*2016年09月05日:幻想美術選「樫の森の中の修道院」カスパー・ダヴィット・フリードリヒ
*2016年09月06日:10月の征西予定を仮決めする
*2016年09月07日:どーせ浜松は無視される [;^J^]
*2016年09月08日:iPhone 7
*2016年09月09日:釈放ですか..
*2016年09月10日:「鈴木其一展」/「ファウストの劫罰」/魔界彷徨
*2016年09月11日:「若冲と蕪村展」
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*2016年09月05日:幻想美術選「樫の森の中の修道院」カスパー・ダヴィット・フリードリヒ


 「幻想美術選」の第28回にして、ようやく、この画家に順番が回ってきましたよ。[;^J^](← すみません、来週はもう、コピペしません。[;_ _][;_ _][;_ _][;^.^])

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「樫の森の中の修道院」(カスパー・ダヴィット・フリードリヒ、1809〜10年)

 この傑作とも、つきあいが長い..45年近くになるか..「修道院..つか、廃墟じゃん!」、という、身も蓋もない(子どもらしい [;^J^])第一印象を憶えている [;^.^]。しかも、人が居る(どうやら葬列?)ということは、こんな状態でも、まだ「修道院」として機能しているのか、と..(もはや単なる墓地に過ぎないのかも知れないが..)

 エルデナ修道院跡のスケッチを下敷きにして、それを大幅に改変した、空想画である。どこを改変したのか、もとのスケッチを見ていないので、これは私の「空想」になるのだが..おそらく、背景を「抜いた」のではないだろうか。この絵の印象を決定的なものとしている、「この世ならぬ白い光」の中に、この廃墟を浮かび上がらせるために..実際、この世界には、廃墟(と僅かばかりの枯れ木と人間たち)のほかには、「白い光」しか存在しないのだ。中景が、ない..いちおう、山中のようではあるが、森も林も山並みも、意図的に描かれていない。

 「宗教的情景である」と捉えるのならば、この白い光は、明らかに「彼岸」あるいは「これからそこへ去り行く他界」であるが..無論、絵は、どのように見ても構わないのだ。宗教的敬虔さなど持ち合わせていない私には、この白い光は、むしろ「向こう側からやってくる、何か」のように見える。「世界を覆い尽くさんとする、何か不吉な光」のように..(ここで「デビルマン」(永井豪)を想い出すもよし、「光」を「霧」と読み替えて、スティーヴン・キングの「霧」を想い出すもよし..[;^J^])

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*2016年09月06日:10月の征西予定を仮決めする


 10月の征西予定を、仮決めした。

 制約条件は、あべのハルカス美術館での「大妖怪展 ― 土偶から妖怪ウォッチまで」の展示期間。前期がおそらく、9月10日(土)〜10月10日(月)まで。後期がおそらく、10月12日(水)〜11月6日(日)まで。(現時点では、まだ、展示替えリストのPDFがアップされていないので、推測だが。)なぜ制約条件なのかというと、これを観るためだけに大阪まで往復するというのは、交通費の有効利用という観点から、あり得ないからである。大阪観光でも構わないのだが、見逃しているスポットは、京都の方が圧倒的に多い。つまり、「土曜日の午前中は大阪で大妖怪展を観て、すぐに京都に移動し、13:30頃になるので、駅からあまり遠くないスポットをひとつ(か、ふたつ)片づけ、可能ならば誰かと夜遊びして一泊して、翌日の午前中から午後にかけてさらに京都のスポットを2つか3つ片づけて、浜松に帰る」..これを、「大妖怪展」の前期期間と後期期間に、各1回..

 ..というわけで、10月8日(土)〜9日(日)と、10月29日(土)〜30日(日)に、仮決め。8日の午後の京都の予定は、西本願寺。(9日は未定。)10月29日(土)の午後の京都の予定は未定であるが、翌30日(日)は、9:00から大徳寺の拝観予約をとった。

 これで、枠組みは出来た。あとは、主として東京の展覧会をどこにはめ込むか、ということだ。

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*2016年09月07日:どーせ浜松は無視される [;^J^]


 ..台風にね [;^J^]。明朝の時点で暴風警報が出ていたら自宅待機なのだが、ぜーったい、スカされるに決まってるって..[;^.^] 日本全国の、甚大な被害に見舞われている方々には、本当に申し訳ない限りである..[;_ _] 別に、悪いことをしているわけではないのだが..[;^J^]

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*2016年09月08日:iPhone 7


 朝は結構な雨だったが、すぐにあがる。こんなもんだよ、浜松は。[;^J^]

 iPhone 7 発表。何が驚いたといって、ついに日本にフォーカスしたモデルをラインナップしたか、ということ。どなたもご存知のとおり、iPhone が(一番)売れているのは、日本だけである。だからこそ、日本フォーカスモデルは、出さないのかと思っていた。「ヘイ、イエロージャップは、何も手当てしなくても勝手に買ってくぜ、ベイベ、そんな楽ちんなマーケットは、ほっとけほっとけ、それより、アメリカと中国とインドで売上げを伸ばす算段を考えろいっ!」、という戦略なのだろう、と。(リソースの投入方法として、間違った考え方というわけではない。)

 しかし、ついに、そうも言っていられなくなったか。日本以外の市場は、本当に総崩れ。これで日本人にも見放されたら、アウトである..(まぁ、サムソンが、勝手に自爆している(文字どおり自爆している [;^.^])のが、千載一遇の好機ではあろうが..)つまり、本質的に、日本マーケットでのシェアを「守る」方向のスペックなのである。

 「防水・防塵」−ないよりはいい、が、必要だと思ったことはない。(シティ派ですのでね。[^J^])「ヘッドフォンジャックが無くなりLightning端子と統合」−どうでもいい。「スピーカーのステレオ化」−どうでもいい、というか、いらん。「カメラ機能の強化」−しないよりはいい。「Felicaを搭載しオサイフケータイとして使える」−これが最大の売りだろうが、なにしろ私は、Suica すらもっていない、現金派である [;^J^]。「A10 Fusionチップ(クアッドコア)による強化されたパフォーマンス」−遅いよりは速い方がいいよね。

 ..以上より、当然の帰結として、見送りである。iPhone 6 から買い換える理由が、私にはひとつも見当たらない。そもそも私は、「3GS」→「6」という、ハイジャンプの記録保持者である(浜松駅前ビックカメラ調べ [;^.^])..ということは、次に買う iPhone は、当然、→「9」である。「9」まで待つつもりである。(「iPhone 9 は出ないよ(それまでに、iPhone は(少なくともブランドとしては)消えるよ)」、という、説得力のある意見もあるが。[;^J^])

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*2016年09月09日:釈放ですか..


 ..高畑裕太。このあとの不愉快な成り行きは、完璧に予知できる。つまり、女性側への好奇の視線の集中である。そんなものを見たくはないので、今後、このニュースはシャットアウトする。

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*2016年09月10日:「鈴木其一展」/「ファウストの劫罰」/魔界彷徨


 快晴。暑くなるらしいが、夢のように楽しい週末の始まりなので、そんなことはどうでもいい [^.^]。6:50に自宅を発ち、7:51、浜松発のひかりで、六本木着が、9:39。ミッドタウンの近くの「富士そば」で、早目の(というか早過ぎる [;^J^])ブランチ(カレーカツ丼)。

 10:00、サントリー美術館。「鈴木其一 江戸琳派の旗手」である。出品作品リスト(展示替えリスト)が、ようやく展覧会のホームページにアップされたので、参考にしてください。大雑把、前期:9月10日(土)〜10月3日(月)まで、後期:10月5日(水)〜10月30日(日)まで、という(以前に書いた)「推測」どおりなのだが、実際には細かく5期にわかれており、全展示作品を網羅しようとすれば、少なくとも3回(もしかすると4回?)足を運ばなければならないのだが、そこまでは付き合えない(時間がない)。2回で、よしとする。

 いやぁ、素晴らしい! 「群鶴図屏風」画像検索結果)のリズム感、「萩月図襖」画像検索結果)の空間構成、「水辺家鴨図屏風」画像検索結果)は、カワイ〜ってば! [^.^] 「芒野図屏風」画像検索結果)の、鮮烈なグラフィック感覚、「群禽図」画像検索結果)も面白いし、「暁桜・夜桜図」画像検索結果)、「雨中菜花楓図」画像検索結果)とも、目が奪われるほど感覚が新しい。

 しかしなんといっても、メトロポリタン美術館から里帰りしている「朝顔図屏風」画像検索結果)! 贅言無用..ほとんどシュルレアリスムの領域に突入している..これ、必見! 絶対に見なさい、つか、見ろ! まさに驚異の傑作である! ..ほか、画像検索できなかったが、「蓮に蛙図」「稲荷山図」「昇竜図」など。

 12:00、退出。12:40に初台に着く。

東京シティフィル300回記念定期演奏会

東京オペラシティコンサートホール
ベルリオーズ:劇的物語「ファウストの劫罰」
指揮:高関 健
ファウスト:西村 悟
メフィストフェレス:福島 明也
マルグリット:林 美智子
ブランデル:北川 辰彦
合唱:東京シティ・フィル・コーア
合唱指揮:藤丸崇浩
児童合唱:江東少年少女合唱団

 ..なのだが、14:00開演で、開場は13:15。付近には椅子もなし。[;^.^]

 この作品については、拙文「新・ベルリオーズ入門講座」の中でも屈指の名文(自分で言うか [;^J^])、「劇的物語 ファウストの劫罰」を、ご参照いただきたい。

 正直言って、想定外の名演奏であった! ベルリオーズの最高傑作の幻想世界に、心地よくひたることができた。達者なソリストたち、ラコッツィ行進曲の量感、地獄への騎行の疾走感..

 しかしやはり..これは正直に書いておかねばなりませんね [_ _]。後半(第3部)から林美智子が登場してからは、ずっと(モノキュラーで)彼女に見惚れていた、と..[;_ _][;_ _][;_ _][;^.^]

 何も成し遂げられなかった老残の身の前に、突然悪魔が現れて若返らせてくれて、こんな美女をあてがわれて好きにしていいと言われたら、そりゃ、理性吹き飛んで、やることやるよな..(← ..リアル過ぎて笑えないのでやめろ。[;_ _][;^.^])

 コンサート終了は、16:40。17:00に新宿三丁目で待ち合わせているので、カーテンコールが終わる前に、食い気味に退出。Y君と初台駅で落ち合い、都営新宿線新宿三丁目駅の改札へ。ここでYさんと合流。K氏とも待ち合わせているのだが、彼は丸ノ内線の新宿三丁目駅の改札で待っていることが判明し、そこ動くなとメールして [;^J^] 3人で向かう。無事に合流。(YさんとK氏は、初対面である。)

 さて、まだ空も明るいというのに、魔界都市の彷徨開始である。[;^J^](ちなみに、今夜の日記のタイトルにも使っている「魔界彷徨」が、直前に聴いた「ファウストの劫罰」のクライマックス「地獄への騎行」つながりであることは、言うまでもない。まったくわれながら、なんと巧みな言葉使い師であることよ。[^.^][;^.^])

 まず17:20、「もつやき煮込み 沼田」のカウンター。ビールやハイボールなど。食い物が美味い。18:50、離脱。

 次に、すぐ近くの「マルゴー2」といったかな。ワインをいろいろ。Yさんのお友だち(女子)がソムリエをしている。Yさんとは、中国武術つながりである。刃物系である。わりと怖いのである [;^.^]。「演武だし刃はついていない(切れない)ので大丈夫ですよ」と仰るが、そういう問題ではないと思う [;^.^]。21:25に出たんだったかな。

 このあと、時刻をメモし忘れたが、いつもの立ち飲み屋(客はほとんど外国人)に寄る。

 22:05に、これも前回、来たんじゃなかったかな、踊るの禁止 [;^J^] のクラブへ。(実際には、ステップ踏んでるのもいたけど。[;^J^])22:45に出る。

 渋谷にタクシーで移動。このあたりから記憶が 妖しく 怪しくなってくるが、確かBunkamuraの向かいだったと思うクラブに、23:10に入る。ここにいた女子3人ほどを相手に、シン・ゴジラ話などオタクネタを喋りまくっていた記憶はある [;^.^]。K氏によると、キャバクラ状態だったらしいが [;^J^]、仕方ないじゃないかそんなこと話しはじめたら止められないのがオタクじゃないか赤い靴じゃないかぁ。[;^.^]

 1:00頃、同行の3人とも先に帰った気配があるので [;_ _][;^J^]、タクシーで(定宿(「はたごや」)のある)歌舞伎町へ。1:20、小腹がすいているので、例によってはたごやの向かいの寿司屋で4貫。1:50、はたごや。

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*2016年09月11日:「若冲と蕪村展」


 7:45、チェックアウト。夜間、降ったようだが、今は曇天。天候不安定な一日になるらしい。はなまるうどんで朝食。

 8:21の小田急で、9:54、小田原。駅前から10:10のバスで、10:55、岡田美術館。「―生誕300年記念― 若冲と蕪村 江戸時代の画家たち」(〜12月18日(日)まで)である。展示替え無し!

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 まずは、伊藤若冲。これは今春、東京都美術館で開催された「生誕300年記念 若冲展」にて、80余年ぶりに発見されて岡田美術館に収蔵された幻の作品として公開されており、私もその展覧会で観ている「孔雀鳳凰図」だが、改めてここ(フランチャイズ)でじっくりと..言うまでもないが、左が鳳凰、右が孔雀。図録から解像度高めでスキャンしておいたので、是非ともブラウザで拡大して、細部まで堪能していただきたい。



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 同じく若冲の、「花卉雄鶏図」。この色艶!



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 水墨画も素晴らしい。左図は「笠に鶏図」。このポーズの格好良さ! 中央図が、大人気の「月に叭々鳥図」! 構図もポーズも見事だが、何よりも構想が素晴らしいのだ。与謝蕪村からは1枚だけだが、右図の「飲中八仙図」をご紹介しておこう。要するに、酔っぱらい天国である! \[^O^]/\[^O^]/\[^O^]/



 ほか、伊藤若冲の「三十六歌仙図屏風」もご紹介したいのだが、図録の見開きのノドまで印刷されていてスキャンできないので、画像検索結果で、我慢して下さい。(6曲一双の、縦長の絵が12枚並んでいるもの。)もう、完璧に漫画である。

 他の画家たちの作品も。円山応挙の「子犬図」画像検索結果)は、実は展示されていたのは、この中のどの作品でもないのだが(このタイトルでは絞り込めないよぅ [;^.^])、はっきりいって、どれでもいい [;^J^]。「応挙の子犬」の凶悪極まりない可愛らしさはどうだ! 曾我蕭白の「飲中八仙図屏風」は、画像検索結果中、6曲一双の、縦長の絵が12枚並んでいるもの。これもまた、酔っぱらい天国! \[^O^]/\[^O^]/\[^O^]/

 ほか、画像を検索できなかったが、木米の「菊蘭石図」、長沢蘆雪の「群犬図屏風」、曾我蕭白の「鬼退治図屏風」、同じく「牡丹孔雀図」など。

 12:45に退出し、13:04に来たバスで、13:48に小田原駅。14:03に発つこだまで、15:22、浜松着。こだま車中で缶チューハイを2本空けていたのだが、ちょっと中途半端なので、浜松駅のエキマチの八丁蔵でちょいと飲み足してから、17:45、タクシーで帰宅。

 素敵な週末でした。[^J^]

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*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Sep 15 2016
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