*2012年11月12日:「幻想文学講義」
*2012年11月13日:逆フーディーニ [;^.^]
*2012年11月14日:クラッチが壊れかかってる? [/_;]
*2012年11月15日:久々の自転車出勤
*2012年11月16日:久々にどんぶらこ
*2012年11月17日:レーピン展/マーチ寿命 [_ _]
*2012年11月18日:太田記念美術館/いちょうホール
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*2012年11月12日:「幻想文学講義」


 きとう歯科医院で、3ヶ月に一度の検診とクリーニング。コンディションは、すこぶる良好。

 幻想文学講義 ――「幻想文学」インタビュー集成」(東雅夫編、国書刊行会)、ようやく読了 [;^J^]。よみごたえ、ありました。ポストイットしたところを何ヶ所か抜き書き(要約)しておこう。

 奥野健男が引く川端康成の言葉−「『雪国』は西洋人にはわからない小説だ」「あそこには生きた人間がいない」「あれはみんなお・化・け・だ」(62頁)。

 松岡正剛の語る鉱物幻想−「もっと鉱物の背後にある“超鉱物”といったものを想定してもよいとおもう。「鉱物たちの神々」が話題になるべきだ――」(199頁)。

 菊池秀行が誉めるキングの「霧」の場面−「それは何といっても、おしまいの方で出てくる超巨大怪物(笑)」(265頁)。

 乱歩と正史の共作「女妖」は「それにしてもひどいものです」(中島河太郎、398頁)。

 乱歩への評価は、なだいなだの「幼児性の噴出と童話性」にせよ、澁澤龍彦の「人形趣味、玩具愛好」にせよ、中井英夫の「孤独すぎる怪人」にせよ、群盲象を撫でるの感がある(中島河太郎、400頁)。

 ベックフォードのフォントヒルの大邸宅にせよ、ウォルポールのストロベリーの邸宅にせよ、アメーバ建築である。建築は究極のソリッドな形態ではなく、いくらでも有機的に発展できる生命体であるという発想。それがゴシック小説の有機性にも繋がるはずだったが、そこで繋がらないところに言語の宿命があった(高山宏、547頁)。

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*2012年11月13日:逆フーディーニ [;^.^]


 朝、またしても自転車用グローブが見つからず、さんざん捜しまくった挙げ句、早朝サイクリングへの出発時刻が遅くなり、1時間コースから30分コースに変更せざるを得なくなった。

 どこにあったかって? 言うまでもなく盗まれた手紙。目の前80センチにありました [;^J^]。どうしてそれが、15分間も視界に入らないかなぁ..[;^.^]

 前にも紹介したかもしれないが、奇術王フーディーニの名セリフ。「全ての観客の目の前から、舞台の上の象を消して見せよう」..仮にそこに物理的に(光学的に)巨大な象が存在しても、注意をそらされてしまえば、消えてしまう(見えなくなる)のである。さしずめ私は、「逆フーディーニ」といったところか。[;^.^]

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*2012年11月14日:クラッチが壊れかかってる? [/_;]


 会社で定期健康診断。今年の前半は、去年に比べると運動不足気味であった。結果はどうかな..

 帰路、改めて確信した。これはもう、完全におかしい。

 先週あたりから、気になりはじめていたのだが、マーチ(マニュアルミッション車)から、低速回転時の「粘り」が失われ、ガタガタと振動しやすくなっている。わかりやすく言うと、セカンド発進ができない。常時、これまでよりもシフトを一段階は下げる必要がある。また、シフトチェンジがしにくくなっている。走行中、ローやセカンドに入れようとすると、クラッチを完全に踏み込まなければならない。バックとなると、完全に踏み込むだけでなく停止もさせておかないと、ギャン! と、鳴ってしまう。

 直感的には、クラッチ板にトラブルが発生しているように思える。走行中に壊れてしまう可能性すら、考えられる。

 先週末の時点で、浜松日産の伊場店に、今週土曜日に点検してもらう予約は入れてあるのだが、明日・明後日(木・金)もたないかも知れない..明日と明後日は自動車は使わず、自転車出勤だな [;_ _]。土曜日にそーっと、浜松日産伊場店まで、転がしていくことにしよう。[;^J^]

 19時に、あらかじめアポしていた、ワインのピーロートの新担当のN氏が来訪した。やはり、前担当のMさん(美●女)は(私に一言の挨拶もなく [/_;])退職されたとのこと [;_ _]。残念だが仕方がない。こんなことだとわかっていたら..(← こらこら。[;^.^])

 N氏は(推測していたとおり)新人である。22歳でまだ3ヶ月目。(この時期に3ヶ月目ということは、やはり就職には苦労されたのだろう。)電話でアポも満足にとれないありさまで呆れていたのだが、そういうことなら仕方がないか [;^J^]。まだこれからだ。感じのいい青年なので、これまで同様、2銘柄を半ダースずつ、計12本発注した。(場合によっては制裁のために [;^.^] 発注数を半減させようかと考えていたのである。[;^J^])

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*2012年11月15日:久々の自転車出勤


 ..というわけで、今日は(マーチのコンディションが恐いので [;_ _])久々に自転車出勤である。

 昼の休憩時間に、吾妻ひでおさんのツイートで、八王子のいちょうホールで昨日から開催されている「第19回 “癒し”としての自己表現展」に、イラストと漫画が出展されていることを知る。調べてみたら、今週末の18日までである。来週末なら別件で上京するのでちょうどいいのだが..しかし、交通費を惜しんでいる場合ではない。今週末も急遽上京。新幹線にするか、バスにするか..

 帰路、気が付いたのだが、自転車の後輪が柔らかすぎる。先週末土曜日の浜名湖一周サイクリング時にパンクの修理をしたのだが、不完全だったかな? チューブの交換をしたのだが、タイヤ側に棘でも残っていたかな..

 O内科医院で月いちの診察をしてもらってから、A輪店に立ち寄って自転車を診てもらったところ(行き付けのナカノサイクルセンターに行かなかったのは、閉店時刻を過ぎていたからである)、やはり微小な鉄片が刺さっていた。ほかにもパンク修理時の私の作業ミスもあったので、そちらも修正していただいた。代金は1500円。結果として、禍を転じて福と為す、であった。[;^J^]

 自転車の走行距離、8000キロ突破。

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*2012年11月16日:久々にどんぶらこ


 今日も自転車出勤である。

 大部屋で仕事をしているのだが、私の背後の(別のチームの)島で、作業をしながら雑談している声が聞こえてきた。

「どうして、きのこのアイコンが「マタンゴ」なの?」

 ..何かのシステムで使われているアイコンのニックネームが、「マタンゴ」であるらしいのだが、全員が20代から30代であるそのチームのメンバーは、誰も「マタンゴ」を知らないらしい..

 ..ここは、我慢のしどころだ [;^J^]。ここで振り向いて語りだしてはいけない [;^.^]。それをするから、「オタクは社会の迷惑です」、と煙たがられてしまうのだ..と、私が葛藤しているうちに、ぐぐるか、うぃきるか、したらしい。

「ああ! ホラー映画のタイトルなんだ! キノコが出てくるんだって..」
「アメリカの?」
「日本の。昔の..」
「へぇぇ..」

 ..あぁ、よかった。助かった。[;^.^][;^.^][;^.^]

 19時に、久々に「どんぶらこ」へ。Kさんとの飲みである。

 この店は、コストパフォーマンスが高く、料理が美味い。ちょっとここには書けない話など、いろいろ話し込んでいるうちに、たちまち時間が過ぎて、お開きは0:20。たまには不健康な午前様も、悪くない。(健康診断は終わってるしさ。[;^J^])

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*2012年11月17日:レーピン展/マーチ寿命 [_ _]


 9:30に、浜松日産伊場店へ、マーチをおっかなびっくり [;^J^] 転がしていく。点検が終わるのは17時頃の予定。代車はリーフ。

 知らなかったが、電気自動車なのである [;^J^]。乗り方を教えてもらったが、とにかくオートマですらないわけで、シフトというのかなんというのか、「前進」「後退」「ニュートラル」しかない [;^.^]。そして静か。静かすぎる。マニュアルミッションのマーチとは、まったく違う世界である。これはもしかして 嫌がらせ 営業か? [;^.^][;^.^][;^.^]

 リーフに乗って、9:50に、いったん帰宅。この頃から雨が降り始める。改めてリーフで街中へ出動。10:25に、浜松市美術館。「<近代ロシア絵画の巨匠> レーピン展」である。

 国立ロシア美術館所蔵の、有名な「ヴォルガの船曳き」画像検索結果)自体は来ていないのだが、習作がいくつか来ている。「浅瀬を渡る船曳き」画像検索結果)も、そのひとつ。改めてじっくり観てみたが..やはりこれは、凄いな..完成作の、ひとりひとりの描き分けも息を呑むが、習作の「黒いマッス」にもまた、ずっしりとした重量感がある。

 「夕べの宴」画像検索結果)の躍動感。「長輔祭」画像検索結果)の存在感。「皇女ソフィヤ」画像検索結果)の目ぢからはもう、尋常ではない。仇敵を睨み殺す視線である。

 「トルコのスルタンに手紙を書くザポロージャのコサック(習作)」画像検索結果)は、まず間違いなく、ティーンエイジャーの頃に観ていると思う。完成作ではなく、この習作を、である。完成作(2バージョン)は出展されておらず、それぞれ参考図版として複製が展示されているのだが、それらの参考図版にはなく習作にある、左側の上半身裸の男に見覚えがあるのだ。この群像のいきいきとした表情の豊かさは、ほんとうにどれだけ観ていても、見飽きることがない。

 「休息−妻ヴェーラ・レーピナの肖像」画像検索結果)は、問答無用の愛らしさ! 私は結局独身でいることを後悔してはいないが、こんな奥さんがいるといいな..と、思わないでもない [;^J^]。「少年ユーリー・レーピンの肖像」画像検索結果)、「あぜ道にて−畝を歩くヴェーラ・レーピナと子どもたち」画像検索結果)ともども、素晴らしい家族の肖像である。

 肖像画セクションでは、「ユーリヤ・レープマンの肖像」(残念ながら、ネットから検索できず)のほか、あまりにも有名な「作曲家モデスト・ムソルグスキーの肖像」画像検索結果)、および、「文豪レフ・トルストイの肖像」画像検索結果)、「ピアニスト、ゾフィー・メンターの肖像」画像検索結果)など。

 そしてなんといっても最大の目玉が、「思いがけなく」画像検索結果)である! この迫真のドラマの緊張感は、まさに比類がなく、ひとりひとりの表情に時間軸方向の底知れぬ深みがあるのだ。これを観られて、本当によかった..

 12:00頃に退出し、りそな銀行でキャッシュを補給。谷島屋、遠鉄ストア、百均と回って、帰宅したのは13:20。

 16:20に浜松日産伊場店から点検終了の電話があり、出向く。この時点で、既に嵐 [;^.^]。で、見積もりだが..

 ..オイル漏れが酷く、クラッチその他がダメージを受けている。当面、クラッチだけメンテして乗り続けることは可能だが、いつかは必ず、オイル漏れも修理しなくてはならない。その場合、部品代と工賃、合計22万と出た [;_ _]。これは、無理だ。なにしろ、95年に購入した93年型なのである [;^J^]。この修理代は、見合わない。ここまでか..

 17年間も、さほど大きな故障もなく、無事に私を運んでくれたのである。本当に、お疲れ様でした。[_ _][_ _][_ _]

 特に危険な状態であるわけではなく、丁寧に運転している限り大丈夫ではあるらしいが、いずれにせよ大至急、次の車を探さなくてはならない。11月22日の13時に、浜松日産U−Cars市野店へ在庫を見に行くことにした。

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*2012年11月18日:太田記念美術館/いちょうホール


 7:25に出て、直近のバス停からバスに乗ったところ、14分ほど遅れており申し訳ございません、との車内アナウンス。自衛隊浜松北基地のエアフェスタのせいらしい。浜松駅のバスロータリーでは、エアフェスタ会場へのシャトルバスに長蛇の列。

 8:10のひかりで上京し、9:55に原宿着。歩いて3分ほどの「太田記念美術館」は10:30開館なので、手近の千疋屋のモーニングで時間調整。

 10:30に、太田記念美術館へ。「没後120年記念 月岡芳年」の後期展示である。(前期展示は、10月27日に観ている。)

 全ての展示作品が琴線に響いたわけではなく、さほど興味を持てない作品も中にはあることはあるのだが、それにしても、いちいち言及していたらきりがないほどの傑作揃いである!

 まずいきなりの「猿田彦図」(2種)がいずれも素晴らしい。「美勇水滸伝 黒雲皇子 将軍太郎平良門」画像検索結果)は土蜘蛛の表情が面白いし、「英名二十八衆句 姐妃の於百」画像検索結果)の幽霊は、「墓場鬼太郎」の最初のエピソードで鬼太郎が産まれる前の鬼太郎の父親(目玉になる前のごつい全身包帯男)と母親の売血を輸血されてしまって幽霊化してしまった人間、の、元ネタだと思う。(「墓場鬼太郎」が手元に無いので記憶で書いているが、多分。)「英名二十八衆句 直助権兵衛」画像検索結果)の、顔の皮剥スプラッタは、やはり衝撃的。

Picture

 ネットからうまく検索できないので図録からスキャンしたが、「魁題百撰相 鈴木孫市」(左図)は、大好きな作品である。重傷を負いつつも、迫り来る敵を目前にして、腹が減っては戦ができぬとばかりに兵糧を喰らう孫市の瞳の不屈の輝きは、本当に素晴らしい。



 「郵便 報知新聞 第六百六十三号」は、夢魔の像。「隆盛龍城攻之図」は、地上の戦いに破れた西郷隆盛が、この上は竜宮城を攻め落として自ら龍王となり、海底に独立国を作ろう、と、真面目に語っていた [;^.^] というエピソードに取材した、勇壮な幻想戦争画。「古今日女鑑 鞆絵女」画像検索結果)の凛々しさ。「見立多以尽 はんだんをしてもらいたい」の色気。「新柳二十四時 午後十一時」画像検索結果にはシリーズの作品がいろいろ引っかかってしまっているが、青と赤のすっきりした近代的なデザイン感覚の作品が、これ。

 「大日本史略図絵 第九十一代亀山天皇」画像検索結果)の雷と雨の効果線。「日本略史之内 素戔嗚尊出雲の簸川上に八頭蛇を退治したまふ図」画像検索結果)のヒロイックな迫力は、そんじょそこらの「アンドロメダを救出するペルセウス」図なんぞ、メじゃないぜっ [^.^]

 「和漢奇談鑑 佐倉宗吾 酒呑童子」画像検索結果)の、ピンクの肉感は、酒呑童子図としては珍しいように思う。「皇国二十四功 弼宰相春衝」画像検索結果)は、有名な「燈台鬼」の物語。「不知籔八幡之実怪」画像検索結果)の、妖怪たちのど迫力。

 「芳年略画 蝙蝠之五段目 鐘之世界」画像検索結果)の蝙蝠は愉快だし、鐘の中の清姫は色っぽい [^.^]。「新容六怪撰 平清盛」画像検索結果)は、観たことがある人も多いだろう。有名な作品である。「芳年武者无類 源牛若丸 熊坂長範」画像検索結果)の、スタイリッシュな決めポーズの妙。

 「曽我時致裸馬駆大磯」画像検索結果)の、人と馬の描法を変えた、スピード感の演出。うまく検索できないけれど、下絵もすごいんです [^.^]。さらに、「金太郎捕鯉魚」画像検索結果)、「奥州安達がはらひとつ家の図」画像検索結果)、「芳流閣両雄動」画像検索結果)、「羅生門渡辺綱鬼腕斬之図」画像検索結果)など。

 「清玄堕落之図」画像検索結果)の、幽鬼のごとき清玄の凄み。「風俗三十二相 いたさう 寛政年間女郎の風俗」画像検索結果)の色気。「新形三十六怪撰 清姫日高川に蛇体と成る図」画像検索結果)も、まだ人間の姿であるだけに、このあとのメタモルフォーゼを予感させ、いっそう、効果的である。

 12:10に退出し、中央線で八王子へ向かう。

 ここからバスで「いちょうホール」に向かうのだが..駅前のバス停にこんな看板が [;^.^]。東京ってこわいの? 八王子ってこわいの? [/_;][/_;][/_;][;^.^]

 ふたつ先のバス停で降りて、さらに徒歩3分で、13:40にいちょうホール着..バスを使わなくても徒歩15分ぐらいだったかな、もしかして [;^J^]。「第19回 “癒し”としての自己表現展」である。会期は今日まで。吾妻ひでおのイラストと1頁漫画、計4点も出展されている。意外だったのは写真撮影可だということ。そうと知っていれば、まともなデジカメを持ってきたのにぃ..[/_;][/_;][/_;][;^.^]

 旧知の吾妻ファン3人と会場で会い、最終的には16:10に退出。陶器市を冷やかしながら、八王子駅に着いたのが16:30。駅で散会し、八王子発16:49の横浜線で新横浜からこだま。19:23に、浜松着。駅前の遠鉄デパ地下で総菜を買って、20:00に帰宅。

 今日は移動中、できるかなゴーゴー!」(西原理恵子、SPA COMICS)を読んでいたのだが、所収のイタリア旅行記に、行く先々で、ワインのつまみに、「スライスパンにオリーブオイルをダブダブぶっかけチーズ乗せ」を出されて閉口したというくだりがあり、これはなかなか美味そうだと、フランスパンをスーパーで買ってきて、これに自宅備え付けのオリーブオイルとチーズで食してみたら..

 ..ウマ! [;^.^][;^.^][;^.^]

 たいした食材ではない(特段、高級品でもない、普通のエクストラバージンと普通のクリームチーズである)のだが、それでもこの美味さ。思わず、パンをどんどんスライスして量産しかけたところで、正気に帰った [;^J^]。いくらオリーブオイルに健康にいい成分(オレオカンタールなど)が含まれているからといって、カロリーが低いわけではない。こんなもんをばかばか食ってるから、イタリア人は、あんな体型になっちゃうんだよ! [;^.^] あぶねー、あぶねー。騙されるところだった。[;^.^][;^.^][;^.^]

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*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Nov 22 2012
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