*2010年12月13日:Yet Another Munch's“幻想”
*2010年12月14日:「世界の怪物・魔物文化図鑑」
*2010年12月15日:「古城の亡霊」
*2010年12月16日:ミステリーゾーン「白い雲の果て」
*2010年12月17日:そろそろ、危険 [;^.^]
*2010年12月18日:「マイセン 西洋磁器の誕生」展/手塚治虫ファン大会/同オフ
*2010年12月19日:「空と宇宙展」「デューラー版画・素描展」
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*2010年12月13日:Yet Another Munch's“幻想”


 まだ咳が残っているとはいえ、風邪はほぼ治まったようである。天候次第だが、明日から自転車通勤を再開することにする。

 積視聴DVDの山を掘っていたら、こんなのがでてきた。「幻想交響曲 他」(VAI 4317、ミュンシュ/ボストン交響楽団、1962、ライブ)..ころっと忘れていましたよ。いったい私は、ミュンシュの幻想のライブDVDを、何枚持ってるんだ? [;^J^]

 すみずみまで知り尽くしている曲であるし、ミュンシュの指揮ぶりもよく知っているということもあり、BGV的に流しておきながら、他の作業(読書、雑誌チェック、資料整理等など)に着手しようとしたのだが..はい、もちろん、耳も目も奪われて、その他の作業になんか、全然手をつけられませんでしたよ。[;^.^]

 モノラルだしカメラは時々震えているしで、条件はよくないのだが、とにかく熱っぽい。驚くのは、そのスピードである。特に第4楽章と第5楽章の速度は尋常ではなく、私の口は半開き。ほとんど阿呆みたいな顔して聴き入って(見入って)おりましたよ [;^.^]。そしてまた最終和音の長いこと! 併録の「交響詩“海”」「ダフニスとクロエ 第二組曲」も、悪くない。

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*2010年12月14日:「世界の怪物・魔物文化図鑑」


 朝、雨のため、自転車通勤再開できず [;_ _]。まぁ仕方がない。(雨の中を走る根性は、無いのです。)

 昨日アマゾンした世界の怪物・魔物文化図鑑」(Christopher Dell、2010、蔵持不三也、松平俊久訳、柊風舎)が届いた。東雅夫の幻妖ブックブログでの紹介を読んで興味を惹かれていたのだ。古今東西の幻想怪獣怪物魔物を蒐集列挙したもので、しばしば積極的に東西を対比させている。192頁を埋め尽くすオールカラーの図版が美しいとはいえ、この世界の底は果てしなく深く、これだけ集めても(例えば「山海経」からは採られていないなど)これらの図像の向こう側に厖大な量に及ぶ欠落が見えてしまうのだが、それは無いものねだりというものだろう。十分便利で、刺激的な本である。お薦め..と言いたいところだが、約7千円の、高価な本だからなぁ..(ちなみにアマゾンのマーケットプレイスでは、出版されたばかりの本書の古本が、さっそく1万4千円で売られております。版元品切れでもないのに、誰が買うんだろう?)

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*2010年12月15日:「古城の亡霊」


 今日は晴れた。自転車通勤、再開である。時速30キロで正面から浴びる寒風はもちろん冷たいのだが、エアコン(ヒーター)の効いた自動車の運転席とは比較にならないほどの快感である [^.^]。とはいえこれでまた風邪をひきなおしてしまったら元も子も無いので、会社に着いてから、冷えないように汗を拭き、しっかりと嗽(うがい)をする。

 私の積視聴は、パッケージメディア(DVD、LD)だけではない。BS/CSから録っただけで再生していない映画やTVドラマ(等)の録画も、推定550枚前後に及ぶ。(昨年12/24のたな卸しの時点で、533枚あった。)いくらかでも減らさないと..

 ..というわけで、5年前に録画した「古城の亡霊」を片付けた。ロジャー・コーマン製作/監督の一連の低予算B級映画のひとつ。他の映画の撮影が終わったあとのセットをそのまま流用して、僅か3日間で撮り上げたという、ある意味見上げたプロの仕事 [;^J^]。出演者にジャック・ニコルソン、ボリス・カーロフ、ADにフランシス・コッポラなど、無駄に豪華な布陣を誇る。[;^.^]

 これが案外、悪くない。確かに、ストーリーは多少混乱しているのだが、その辻褄の合わなさがまた、いわば“悪夢のような”幻想的な雰囲気を醸し出している。そもそも、この広大な古城に、城主と執事の二人しか棲んでいない(メンテナンスできるわけがない)という時点で、完全に非現実的なのだ。結末はやや弱いというか想定どおりなのだが、弱点とは言えない。そこにいたるムードだけに価値がある作品なのだから。

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*2010年12月16日:ミステリーゾーン「白い雲の果て」


 「ミステリーゾーン DVDコレクション」(イーグルモス・インターナショナル)の刊行ペースが早くも落ちている様な気がするが [;^J^]、それはそれとして、朝食を食べながら、第6号に収録されている「白い雲の果て」を観ていたのだが..

 要するに、タイムスリップ譚である。1917年、フランス上空を偵察飛行していた英国陸軍航空隊のデッカー少尉が、1959年の米軍基地に着陸してしまった。もちろん(その骨董品級の機体や所持品の数々にも関わらず)信じてもらえるわけがない。ふむふむ、このパターンね..と、気楽に観流していたのだが..少尉の主張(「私は1917年から来たんだ!」)を裏付けてくれるはずの、少尉の同僚で、その後救国の英雄として活躍して今は英空軍少将となったマッカイと会うことを、少尉は嫌がる..いや、マッカイが生きているはずは無い!と叫ぶ。それは何故か..

 ..軽いアイデアストーリーかと思っていたら、ここから一気に、重厚な人間ドラマとなる。私は驚き、居住まいを正した。確かに、今となっては使い古されたプロットだが、正味23分という限られた時間を過不足無くジャストサイズで完璧に使い切って、複雑すぎない(一般的な視聴者が無理なく理解できる)感動的な「過去の改変」テーマの短篇SFを見事に作り上げている。脚本は誰かと確認してみたら、リチャード・マシスン。さすがである。

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*2010年12月17日:そろそろ、危険 [;^.^]


 今日も爽快な自転車通勤。確かに寒いが、寒ければ寒いほど爽快である [^.^] ..のだが。

 指先というか手全体の感覚がなくなり、ブレーキ操作やシフトチェンジ操作に支障を来(きた)しているのはさすがに問題なので [;^.^]、来週から手袋を装着することにしましょうか。

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*2010年12月18日:「マイセン 西洋磁器の誕生展」/手塚治虫ファン大会/同オフ


 6:50に自宅を発ち、7:49のひかりで上京。六本木一丁目の大倉集古館に着いたのは、開館時刻10分前の9:50。「開窯300年 マイセン 西洋磁器の誕生」展である。

 マイセン磁器をまとめて(系統立てて)観るのは初めてであるが、あまりの素晴らしさに言葉を失う。特に、細密に描かれた風景画など、どれだけ観ていても観飽きることがない..これは是非とも売店でなにかひとつ買って帰りたい!..と盛り上がったのだが、陳列されているのは、5万とか30万とか..人がせっかく、廉価なレプリカでも構わないから、と下手に出てるというのに、本物ばっか並べてんじゃねーよ![/_;][/_;][/_;] ここは確かに六本木だが、客は富裕層とは限らねーんだよ![/_;][/_;][;^.^]凸

 ..気を取り直して、庶民の街・渋谷へ [;^J^]。タワレコの手前の地下の店(店名失念)でオムライス。タワレコでCDを買って、シダックスホールに着いたのが、12:50頃。

 手塚治虫ファン大会である。手塚プロ主宰のこの大会に参加するのは(意外に思われるかも知れないが)今回が初めて。13:30開会。主催者挨拶(松谷孝征、手塚眞)から始まり、スペシャルトークショー「おやじの秘密、しゃべっちゃおう」は単行本「ゲゲゲの娘、レレレの娘、らららの娘」のスピンアウト [;^J^] 企画で手塚るみ子、赤塚りえ子、三田挌(編集者)の鼎談。蔵出し上映は「魔神ガロン(実写版)」「ノーマン」「ガムガムパンチ」の未公開パイロットフィルム。ウクレレ演奏、研究発表(「白いパイロット」の単行本未収録部分)、手塚プロへの質問、来春公開の「ブッダ」の上映記念予告編と未公開パイロットフィルム。それなりに面白うございました。17:45頃終了。

 参加者の一部(というかいつものメンツ [;^J^])で、徒歩15分ほどの「DINING 彩 渋谷宮益坂店」で、オフ。えーと、20人ぐらいだったかな。初対面の方、8人ほどのうち、田中麗奈に雰囲気が似ている女性がいらっしゃいました [^J^]。一次会は20:40終了。さて、二次会だが..

 ..しけこむ店を探しに彷徨い出たのは、10人ぐらい? 途中で何人か脱落して、最終的には7〜8人? いまいち曖昧なのは、もちろん、一次会が飲み放題で、白ワインをデキャンタで十分いただいたからであるが [;^J^]、問題は、この私に引率(店探し)をさせた他の連中で [;^.^]、つまり彼らの判断力もだいぶ怪しかったのだろうと推測されるが、もしかすると、客観的には「しゃんとしている」様に見えたのであろうか。それはともかく、どこぞのカラオケボックス(ビルの6F)に入ることに決めたのだが、すぐには入れず数十分待ち。それまでの間、このビルの4Fの店にいったん入って呼ばれるのを待つ、という「複雑な」案件となり [;^J^]、それをやはりいささか酔っぱらっているほかの連中に伝え、この「待機の」店にいれ、しかし勝手にここから彷徨い出すやつも(確か)いて、それを呼び戻しに行ったりしつつ、最終的に無事に全員?カラオケボックスに入れたのは、奇蹟のようなものである。(主観的には、酔っぱらいの羊の群を柵に追い込む酔っぱらいの牧羊犬であった。[;^.^])手帳には、「9:23 つなぎの店」という判読困難な文字が記されているが、この夜の行動の手がかりは、これだけ [;^J^]。 その後カラオケボックスでの記憶も断片的で(多分、私は歌わなかったと思う)何時に出たのかも判然としないが、駅前で散会した記憶はあるし、ちゃんと水道橋のスパ ラクーアまで辿り着けた(つまり、新宿で乗り換えることができた)のだから、立派なものである。[;^.^]

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*2010年12月19日:「空と宇宙展」「デューラー版画・素描展」


 例によって無駄に早く目が覚めたが、朝風呂をたっぷりと堪能して、リフレッシュ完了。酒は一滴も残っておりません..というか、もう長年(10年以上?)二日酔いをしていない。限界を越える前にヒューズが切れて落ちる(眠る=アルコールを摂取しなくなる)ようになったからであると推測される。[;^.^]

 今日も好天。早めに起動して、上野の国立科学博物館前に着いたのが、開館時刻10分前の8:50。「空と宇宙」展である。会場内の順路がわかりづらく(というか、事実上順路が無く)少々イライラしたが [;^J^]、展示内容はなかなか良い。一般的には「はやぶさ」関連の展示が目玉だろうが、私がむしろ気を惹かれたのは「イカロス」である。人類初の「宇宙帆船」を日本が飛ばしたことは、もっともっと誇って良いと思う。

 11:20まで観てから、隣の国立西洋美術館へ。まずはレストラン「すいれん」でビーフカレーとワイン。このワイン、デューラー展記念ワインとかで、銘柄は忘れたけど、非常に美味しいので、行く機会があれば飲んでみるといいよ。

 で、12:20から「アルブレヒト・デューラー版画・素描展 宗教/肖像/自然」。やはり素晴らしい! 超大作「神聖ローマ皇帝マクシミリアン1世の凱旋門」には、いささかの虚飾を感じないでも無かったが、各種の「受難伝」や肖像画(特に「ウルリヒ・ファルンビューラー」像など)、そしてやはり三大銅版画「書斎の聖ヒエロニムス」「メランコリアI」「騎士と死と悪魔」。例の「犀」も来ています。[^.^]

 14:15まで観てから、常設展エリアの特設コーナーの「アウトサイダーズ」展も観る。農民、道化(カロの連作)、乞食(同)、ジプシー(同)、外国人(ドーミエ)など。図録はないが、これもなかなか興味深い内容である。

 微妙に早いが、もうひとしな欲張ると、余計な疲労を背負い込むことになる。ここは素直に、15:26東京発のこだまで浜松へ。メイワン地下の成城石井でイタリアンな食材を2〜3買って、18:30に帰宅。

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*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Dec 23 2010
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