*2008年06月02日:整理しない整理術
*2008年06月03日:アルコールについて
*2008年06月04日:ガソリン代
*2008年06月05日:雑草狩り
*2008年06月06日:野田昌宏、逝去
*2008年06月07日:「エンタの神様」
*2008年06月08日:秋葉原・無差別大量殺傷事件
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*2008年06月02日:整理しない整理術


 確かこの話は以前に書いていたはずだが..と検索してみたら、書いていなかった。

 「整理しない整理術」の話である。遙かな昔にどこで読んだのか、もう完全に記憶を失っているが、さまざまな著名人の「整理術」が紹介されている、確かグラビア。その中で異彩を放っていたのが(確か)水木しげるで..彼の整理術の極意というのが、「いったん置いた場所から動かさない」、というものだったのである。

 まさに逆転の発想である。検索性を高めようと思ってあちこち配置換えしたりするから、かえって、どこに紛れ込んだのかわからなくなってしまうわけで、いったん置いた場所に(何年も、何十年も)動かさずに置き続ければ、行方不明になることなどない。(風景の一部に同化して「見えなくなる」というリスクはあるにせよ。)しかし、それはあまりにちょっと..というのが、(何年前か何十年前か忘れたが)その記事を読んだときの感想であった。「検索性が、皆無ではないか」、とね。

 しかし結局世の中においては、こういう「整理しない(動かさない)整理術」というのが(意識的にせよ無意識的にせよ)結構主流なのではないか、と、最近は思っている。一例をあげると「現代マンガ図書館」である。大部分の蔵書は閉架の書庫に収められているのであって、そこはおそらく整然と?整理されているのではないかと想像しているのだが、蔵書の一部は閲覧室の壁一面に並べられている。(勝手に読むのは禁止であるから、「開架」ではない。「閉架」の一部が閲覧室にあふれ出している、というのが正しい。)その閲覧室の書架であるが..ものの見事に、無秩序なのである。漫画家名でも出版社名でもソートされていない。いかにも、「以前からここに置いてありますので、このままです」、といった風情なのだ。そして、閲覧請求をした書籍がその中に含まれている場合は、手際よくその書架の中から探し出して持ってきてくれる。まさに、「何十年間もそこにあるから、何がどこにあるのかは憶えています」、と言わんばかりに。

 そしていまや自宅の書架も..[;_ _][;_ _][;_ _][;^.^]

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*2008年06月03日:アルコールについて


 酒の話ではない。[;^J^]

 台所のゴミ箱は蓋付きなので、異臭が部屋に立ちこめることはないのだが、逆に言うとゴミ箱の中に籠もっているので、ゴミを棄てる時に蓋を開けると、結構きつい臭いに襲われることがある。(自宅の台所(DK)の窓が潰されていて、空気がほとんど流れないことは、何度か書いていると思う。)以前はそれほど気にしていなかったのだが、最近の異臭が以前よりも明らかに強烈なのは、魚料理が多くなった(魚の残骸が棄てられることが多くなった)からだろうか。その類のものはいったん別のポリ袋に密封してからゴミ箱に入れるなどの「過剰包装」をしているにも関わらず、我慢の限界を少々越えつつある。(「勝手口の外の屋外のポリバケツ」に入れて屋内から追い出すことなど、出来ないのです。なぜならそもそも「勝手口」が存在しないから。[;^.^])

 そこで、消臭剤のスプレーを買ってきた。(前述のとおり、これまでは必要性を感じていなかったのだ。)「クイックパンチ」という奴。試しに2〜3回スプレーしてみたら、なるほど確かに良く効きそうだ。ただ、これを試している最中に、指先消毒用(除菌用)のアルコールのスプレーの存在に気が付いた。(健康保険組合から、時々もらえるのである。)悪臭の原因が雑菌の繁殖にあるとすれば、これは使えるのではないか?と考えて、異臭を放つゴミ箱の蓋を開けて、アルコールを数回スプレーしたあと、密閉してみた..で、半日ほどおいてから開けてみたら..明らかに、臭いがマシになっている。アルコールの匂りによるマスキング効果もあるのだろうが、確かに、臭いの元が「弱っている」感じである。こんなに効くとは思わなんだ..そして、多少は(まだ)疑ってもいる。なぜなら、アルコールスプレーに「効用」が印刷されているのだが、その中に「消臭」というのは無いからである。これほど効くのならば、麗々しく謳ってもよさそうなものなのに..

 ま、しばらくは、アルコールとクイックパンチを併用してみることにしますか。これから夏場なので、異臭対策は切実なのである。

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*2008年06月04日:ガソリン代


 mixi日記を読んでいると、リッター175円の地方もあるらしいので、多少は戦々恐々としつつ、いきつけのIKKOにガソリンを入れに行ったら、レギュラーはリッター167円。私はプリカで支払うので、4円引きで、リッター163円である。

 つい最近まで、150円前後だったので、そりゃもちろん、かなりの値上げ幅である。が、「175円」と比べれば、全然廉い..というわけで、「相対性」の罠に綺麗にはまって、「別にたいして値上がりしてないじゃん」、としか思えない。困ったもんだ。[;_ _][;^J^]

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*2008年06月05日:雑草狩り


 会社行事で、残業時間帯に草むしりを行う。私が担当したエリアは、駐車場の外側と歩道の間の石垣である。参加者が多かったこともあり、当初の予定は1時間であったが、40分少々でお開きとなる。多少は疲れた。運動不足は、ダテじゃないぜっ [;^.^]

 それにしても..むしり取られた雑草たちは、業者に渡されて堆肥になるのだから「無駄死に」ではないにせよ..ひっそりとけなげに生きてきた何の罪もない植物に対して酷いことをしているという感覚は、確かにある。

 そんなことだから、作業中に「雑草」ならぬ「雑念」があとからあとからやってくるわけだ。

「雑草という草は無い」(某天皇)

 ..とか、

交響曲第4番「不滅」(ニールセン)

 ..とか。ちなみにこの曲についての作曲者の言葉は、「音楽は生命である。そして、音楽は、生命に似て、不滅である。この交響曲は、偉大な芸術のみならず、人間の魂もまた不滅であることをあきらかにすべく意図された」というものであり、多くの人は、ここに「宗教的」「英雄的」メッセージを読みとるであろうが、私の受け止め方は、違う。ここでいう「不滅(原題のニュアンスは、「消し難きもの」)」なる存在とは、「植物」ではないだろうか。

 従って、私が暗唱している数少ない詩のひとつもまた、ここで想い出し、呟くことになる。

「自由」よ、さはれ爾の旗、裂かれて猶もひるがへり、
あらしに向ひ雷雲の狂ふが如く閃めくよ、
爾の鋭き喇叭のね、弱りて今は消えんとするも、
なほ烈風のあとに殘せる至高の聲。
爾の樹木は花を失ひ、其樹皮は
斧に切られて姿は粗し又賤し
されど樹液は猶のこり、其種北土の
胸にすら深く蒔かれて地にうもる、
かくて他日の優る春かく苦からぬ果(み)を生まむ。

(バイロン『チャイルド・ハロルドの巡禮』より 土井晩翠譯)

 ..そろそろ、正気に帰ろう。[;^J^]

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*2008年06月06日:野田昌宏、逝去


 ..いつかはこの日が来るとは知っていたが..

 ここでいちいち、彼の業績を挙げることはしない。(Wikipedia を引いていただきたい。)テレビプロデューサー、SF作家、翻訳家..しかし私にとっては、なによりもまず、SFマガジンに1963年から1965年にかけて連載された、「SF英雄群像」の著者なのである。近年、単行本にもなっているので、それで読まれた方も多いと思うが、この連載の功績は、どんなに称揚しても称揚しきれるものではない。これがなければ、日本に「スペースオペラ」が根付くのが数年どころか数十年オーダーで遅れたか、あるいは全く根付かなかった可能性もあったのだ。まさに、文化史的偉業だったのだ。

 厳密に言うと、私はリアルタイムでは読んでいない。父がスクラップしていたSFマガジンの切り抜きで、恐らくは1969年頃に読んだのだが..文字どおり、夢中になった!

 この連載で初めて日本に紹介された「知られざる」スペースオペラ(のヒーローたち)のラインナップと来たら! ..バック・ロジャーズ/ジョン・カーター(火星シリーズ)/キャプテン・フューチャー/リチャード・シートン(スカイラーク・シリーズ)/アーコット・モーリイ&ウェイド/キムボール・キニスン(レンズマン・シリーズ)/ジェイムスン教授/ノースウェスト・スミス/トーマス・エジソン/“ラジオ・マン”マイルズ・キャボット/ジェリー・カーライル(惑星間のハンター)/ジョン・カーステアズ..今となっては歴史に埋もれた感のある「英雄」も中にはいるが、まさに「途轍もない」ラインナップである!

 くどいようだが、情報が溢れかえっている「今」とは違うのである。これらの名作群が「全て」未訳だっただけではなく、量的にはこれらの数十倍、数百倍にも及ぶ「クズの山」もまた、「全て」未訳だったのである。その厖大な量の「スペースオペラ」の中に、僅かながら存在している珠玉の傑作が「どれ」であるかなどという資料は、日本にも、そして本国アメリカにも無かった時代なのである。一体全体、どうやって、このラインナップをピックアップできたのか。数々の傑作番組を世に送り出した、超多忙な敏腕テレビプロデューサーの激務をこなしつつ..全く、奇跡としか思えない。

 そして、その紹介の素晴らしさといったら! 作品をとりまく状況から、初出情報、あらすじ、名場面のピックアップ、そして数々のオリジナル挿画! SFが、スペースオペラが楽しくって楽しくって仕方がない!という高揚感がダイレクトに伝わってくる「内容紹介」の文章が特に素晴らしく、実際、のちに翻訳された「実物」よりも、それらを読んでから改めて読み返した、野田昌宏による「内容紹介」の方が、面白くてドキドキワクワクすることも二度や三度では無かったのだ!

 当時小学生で、駆け出しのSFファンだった私が虜になっていたのは、もちろん、クラークであり、アシモフであり、シェクリイであり、ブラッドベリだった。しかし、もしも「SF英雄群像」なかりせば、私はここまで、SF者(もの)にはなっていなかった。(「ここまで、道を踏み外していなかった」などと、勝手に読み替えて納得することを厳禁する。[;^.^])私は、彼によって、初めて、SFの「面白さ」「楽しさ」を、本当に教えてもらったのだ。

 彼の「死」に、涙は相応しくない。なぜなら今頃は、彼の魂は地球を遠く離れて、星の海を駆け巡っているはずだから..

 彼の帰郷に、彼の旅立ちに、祝福を..

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*2008年06月07日:「エンタの神様」


 ふと気まぐれを起こして、「エンタの神様」を観た。前回観たのは、何年前のことであろうか。

 確か、「スウィングガールズ」で白石美帆を「発見」した年だ。彼女が司会をやっていることを知って、彼女目当てでこの番組を観たら、なんと、司会者はトータル十数秒程度しか映らないので、がっくり来たことを想い出した..なぜなら、今夜も全く同じだったから。[;^.^](ま、今の私は当時ほどには白石美帆のファンではないので、当時ほどがっくりしたりはしない。今はどちらかと言えば矢部美穂の方が好みであるが、閑話休題。[;^J^})

 というわけで、この番組をほとんど観たことが無いのだが、ネットをざっと(ほんの2〜3分程度)流し読みしてみたところ、厳しい意見も少なくないようである..が、そもそも私は(最近の)お笑いに関して目が肥えていない(ほとんど観ていない = バラエティ番組で芸人を見ることは多いが、それらの番組では多くの場合彼らはトークやゲームをしているのであって、本業の「芸」をしているのではない)ので、大変楽しむことができたのだった。特に感心したのは、超新塾、姫くり、コンマニセンチ、力(りき)、我が家、桜塚やっくん、そして、陣内智則である。

 それにしても、ものの見事に、観客は女子ばかりだなぁ。(この番組に限らず、一般にバラエティ番組のギャラリーは、女子ばかりのようであるが。)まぁ別に女子ばかりでも構わないが、これが自然発生的なものか、意図されたものかは、多少気にならないでもない。(面倒だから、今夜は掘り下げないが。[;^J^])ネットには、観客のオーディションをしているという情報もあったが(無論、「サクラ」「仕込み」のためである)、それはさすがにうがちすぎだと思う。というのも、オーディションまでして選別したギャラリーにしては、反応が下手すぎるからである。[^.^]

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*2008年06月08日:秋葉原・無差別大量殺傷事件


 秋葉原で通り魔無差別殺傷事件..なんとコメントしていいものやら..

 今日の時点では、犯人の動機とか周辺状況がよくわからないのだが..まぁ、逃走するつもりは無かったようなので、「出来るだけ目立つ場所で」「出来るだけ大勢殺傷して」「名を挙げて」「死刑にしてもらおう」という、思考の流れなのであろうか。(極めて初期の段階の情報では「薬」をやっているというのもあったのだが、どうやらそれはガセだったようだ。)これは、防げないんだよなぁ..

 先走ったことを書いてしまうが、死刑廃絶論者は、もちろん、彼の死刑に対しても、反対するのだろうなぁ..(当然、池田小事件のときも、反対したのであろうなぁ..いちいち調べていないから知らないけど。)

 私は、死刑容認派である..というか、「疑わしきは絶対に殺すな。殺すべきは確実に殺せ」派である。「抑止力」としての死刑は、必要だと考えるからだ。「殺しても殺されない(死刑にされない)ということがあらかじめ判っていれば、安心して殺せる」と考える人間は、少なくないと考えるからだ。

 しかし、そもそも「死刑になることが目的」であるような人間に対しては、抑止力もクソもない。じゃぁ、「無期刑」なり「終身刑」なりが抑止力になりうるのか。なりえない。「死ぬことが不可能な状況に出来る限り長期間(望ましくは数十年間)おき、死に至るまで極限の苦痛を与え続ける」刑、というのが実現できれば、これは抑止力になりそうな気がする。しかしこんにちの「人権意識」では、これは実現不可能だろう..

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*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Jun 11 2008
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