*2017年09月04日:59歳
*2017年09月05日:幻想美術選「大海蛇の巣穴」エリュー・ヴェッダー
*2017年09月06日:君の..
*2017年09月07日:太陽フレア襲来
*2017年09月08日:雑件処理の一日
*2017年09月09日:何度も書いていることだが..
*2017年09月10日:「行き先は特異点」
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*2017年09月04日:59歳


 ..誕生日であるが..59歳とは、われながら、まったくもうなんという..[;^J^][;^J^][;^J^]

 誕生日が来るたびに書いているような気がするが、少年・倉田わたるの未来予想図(年表)には、おおむね50歳以降の日程は、刻まれていなかったのである。想定外だったのだ。(つまり、もはや余生..[;_ _][;^.^])

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*2017年09月05日:幻想美術選「大海蛇の巣穴」エリュー・ヴェッダー


 「幻想美術選」、第80回。今回は、いささか不気味な作品をご紹介しよう。

Picture

「大海蛇の巣穴」(エリュー・ヴェッダー、1864年)

 ぎょっとするような絵である。なぜ、このようなものを描いたのであろうか。この「海蛇」の大きさはよくわからないが、おそらく数メートル。10メートル以上ということはなさそうだが、それでもかなりの大きさである。明るい空の下の平穏な海岸風景における、圧倒的な異物であり、それは、この風景の心理的な意味を逆転させてしまうほどのものである。

 画家の名も知らずに、初めてこの絵を見たときの衝撃は、作品データ(制作年)を見て、倍加した。私はてっきりこの作品は、第一次世界大戦か第二次世界大戦の戦時中か、あるいは両大戦間の不穏な空気を描いた、20世紀の作品である、と思い込んでいたのだが..なんと、1864年! 半世紀も見立て違いをしてしまった!

 エリュー・ヴェッダー(1836〜1923、Wikipedia)は、モローとほぼ同時代人であるが、彼がアメリカ人であると知ると、いろいろ腑にも落ちてくる。この作品は、南北戦争のさなかに描かれたものであるが、その時代の空気を重ねてみる(戦争、あるいは戦時下の雰囲気の象徴と見る)だけでは、とはいえいかにも皮相的に過ぎよう。この「怪物」の投げかけてくる「謎」は、深い..

 ..それにしても、なんという「現代的」な作品であろうか..私は未だに信じられずにいる。1864年の作品だなんて..

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*2017年09月06日:君の..


 朝晩、涼しくなってきた。

 たまたま、AVのタイトルをまとめて流し見する機会があったのだが(ここにいちいち突っ込まない [^.^])、まぁあなたもご存知のとおり(ご存知でしょ? [^.^])大多数は、まったく記憶にも印象にも残らない。説明過多で、その意味では親切と言えないこともないが、想像力を働かせる余地がない、げんなりしてしまう、観る気も失せるようなタイトルばかりなのだが..そんな中で思わず目を奪われた、僅か4文字。


「君の縄。」

 (あまりの衝撃に思わずぐぐったら、既に話題騒然であった [;^J^]。相変わらず時流に乗り遅れてるなぁ..[;_ _][;^.^])

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*2017年09月07日:太陽フレア襲来


大規模な太陽フレア発生=GPS、通信影響の恐れ―情報機構

(時事通信社 9/7(木) 16:39配信)

 情報通信研究機構は7日、大規模な太陽フレア(表面の爆発現象)が観測され、全地球測位システム(GPS)や電波通信などに影響を与える可能性があるとして、注意を呼び掛けた。

 情報機構によると、大規模フレアは6日に2回発生した。このうち午後8時53分(日本時間)に発生したフレアは、2006年12月5日以来、11年ぶりの規模という。

 機構はフレアに伴って放出された放射線や高エネルギー粒子が8日午後3時ごろ、地球に到達すると予想。到達後の数日間は、GPSの測位誤差増大や地上の電波通信の障害、人工衛星の故障などの恐れが高まるとしている。


 ..C級(Z級)SFのネタがわんさか涌いてでてきたが、とても読ませられるようなシロモノではないので、略。[;^.^]

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*2017年09月08日:雑件処理の一日


 今日は有休取得済み。といっても、大型のレジャー企画(上京とか上洛とかサイクリングとか上京とか上洛とかサイクリングとか上(略))があるわけではない。溜まっている雑件の山をいくらかでも取り崩すためである。(それに、このままでは、有休を消化しきれず、腐らせる(ドブに捨てる)ことになってしまいますのでね。)

 7:20に車で発ち、7:30、O内科医院。診察は8:30からだが、一刻も早く終わらせたいので、順番とりに早くきたという次第。3番目ぐらいだったかな。待合室で読書。

 8:45に診察がおわり、R社の修理窓口に着いたのが、9:00。修理出ししていたシンセを受け取り、9:20に、いったん帰宅。

 9:30に改めて出て、クリーニング、給油、湯風景しおり。遠鉄ストア、杏林堂、百均、コンビニ、と、買い物のハシゴをして、夕方になる前に帰宅。

 このあと深夜にかけて片づけておきたいことがいろいろあったのだが、ここでガス欠 [;_ _]。体力の限界ではなく、気力の限界が先にきてしまうのだ、特にここ数ヶ月は..なんとか、流れを変えたかったのだが、今日は、それは果たせなかった..

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*2017年09月09日:何度も書いていることだが..


 ..スマホなくして10年分の想い出(写真)が〜!(泣)..という、いつものやつ。可哀想だと思わないでもないが、正直、苛立ちの方が先に立つ [_ _]。なぜバックアップをとっておかなかった! あなたが写真を失って悲しいのは、あなただけじゃない。もしもあなたの子どもの写真だったのならば、あなたは、子どもに対して、申し開きのできない過失を犯したのだ。子どもたちを悲しませた、第一原因者なのだ。謝罪しなければならない立場なのだ..

 心底からは同情できないのはもちろんのことだが、それよりなにより、とにかく、理解できない。これはレトリックではない。本当に、理解できないのだ。

 これが「パソコン」ならば、まぁ、バックアップを取らないのは、理解できないこともないのだ。なぜなら、「電子頭脳」は「神」であり、「神」であれば、それは「無謬」であり「不滅」であるのだから..そういう信仰(信条)はありうるし、私は他人の信教に土足で踏み入るつもりは、ない。

 しかし、スマホ、ガラケーは、パソコンとは違う。たとえどれほど高性能で、その性能が神秘的でほとんど神の領域に見えようとも、「日常的に、紛失しうるだろ!」「知人や家族が紛失してるだろ!」「次に紛失するのは自分の番だと、容易に想像できるだろ!」..なぜ、これほど小さくて紛失しやすいものに、唯一無二の貴重なデータを入れて「持ち歩く」などということができるのか、その神経が、本当に理解できない。

 まぁ、バックアップ(的なこと)をしようとしても、高いリテラシーが要求されて、したくてもできない、というオチかもしれないが。実際、この私としたことが、iPhone を最初に買ったときには、バックアップの仕方がわからなかった始末なのだから..(まさか iTunes が必要だとは、夢にも思わなかったのである。iPhone で音楽を聴く予定がなかった私は、iTunes など、最初から相手にしていなかったのだ。)

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*2017年09月10日:「行き先は特異点」


 行き先は特異点」(大森望、日下三蔵、創元SF文庫 年刊日本SF傑作選)、読了。

 「行き先は特異点」(藤井太洋)−現在のドローン技術の半歩先の未来。困りごとが発生するのだが、デストピアでもない。昔懐かし小松左京のテースト。「バベル・タワー」(円城塔)−えーと [;^J^]。垂直移動の一族と水平移動の一族の壮大な抗争と宥和の物語..でいいのかな [;^J^]? 「人形の国」(弐瓶勉)−やはり、絵の力が大きい。「スモーク・オン・ザ・ウォーター」(宮内悠介)−洒落たファースト・コンタクトもの。「幻影の攻勢」(眉村卓)−この作者の最近の持ち味というか、老境(あるいは老人の諦念)SF [;^J^]。読後感はマイルドだが、なんとも言えない味わいがある。

 「性なる侵入」(石黒正数)−まぁ、悪くはない [;^J^]。「太陽の側の島」(高山羽根子)−この世界の成り立ちは早い段階でわかるが、問題ない。書簡体が効果的。「玩具」(小林泰三)−タイトルと作者名からいきなりネタがわかった [;^J^]。「悪夢はまだ終わらない」(山本弘)−新規なアイデアではないが(というか、伝統的なパターンだが)、佳作である。「海の住人」(山田胡瓜)−スマートな人魚もの。「洋服」(飛浩隆)−フォトショートショート。よい。「古本屋の少女」(秋永真琴)−フォトショートショート。こちらの方がいいかな。古本屋と黒魔術は、よく似合う。「二本の足で」(倉田タカシ)−スパムの擬人化という出オチかと思ったが、よい感じに物語が発散し(拡がり)、ディスカッション小説となり、読後感は広大である。「点点点丸転転丸」(諏訪哲史)−まぁ、いいや [;^J^]。「鰻」(北野勇作)−ヴィジョンは悪くないと思うが [;^J^]。「電波の武者」(牧野修)−読後、しばらく間を置いたら、思い出せなかった [_ _]。

 「スティクニー備蓄基地」(谷甲州)−閉塞舞台の、骨太の惑星間戦争もの。最後の4行が感動的である。「プテロス」(上田早夕里)−これも感動的な、宇宙生命もの。これも最後の1頁で、世界が拡がる。「ブロッコリー神殿」(酉島伝法)−辟易する..と、正直に書くことは控えるが [;_ _][;^.^]、しかし、ミクロの世界(花粉の飛翔)を舞台にした幻想小説だと思えば、読める [;^J^]。「七十四秒の旋律と孤独」(久永実木彦)−本書中、もっとも感動したのが、この、第8回創元SF短編賞受賞作。要するに、新人の作品である。なんということもない、普通のSFだが、実にクールでかっこいい。女主人公の正体のミスディレクションからつながる、短いエピローグの余情たるや、絶品である。読み返してしまった。

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*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Sep 14 2017
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