*2015年06月15日:「江口寿史の正直日記」
*2015年06月16日:ももクロVS女子プロレス
*2015年06月17日:「用心棒」ヘビロテ
*2015年06月18日:咽せる..[;_ _]
*2015年06月19日:朝が来ない..[;_ _]
*2015年06月20日:心のアート展@池袋
*2015年06月21日:大英博物館展/マスク展
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*2015年06月15日:「江口寿史の正直日記」


 先週末の博多旅行の1日目に読了したのは、江口寿史の正直日記」(江口寿史、河出文庫)なのであった [;^J^]。(トークイベントまでには読み終えておかなくっちゃね、というわけで。)

 傑作だと思うよ。必読かと言われると返答に窮するし、「日記文学の最低作」という惹句にも、「もっと下があるだろう」、と思わないでもないが [;^J^]..基本的に、お薦め。描き下ろし新作漫画「金沢日記2」は、痛ましくも面白い。以下、一箇所だけ引用しておく(236頁)。

 「襲われた女子高生、実は44歳だった」
 という新聞記事にはまったくもって驚いた。なぜなら俺の漫画にも、一見女子高生、でも実は38歳というキャラが出てくるからだ。
 この「38歳」という年齢設定、なんでもないようでいて実は、ここなら笑いになるだろうというギャグ漫画的な判断のうえに決定されたものなんである。ギャグ漫画家は誰でも、それぞれのセンスにおいて、こういう微妙な判断を下しながら漫画を描いておるのだ。この場合、俺は「40何歳」では非現実的過ぎて笑いにならんと判断したワケだ。しかし現実には、いた。で、いたらやっぱ笑えた。
 負けた。現実に負けた。完敗。
 今や現実の方が、その面白さ悲惨さデタラメぶりにおいて、創作よりも完全に上いってる。若い奴、漫画読まないはずだ。考えてみれば、中田だってイチローだって、すでに漫画のヒーロー超えてるものな。漫画よりスゴイんだもん。そこら辺歩いてる普通の女の子の方が漫画に出てくる女の子より可愛いし、政治だって漫画みたいな面白さだもの、あとあんなさ、小学生を8人も平気で殺すような人間、いくら漫画でも非道すぎて描けないもの。
 いやぁスゲェ時代だわ。ギャグ漫画が元気がないのも当然のような気がするわ。
 「事実は小説よりも奇なり」とはいつの時代のコトバなのか知らないが、その真理は近年、ますます輝きを増してるわ。(2001/06/27(水))
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*2015年06月16日:ももクロVS女子プロレス


 6月13日にCSから録画した「『ももクロ試練の七番勝負・番外編』ももクロVS女子プロレス!帰ってきたサンプラザ」を観る。出演者は、ももクロの5人と、女子プロレスラーが、神取忍とブル中野。(及び、タッグマッチの実演を行った、宝城カイリ、コグマ、紫雷イオ、はづき蓮王。)見届け人が、東京03の飯塚悟志、同じく豊本、及び元週刊プロレス記者の小島和宏の3人。もちろん、「試練の七番勝負」といっても、ももクロがプロレスラーたちとレスリングの試合をするわけではなく、「女子プロレス」というものを学ぶトーク番組である。[;^J^]

 いやぁ、面白い [^J^]。永久保存版である [^J^]。私はもともと、女子プロレスの試合は(ほぼ)観ていない。私の女子プロレスの知識のほとんどは、島本和彦の実録マンガ「燃える!!女子プロレス」(1992〜1993)から得られたものなのである [;^J^]。私は、アジャコングも、ブル中野も、そして北斗晶の名前も、このマンガで憶えたのだ。[;^J^](神取忍はこの作品には(確か)登場していないが、最近のバラエティ番組に出演するときの紹介Vで、その試合を断片的に(トータル1分以下だと思うが [;^.^])観ている。)

 ブル中野が引退していたことは(なぜか)知っていたが、あの化粧を落として普通にメイクすると、こんなに美人なのか。ちょっと驚きました [;^J^]。「燃える!!女子プロレス」の中盤のクライマックス、ブル中野とアジャコングの金網デスマッチにおけるブル中野の4メートルギロチンドロップのVも観られて、満足である [^J^]。この「女帝」が、年間300試合、毎試合毎試合、今日はお客さんが沸くだろうか満足させられるだろうかと、控え室では(怖くて不安で)吐いていた、というエピソードなど、プロの凄みを(逆に)思い知らされた。

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*2015年06月17日:「用心棒」ヘビロテ


 ダウナーな時期に入ってしまったらしい..たまに早く帰宅しても、何もできない。書かなければならないメールも書けなければ、メンテしなければならない作品リストもメンテできず、もちろん読書もできず、(新規の)録画を観ることもできない。(頭を使うからである。[;_ _])..

 こうなると、「内容がわかっている」録画を、茫然と眺めながら眠りに落ちるのを待つしかない。(頭を使わなくてもすむからである。[;_ _][;^.^])..バラエティ番組でも構わないのだが、さすがに、「ロンドンハーツ」とか「有吉反省会」とか「ももクロChan」をヘビロテしていると、脳へのダメージが心配である..[;_ _][;_ _][;_ _][;^.^] せめていくらかでも文化的で内容のあるものを..

 ..というわけで、黒澤明の「用心棒」である。幸か不幸か、まだうまくBDに収まっていない(25Gメディアにせよ、50Gメディアにせよ、できるだけ無駄なく詰め込める他の映画(できれば同じ邦画ジャンル)の録画との組み合わせを見いだせていない)ので、レコーダーのHDDに起きっぱなし..つまり、いちいちメディアを捜したり入れ換えたりしなくても、すぐに再生できるように(結果的に)スタンバっているというわけだ。

 この映画について、今さら贅言は何ひとつ必要がないが、とにかく、どこから観ても面白く、また、「面白くないシーンが、一箇所も存在しない」..ほとんど、奇跡ではないかとすら、思う..というわけで、ダウナーで何ひとつやる気が出ないまま、あるいは卓袱台(がわりのコタツ(さすがに、フトンは片づけたよ))にもたれかかりながら、あるいはフトンに横たわりながら、ただ茫然と、「用心棒」をヘビロテする夜が、続く..昨夜も今夜も、そしておそらくは明日の夜も..(「甘美な地獄」という奴である..[;_ _][;_ _][;_ _][;^.^])

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*2015年06月18日:咽せる..[;_ _]


 昨日の日記に引き続き、ぼやくことにする。[;_ _]

 最近、咽(む)せることが、確実に多くなった。今から10年前には、こんなことはなかったはずだ..というか咽せたという記憶が、ほとんど無いとまで言うと言いすぎだが、せいぜい年に数回程度だったはず。今では1日に1回以上は、確実に咽せている。

 認めたくないが、歳のせいだ。[;_ _](..認めたくないのは、若さ故の過ちだけにしておきたいものだが、そんなことを言っている場合ではなく。[;_ _][;^J^])喉の奥で、唾は(気管支ではなく)食道に流し込まなければならないのだが、そこの切り替えメカニズムがたまに誤動作し(あるいは動作に遅延が発生し)、誤って気管支に流し込んでしまっているのである。それを気管支から排除するための反射運動が「咽せ」である。

 危険..とまでは(まだ)言わないが、非常に望ましくない状態である。こういう「誤嚥」は、気管支炎、肺炎の遠因となる。大体、変な姿勢でボーッとしているときに発生しやすいようだ。そういう条件を作り出さないよう、できるだけ意識的になるしかないか..

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*2015年06月19日:朝が来ない..[;_ _]


 3日連続、ぼやくことにする。[;_ _](3回までなら許される、というルールがあったはずである [;_ _] ..確か。[;^.^])

 もともと眠りが浅いことは、何度かこの日記に書いていると思う。連続6時間なんて、到底寝ていられない。途中、何度も目が覚めてしまう、と..

 ここ数日間は、少しその度が過ぎていると思う。一昨日の日記に書いたような状況で、夜、起きていても仕方がない(少なくとも夜更かしをする理由が、何ひとつ無い)ので、22時前にフトンに入る..目が覚めるのは、23時過ぎである。翌日にすら、ならないのである [;_ _]。それからなんとかして(トイレに行く、場合によっては、少しだけアルコールを飲むなどして)もうひと眠りしても..次に眼が覚めるのは、1時かそこら。2時までもたない..

 ..とにかく、起きても起きても、「まだ夜中」なのである [;_ _]。考えようによっては、悪くない。翌朝、仕事に出る前に、まだまだ横になっていられるのだから..しかし、少しも眠くなく、また、起きて何かする気力もなく、さすがに1時2時になると、酒も夜食も控えるべきで、つまり、美味しいものを口にするわけにもいかず、単に横になっていてもなんら楽しくなく、無理矢理眠ったからといって面白い夢が観られるわけでもなく(眠りが浅くなる分、夢は観やすくなるが、ほとんどの場合、悪夢である..思い出したくもない、というか、そもそもすぐに忘れてしまうのが取り柄ではあるが)、つまり、全く無為な時間が、ひたすら続くのである..[;_ _][;_ _][;_ _]

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*2015年06月20日:心のアート展@池袋


 起床がやや遅く、朝食抜き。6:05に出る。この時点で既にポツポツ雨。この土日、首都圏では突発的な大雨に注意、らしい。まぁ、仕方がない。

 自宅直近のバス停から浜松駅北口のバスロータリーへ。7:00発の渋谷新宿ライナー浜松2号で、10:59、ほぼ定刻に、渋谷マークシティ着。この街で現金を少し下ろし、また、昼飯(カレー)を食う..不味いとまでは思わなかったが、「さすがに空いてるだけのことはあるな」..と、思ってしまったので、店の名前は伏せておく。[;^J^]

 池袋へ。12:00過ぎに芸劇の5F。第5回 心のアート展である。吾妻ひでお氏も出展しているので、観に来たという次第である。吾妻ファン(いずれも超古株)の知り合いが、4人。13:00からは作者が会場内の自作の前で、簡単な作品解説を行う、ギャラリートーク。吾妻氏の分は、iPhone で録画しておきました。[;^J^]

 14:20から芸劇1Fの喫茶店で、吾妻氏、及び(私を含めて)ファン4人で、軽くお茶。先週のイベントの話題とか、今取りかかっている作品の話題とか。15:00にいったん散会。また会場に戻ってしばらく時間をつぶし、16:00からの座談会を待つ。この座談会は、作者の方以外、たまたま会場に来ていた誰でも参加できるようであったが、私には語るべきことが何もなかった(心の問題を、自分も近親者も抱えていなかった)ので、マイクを向けられても遠慮して、ほかの方に振りました。[_ _]

 17:00に座談会が終了。私、Iさん、Oさん(いつものメンバーである [;^J^])で、飲み。17:25から、芸劇前の「塚田農場」という店。初めて来たが、飲み物も食事も、他店とは明らかに違うラインナップで面白く、美味かった。まぁ、通えば慣れて飽きるのかも知れないが..

 21:00に散会。21:30に、水道橋のスパ ラクーア。(先週憶えたように、丸ノ内線を使うと、池袋からラクーアまで、めっちゃ近いのである。[;^J^])

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*2015年06月21日:大英博物館展/マスク展


 8:00にラクーア退出。曇天ポツ雨。8:40ちょい過ぎに東京都美術館。「大英博物館展―100のモノが語る世界の歴史」(6月28日(日)まで)である。開館は9:30だが、早めに来たのは、会期の終了間際で、混むと想定されたからであるが..雨 [;_ _][;^J^]..それでもなんとか、傘をさして読書で時間をつぶすが、会場側の恩情で、9:20に開門していただけました。[;^J^](屋内に入れるというだけであって、会場に入れるのは、9:30だが。)

 うまい着眼点の展覧会だと思う。大体、母集団(大英博物館)がでかすぎるので [;^J^]、よほどうまく切り取らないと、まとまった(まともな)展覧会にならない。従って、いわゆる美術品にはこだわらず(誤解を恐れずに言えば「価値(と言って悪ければ「価格」)」にもこだわらず)「世界の歴史を語る100のモノ」、という視点で、100個もってきたのは、偉い。(キュレーターとしては、ある意味、恐ろしかったと思うが..自分の知的水準を全公開してしまうようなものだから..)

 私が選んだ3点を、ご紹介しておこう。(絵葉書を売っていた、という範囲内で。[;^.^])

Picture Picture Picture

 左から、有名な「ウルのスタンダード」(紀元前2500年頃、イラク)、「ミトラス神像」(100−200年、ローマ)、「ヘブライ語が書かれたアストロラーベ」(1345−1355年、おそらくスペイン)。何故これらを選んだのかは、読者への宿題としておこう(← なにさまなんだよ。[;^.^])



 11:30に退出。例によって上野駅の上のぶんか亭で簡単に昼食。12:35に、目黒の東京都庭園美術館。「フランス国立ケ・ブランリ美術館所蔵 マスク展」(6月30日(火)まで)である。

 非常に素晴らしい展覧会である! 画像情報については、前記リンク先の公式ページで我慢して欲しいが..(図録はあったのだが、わたくし的には出来がいまいちで買えず、こういう場合の代替手段である絵葉書もなく、また、ネットで検索しても、公式ページを補完するほどの画像は少なく..という次第 [_ _])とにかく、ひとつひとつの仮面のパワーが、凄い。(なかには、「現地の眼でみれば土産物程度のもの」も、多数含まれているのだろうが。)西洋の芸術家たちに与えた衝撃の大きさが、偲ばれる。

 ご存知かと思うが、東京都庭園美術館は、建物自体が、アール・デコの芸術品である。どんな美術品を展示しても似合うのだが、この「マスク展」は、特に見事な取り合わせのように思える。常設展示して欲しいぐらいのものである。庭園も、美術館の改修工事終了後、しばらくは立ち入れなかったのだが、(立入禁止の区域はまだ多少残っているとはいえ)かなり奥まで入れるようになった。派手な庭園ではないが、これまたやはり、アール・デコの建家に相応しい、なんともスッキリとした趣味のいい庭園であり、小雨そぼ降る中での散策は、悪くなかった。まったく悪くなかった。(ちなみに、この展覧会には映像展示も多数来ているのだが、あまりの量の多さに、正直なところ、全部は観ていない [;_ _]。一部、寝落ちもしたし [;_ _]。でも、7割方は観た..と思う。この映像展示の内容の評価は、人さまざまであろう。文化人類学的に貴重な資料であることに反対する人はいないであろうが..ほとんど呪術的(魔術的)な「催眠効果」を否定できる人もまた、少数派なのではなかろうか。[;_ _][;_ _][;_ _][;^.^])

 結構迷ったが図録は買わず、また、お土産のマスクも(いまいち出来に満足できなかったので)買わなかった。15:15に退出し、15:31、目黒駅発の山手線。新幹線に乗るのなら品川駅の方が近いのだが、東京駅限定土産を買いたいので、敢えて東京駅へ(15:49着)。実はまだもうひとつ展覧会を観る時間的余裕はあるのだが(東京ステーションギャラリーで開催中の、「没後30年 鴨居玲展 踊り候え」である)、さすがに疲れているし、会期は7月20日(月・祝)までだから、大丈夫、まだ余裕はある、と、先送りして、16:03のひかりで、17:32、浜松着。18:05、帰宅。

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*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Jun 25 2015
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