その方法論を取れば、ほとんどなんでも説明できてしまうからである。

 ..といって、「(純粋)芸術至上主義」の(しばしば「意味」を探ることをも放棄する)立場を取るつもりもない。ひとりの画家の脳内の「幻想の王国」に突如出現し、君臨するこの「眼」は、「眼光」は、その王国から滲出してわれらの「幻想の王国」の奥底にまで届く..その「浸透力」を薄めることなく、呑み込みたいと思う。

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*2022年04月19日:見えないものの影


 (タイトルは小松左京の小説のパクリですが、なんの関係もありません。[;^J^])

 自転車出勤の途上、前を行く自動車が急に少しハンドルを切って、すぐに戻した..あたかも、動物の轢死体か何かをよけたかのごとく..後から走っていた私は、「見たくないな..」、と、少し緊張したが..

 ..しかし、何もない。その車が「よけた」空間には、何もなかったのである。一体、彼は何を「よけた」のだろうか..?

 彼にしかみえない、何かだったのだろうか? ..あるいは、

 私にだけみえない、何かだったのだろうか?

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*2022年04月20日:藤棚など


 不就労日。晴天だが車で街中に出て、9:00、N證券。アポしていたSさんとの面談である。先週の日記にも書いた「ライフプランシミュレーション」の修正分を、退職後の月々の支出予定を変化させつつ3パターン作っていただいたので、それについての詰めの質問。また、他の証券会社で行っている運用についてのサジェスチョンとか(仔細は略す)。

 当初の予定は(多分)1時間だったところを2時間近くも話し込んでしまったのは、しかし資産運用の話が盛り上がったからというよりは私のリタイア後の主たる支出予定についての質問をきっかけに国内の美術館めぐりの話とかSさんはずっと浜松在住で東京をほとんど知らないらしいので展覧会目当てで東京に行くのならとりあえずは上野一択駅から徒歩10分圏内に美術館と博物館がゴロゴロ次は六本木エリアさらに東京駅から至近距離にも素敵な美術館が5軒1年後にはリフォーム工事をしてる予定だが資材の価格高騰は諦めるとしてもそもそも手に入るのか書籍は当面1万冊なので特殊な書架が必要だが稀覯書を蒐集する趣味はないのでそうなると読書というのは実は金がかからないむしろ出費が嵩むのは旅行で国内旅費は年間**万円ぐらいは予算計上しておきたいが海外旅行にはこだわりはない私ら昭和世代の定年退職のイメージといえば豪華客船で世界一周だがもうそんな時代ではないし豪華客船といっても少なくともプレミアムかラグジュアリークラスでミニスイート以上の部屋にしなければ(つまり大枚はたかなければ)スペシャルな体験とは言い難いという噂カメラ観劇コンサート予算も年間**万円は確保しておきたい云々かんぬん云々かんぬんと1時間以上も喋りまくっていたような気が..[;_ _](想像がつく方もいらっしゃるとは思うが、私は興が乗ると話が止まらないのである。[;^.^](別に、Sさんが 美人(※1)女性だからというわけではない。[;^J^]))

※1 いまどきありえない昭和世代ならではの指の滑らせ方を晒しておくために、「削除」ではなく「打ち消し線」とする。[;_ _][;^.^]

 11:00前に退出して、11:15、いったん帰宅。またすぐに発って、富塚町のさわやかで、今日はハンバーグではなく、以前から気になっていた「梅しらす雑炊」。ふむ..これもなかなか美味いではないか。[^.^]

 そのまま、フラワーパークへ。12:25、着。

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 チューリップの群生はもう終わっている。蕊にピントを合わせるクセがあるのだが、良し悪しですね。花びらの一番手前のポイントに合わせる方がいいかな。右写真は地べたの花なのに、なんだか宇宙的なイメージになってしまって面白いので、載せておく。[;^J^]



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 被写体としての藤の「問題点」は、やたらと奥行きがあるので、わりと適当に撮っても「どこかにピントが合ってしまう」ことである [;^J^]。練習にならんというか。[;^.^]



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 ちなみに、今頃になってDXクロップの使い方を覚えたのである [;^J^]。詳述は略すが、要するに撮像範囲を狭めてその分画素数も落ちるという機能。これに一体なんのメリットがあるのか、理解できていなかったのである。もちろん「拡大」効果はあるのだがPCのRAW現像ソフトでトリミングする方が自由度は遥かに高いではないか..と。



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 使ってみてわかった。ファインダーに現れるガイド線の内側だけしか写らないので(つまり、写らないエリアも幅広く見えているので)、写り込んで欲しくないものを排除しながらの構図決めが、非常にやりやすいのである。画素数が落ちるといっても、5408×3600なので、まったく問題ない。(フルサイズなら、8256×5504。)



 ちなみに私にとって「藤棚」のイメージソース(理想形)は、もちろん、松井冬子の「世界中の子と友達になれる」画像検索結果)である [^J^]。縁起でもないって? 幻想者(もの)に訊く方が悪い [^.^]。なにしろ幻想者とは、「桜の樹」に対して脊髄反射で「屍体」と答える外道どもなのだからな [^.^]。ついでに言えば、このタブローに描かれている「藤」の下半分、影になっている部分は、蜂の群れである。おそらくは「スズメバチ」の..

 さらについでに言えば、世界最強(最凶)の昆虫は(異論はありうるが)「日本の」オオスズメバチである..と聞くと、なんか(無駄に)うれしい..[;^J^](男子はみんな、こんなもんだよね? ね? 女子と違って、死ぬまでガキだから。[;^.^])

 14:00過ぎに発ち、高丘のアマノ書店と富塚町の杏林堂に寄って、夕方までには帰宅。

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*2022年04月21日:D850のこと


 有休。曇天だが、予報によれば午後から降るらしい。車で出て、9:40に都田のカインズ。まな板を買って、10:20に湯風景しおり。昼前に出て、メイワン谷島屋など。小雨が降る中、15:00前に帰宅。

 D750の後継機としてD850を購入してから1年近く経つが、今頃になって、ニコン D850 完全ガイド」(インプレスムック DCM MOOK)を入手したのである [;^J^]。知らなかった機能や、その存在を知ってはいたものの手が回っていなかったのだがこれは是非とも使いこなさなければならない機能が、たくさんたくさん搭載されていることを改めて思い知らされ、分厚いマニュアルを最初のページから読み返し始めたところであるが..これがまた、読みにくくってさ。[;^.^]凸

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*2022年04月22日:珍しい忘れもの


 自転車で出勤するが、自宅から12分走った時点で、iPhone を忘れてきたことに気がついた。[;_ _]「1日ぐらい無くてもいいかも..[;_ _]」、と、一瞬考えはしたのだが、詩的 私的要件の電話がかかってくる可能性があるし、業務上使用しているアプリのライセンスの2段階認証に必要になるかもしれないので、素直に取りに帰った [;_ _]。往復25分のロスであるが、まぁそれでも、7:00前には会社に着いた。(始業時刻は8:30である。[;^J^])無駄に早く出社するクセをつけておくことによるリスクヘッジが云々 [;^.^]。出社時の45分サイクリングが70分サイクリングになってしまったが、朝っぱらから健康的で、まことに好ましいことである。[;^J^]

 私は、オフの日、あるいは会社からいったん帰宅してから、近所のスーパーなどに買い物にいくときに iPhone を忘れることはしょっちゅうあるのだが(12年以上も携帯しているというのに、身についていないというのが不思議で仕方がないのだが)、出勤時、あるいは東京静岡京都大阪などへの遠出や旅行時に、iPhone を持参し忘れたことは一度もなかったとまでは言わないにしても、過去12年間に2〜3回しかやらかさなかったはずなんだけどなぁ..(老化が本格的に進んできたからさ的な突っ込みをする奴らは出禁だ。[;^.^]凸)

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*2022年04月23日:フラワーパーク/ZOOMで同窓会 [;^.^]


 快晴とまでは言えないが、好天である。午前中、フラワーパークへ。藤に再チャレンジである。

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 今日は、3日前よりも「不気味め」シフトである [;^.^]。左端の写真は敢えて白飛び気味にして妖怪化してみた。[;^J^]

 右からふたつ目は、撮影後、液晶モニタを見て「なにこれ?」、と、目が点になった写真である。左側の柱の列の上の方を見て欲しい。柱と背景が「交替」しているでしょう?(察しの悪い読者のために、参考図版としてマグリットの「白紙委任」もつけておいてやるか。[;^J^])



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 同じポイントで撮影しても、光の加減で表情がかなり変わる。

 これまで一度も行ったことがなかったのだが「こども広場」への小径があったので踏み込んでみたら..延々と坂道(山道)を登らされた。騙された。[;^.^]凸

 ごくごく小規模な遊園地である。すいている。おや、観覧車もある。



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 乗ってみた。左写真。浜名湖を望むが、高さもほどほどなので絶景というほどのことでもないが、悪くはない [^J^]。手前はフラワーパークの大温室。奧は浜名湖パルパル。

 おや、反対側を見てみたら、ティラノがいるではないか。[^.^]

 観覧車から降りてから、足元に寄ってみた。古くてなかなか味のある造形。

 後ろから、PSG3和音的な伊福部メロディーが流れてきた。ふりかえると、ゴジラがいる [^.^]。いくら私でも、誰も見ていないからといって、乗ったりはしませんよ。誰も見ていないからといって、乗ったりはしませんでしたとも。[^.^]



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 「こども広場」から降りてから、別の品種の藤棚も押さえておく。



 昼は、高丘のCoCo壱。期間限定の「彩り野菜とキーマのスパイスカレー」に、ニンニクとスクランブルエッグをトッピング。12:30までに帰宅。

 13:00から、某ML(最近の人には「メーリングリスト」って通じるのかしら?[;^J^])の「同窓会」[;^.^] を、ZOOMで行う。「同窓会」と書いたのは、実に数年ぶりの顔合わせだからである。MLのメンバーは、まだ数10人はいるのだが、今日集まったのは、5人のみ。詳述しないが、各自の近況とか、懐かしい話とかで、2時間ほど話がはずんだ。

 そしてまた、こういうのは月いちでは多すぎて、年に一度ぐらいがちょうどいいね、とも [;^.^]。15時頃にお開き。

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*2022年04月24日:藤田美術館について


 今週は2回も藤を撮影しに行ったので、藤つながりである(嘘である。[^.^])

 大阪の 藤田美術館 が4月にリニューアルオープンしており、曜変天目茶碗(いわゆる「藤田天目」..と呼んでいるのは私だけっぽいな、ぐぐってみたら [;^J^]。まぁいいや [;^.^])が、6月30日まで展示されているということに気がついた! あやうく見落とすところだったぜ、危ないあぶない![;^.^]

 説明しよう! 「曜変天目茶碗」Wikipedia)は世界に3点しか現存せず、すべて日本にあり、すべて国宝である。このうち、 大徳寺龍光院蔵のもの(画像検索結果)と、静嘉堂文庫蔵のいわゆる「稲葉天目」(画像検索結果)は、静嘉堂文庫や「国宝展」などで、複数回、観たことがあるのだが、藤田美術館蔵の曜変天目茶碗(画像検索結果)は写真でしか観たことがなく、その存在を知った頃には、藤田美術館は(2017年から)改装工事のために長期休館に入っていたのであった。その後、藤田美術館を監視対象 [;^.^] から外していたので、今年の4月のリニューアルオープンに気がついていなかったという次第。常時展示されているわけではないのだから、これはしっかり、予定に入れておかないと..

 ..と、(これまで一度も訪れたことがないので)交通アクセスを調べてみたら..なんと! 私が大阪で一番好きな場所である「中之島」の、目と鼻の先ではないか! そしてまた、すぐ南に大阪城がある..つまり、大阪観光の基本中の基本でありながら(勢いあまってカミングアウトするが [;^.^])これまで一度も訪れたことのない大阪城のすぐそばまで、私は何度も何度も行っていたのか。知らなかった..[;^.^]

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*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Apr 28 2022
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