*2004年10月04日:確認しよう
*2004年10月05日:コンプリ癖という業病
*2004年10月06日:右か左か
*2004年10月07日:恐怖の扉
*2004年10月08日:野良犬について
*2004年10月09日:上京中止
*2004年10月10日:大楽器祭/新装丸善
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*2004年10月04日:確認しよう


 高丘の郵便局から、昼休みにサイエンス誌を3箱(合計70Kg弱)、落札者に発送した。やれやれ、これで(少し)スッキリした。

 先日引き起こした、「ヤフオクでの振込処理をミスってしまって大慌て」事件について、心覚えを書いておこう。詰まるところ私のポカミスなのだが、いくつかの教訓が拾えるからである。

 まず、ヤフオクである物件を落札した。早速、通知メールが届き、振込の選択肢として、郵便局のぱるる口座の他、いくつかの銀行口座が紹介されていた。普段はぱるるで送金するのだが、たまたまこの時、ぱるる口座の残額がちょうど足りなかったので、りそな銀行から(先方指定の)S銀行の口座へ振り込み処理をした。確か土曜日の夜のことで、この時点では実際には振り込まれておらず、「振込予約」がされただけであり、実際の振込処理は月曜日の営業時間内に行われる..ということを先方に、直ちに(こちらの住所氏名付きで)メールした。折り返し返事が来て、月曜日に振り込まれていることを確認したら、発送します、ということであった。

 さて、するべき処理はしたので、あとはモノが届くのを待つだけである。翌週の水曜日になっても木曜日になっても届かないが、特に心配しなかった。発送してから届くまで3日くらいかかっても不思議ではないし、発送者の都合で、発送自体が4〜5日遅れるのも珍しいことではない。来週の月曜日まで待って届かなかったら確認のメールを入れようかな、と、のんびり構えていたわけである。この間、他の物件の落札やらもしていたし、はっきりいって、この件は忘れていた。

 ほぼ一週間後の日曜日に、「未だに振り込みが確認できませんし、何度メールを送っても(返事をいただいたのは最初の一回だけで)返事が来ません。これでは取り引きをする意志が無いと判断せざるを得ず、今日の午後じゅうにお返事をいただけない場合は、落札を削除させていただきます。この場合、ヤフー・オークションのシステムによって「非常に悪い」という評価が付いてしまいますので、ご注意ください」、というメールが届いた。この時点で、私はこれを「悪戯メール」と判断した。実は伏線があって、このメールの送信者からは、「過去一週間ほど」何度もメールが送られてきていたのである。それも、件名が「倉田様」で、本文が「発送準備は出来ていますが、振込確認ができません。」というだけのメールである。あからさまに怪しい。なぜなら、「振込忘れの案件など、ひとつも無い」からである。(それは手帳で厳密に管理している。)つまり単なる悪戯メールである。それがエスカレートして、「ヤフオクの「評価」」ネタを絡めて、さらに「信憑性」を高めてきた、というわけさ。大体、送信者のアドレスが、「***@mail.goo.ne.jp」である。いかにも、使い捨てっぽいではないか。もちろん、ただの一度も返信はしていなかった。

 それでも一応、ヤフオクの「マイ・オークション」のページに行って、落札したまま振り込んでいない案件が無いかどうか、確認した。ここで初めて、この送信者が、私が落札した例の物件の出品者であることに気がついた。つまり、悪戯メールではなかったのだ。「メールアドレスで判らなかったのか?」、と言われれば、「判らなかった」、としか答えようがない。なぜなら、最初にメールをこちらから送信した時は、メールアドレスへのリンクをクリックしただけであって、(確かに「読める」状態ではあったが)手入力したわけではないので、憶えているはずがない。

 しかしこの段階に至っても、なお、私は、「この出品者は勘違いをしている」、と、信じて疑わなかった。なぜなら、「とっくの昔に振り込んでいる」からである。そこで私は、「チッチッチッ。すぐに「振込処理」した旨、メールしているじゃありませんか。読んでないんですか?」、と、難詰する返信を書き始めたのであるが..ふと気になって、りそな銀行のページから、ここ最近の入出金の記録を確認してみたら..

 ..仰天した! なんと、S銀行に振り込みした形跡が無いのである。なんらかの手続きミスが発生していたのだ。今にいたるまで、そのことに気がついていなかった。つまり、出品者からの「振り込まれていない」というメールは、全て真実だったのだ。そしてそれを私は無視し続けていたわけだ。なんと、この私が、一方的な悪者だったのである!

 慌てて振り込もうとしたが、今は日曜日であって、今日中には振り込めない。返事は書けるが、ここまで迷惑をかけた以上、一気に振込まで終わらせるべきだ。ぱるるなら即日振り込めるが、今は郵便口座に残高がない。そこで中央郵便局まで車を走らせて入金し、帰宅してからネットで振り込んだ..考えてみれば、郵便局で振り込めば良かったようなものだが [;^J^] そこまで慌てていたのである。

 いくつもの不運とポカが重なっていた事件ではあった。

 1.S銀行への振り込み処理が失敗していた。これは信じられないことであった。いまだかつてこんなことは無かった。

 2.しかしそういう事態が起こりうる、という想定で、翌営業日には確認するべきであった。これは、従来、こういう事故に遭遇していなかった私の「平和ボケ」であり、リスクマネージメントに拙い点があったと反省すべきである。

 3.出品者からの「督促メール」にも、問題があった。上記のとおりの「件名」と「本文」であり、これではなんのことか、全くわからない。これだけ読んだ人が、「悪戯メール」と判断するのは、当たり前である。これは、彼に(本当は)反省を求めたいところである [;^J^]。ちなみに私がヤフオクがらみの連絡をするときは、出品側の立場でも落札側の立場でも、必ず、件名は「ヤフオクの件:(品名)」とし、本文には「品名」「落札価格」「オークションID」を入れている。モノとカネが動くのだから、このくらいの配慮は当然である。今回、「最後通牒」のメールで初めて「ヤフオク」に言及されたので、気がつくことが出来たのは、まだしも僥倖だった言えようか。

 4.背景として、特にここ1ヶ月ほど、「簡素な件名と本文による悪戯メール」を毎日多数受信している、ということがあげられる。実際には「悪戯」なんて可愛いものではなく、「とにかく返信させる(返信させて有効なメールアドレスを取得する)」ことを目的としている、悪意あるビジネスである。この類と全く見分けがつかなかったのだ。これは「不運」と言える。

 ま、とりまとめて言えば、「確認しよう」ということになる。「あからさまに怪しいメール」も、簡単には捨ててはいけない時代だということか。やれやれ..

 アマゾンでのクレジットカード情報の変更時のミスの後始末も、本日完了。この件の説明は、さらにややこしくて面倒なので省略する。

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*2004年10月05日:コンプリ癖という業病


 アマゾンのマーケットプレイスで発見/発注していた「昇天コマンド」(ワニマガジン・コミックス)が届いた。これで西川魯介の既刊単行本は、全て揃った。(揃えてどーすんだよ。[;^.^])

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*2004年10月06日:右か左か


 トーホーシネマを愛用している(といっても、シネマイレージカードを作ったのは、実は今年になってからである)のだが..最近、少し迷うことがある。私は毎回、ビールを買うのだが、このコップを右側に置くか左側に置くか、である。

 この映画館のシートには、左右両側に(どちらの席からも利用できる)コップホルダーがついている。(つまり、シートの数よりもコップホルダーの数の方がひとつ多い、植木算的状況である。)私は従来、迷いもせずに、左側に置いていた。ところが最近になって、右側に置く人の方が多いことに気がついたのである。

 不思議である。多くの人は右利きだと思うが、右手でコップを取る場合、左側から取る方が取りやすいからである。右隣りの人を肘で小突かずに右手で右側から取ろうとすると、ワキを引き締めて上体を軽く捻らなくてはならない。(ひとり格闘技..[;^.^])「右手で取り扱うものは右側に置く」、という思いこみが蔓延しているのではないかなぁ。

 まぁ、シートの構造上、別にどちらが正解というわけでも無いのである。私は特に主張もせずに、隣りの人に合わせて対応している。右に座った人が「左側派」であれば、左に置くし、左に座った人が「右側派」であれば、右に置く。しかし..確率論的に、いずれ必ず、「左側派が右に座り、右側派が左に座る」という破局に追い込まれることであろう..[;^.^]

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*2004年10月07日:恐怖の扉


 私は体質的に(遺伝的に?)朝が早い。単に早起きなのではなく、出社時刻が(要求されている以上に)早いのである。勤務先のフロアに着くのは、始業時刻より1時間半前の7:30であり、私より先に着いている社員はひとりしかいない。(この人はシフト勤務で7:00から仕事をしているので、実質的には、私が、朝一番に到着しているわけだ。)ま、クセみたいなものであるのだが、おかげで、出社時刻には、まだひとけが全然ないのである。

 さて、仕事場は建物の3階にあるのだが、階段室とその先の廊下のあいだに防火扉があって、それは出社時刻には(清掃業者さんたちによって)開いている。開く向きは階段側(つまり、階段から見て手前側である。)ロックがしっかりしていないので、閉まらないように、ゴム製の「輪留め」がはさまれている。

 今朝、7:28。いつものように階段を登って、いつものようにその扉に近づいたら..何かのはずみでその輪留めが外れて、私の歩調に合わせて、私の目の前で、スーーーッと、閉まったのである..

 ..これは恐いよ [;^.^]..「逆自動扉」というシンプルなトリックは、「疎外感」のツボを、強烈に突くのであった。[;^J^]

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*2004年10月08日:野良犬について


 昨日の日記から、「恐怖」つながりである。地域にもよると思うのだが..私はもう何年間も、野良犬を見た記憶がない。ことごとく駆除されてしまったのだろうか? 確かに、野良猫よりは危険な(ことがある)存在であるから、「片付ける」ことに反対はしないが、しかし、「人間にコントロールできない生物が存在しない環境」というのも、異常な話ではある。

 私が最後に?野良犬を見たのは..確か、学生時代である。「郊外」よりはやや「田舎」よりの地域に、大学と下宿があったのだが、近くにある「運河」の土手道を、自転車で走るのが好きだった。とある日、素晴らしい夕焼けを堪能しながら走っていたら..大きな野良犬がいたのである。表情は読めない。害意は多分、無いと思うが、確信は持てない。刺激したくはない。ヘタに走って逃げたりしたら、追いかけてくるかも知れない。逃げ切れるはずがない..

 そっとその場を静かに離れた。別に着いて来はしなかった。人通りがいくらかある道に辿り着いて、ほっとした..

 恐かった。確かに恐かった。私は大学生だったからまぁよいとしても、幼児や小学生がいる環境に、こういう(大きくて不気味な)野良犬がいるべきではない、と思った。しかし..日常生活の片隅(あるいは裏側)に、こういう「闇(恐怖)」が存在することは、精神形成上、重要なことではないかとも思う。「恐怖」を「飼い馴らす」という訓練は、確かに必要なのだ。言うまでもなく、昨今、別の種類の「恐怖」が、日常生活と隣り合わせて蔓延しているのだが..それら(多くは人間に由来する)「恐怖」よりも、「野良犬」の恐怖の方が、(逆説的だが)「健全」で「滋養になる」と思うのである..

 台風、襲来。(本土上陸は、今年9つ目だったか?)明日、上京する予定なのだが..(明日の花博は、既に臨時閉場が決定している..[;^J^])

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*2004年10月09日:上京中止


 やめた。上京、中止である。夕方から夜にかけて、首都圏はエライことになるらしい。明日には通り抜けるはずなので、今日は一日大人しくしていて、明日、上京することにしよう。

 朝から雨が降ったりやんだり。時々、猛烈な雨量になるが、それも長くは続かない。14時頃にはほぼ降りやんだ。浜松への直撃は避けられた模様である..

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*2004年10月10日:大楽器祭/新装丸善


 というわけで、8:45のひかりで上京である。3連休の中日でもあり、昨日足止めされていた人もいるだろうし、さすがにいくらか混んでいたが、静岡からは座れたので助かった。

 まず、秋葉原。オシャカになったリブ100のバッテリーを、チチブに持参して廃棄を委託。石丸3号店でCD少々..またひとつ、大きなアダルトショップが大通り沿いに開店している。なんだかなぁ..私は、アダルトショップの存在自体は絶対に否定しないが、しかし場所柄というものがあるだろう。裏通りに作っていただくぶんには、なんの文句も無いのだが..

 徒歩で神保町へ。日曜日だし、半数以上の店が閉まっていることは承知しているのだが、しかしやはりここを歩かないと、東京に来たという気がしなくてねぇ。[;^J^]

 地下鉄で東池袋。サンシャインシティ(厳密には文化会館)で開催されている「大楽器祭」が、今回の上京のメーンイベントである。無論、勤務先も出展しているのだが、出張ではなく、あくまでもプライベートである。

 「大楽器祭」というのは、新製品の発表やディーラーとの商談を主体とするフェアではなく、あくまでも参加型。今年は「その気になったらミュージシャン」という標語がかかげられており、アコースティック楽器から電子楽器にいたるまで、とにかく、叩いて、吹いて、弾ける場である。トランペット、フルート、サックスなどの体験教室も開催されている。比較的手狭な会場のいたるところで、「叩いて、吹いて、弾いて」いるので、うるさい、うるさい [;^J^]。でも、それが音楽(体験)の根元的な楽しみではなかろうか。(幼稚園のお遊戯の時間は、やはりうるさかったはずである。)

 無論、勤務先のブースも訪れる。一般の方々の邪魔にならない立ち位置で、どの製品をどのように触って、どこに興じて、どこに戸惑っているのかを観察する。「三柴理 Electric Trio ライヴ」のデモ演奏も聴く。(凄い混雑。)私が開発に携わった製品の使いこなしぶりが、まことに興味深かった。

 閉場の1時間くらい前には(疲れたので)引き上げ、東京駅へ。最近、新装開店した丸善の視察である。丸ノ内オアゾとかいうビルの中にオープンしたのだ。

 ふ〜〜〜ん..なるほど。確かに、フロア面積は広い。時間も無かったので、1F、2Fはパス。3Fには文庫、新書、美術書がある。私が利用するとすれば、このフロアがメインになるはずだが..文庫エリア。確かに数はあるが..実は見かけほどタイトルが揃っていない。棚差しになっている文庫が、2冊、3冊とだぶっているケースが、非常に多いのだ。実質半分..とはいわないまでも、みかけの2/3ぐらいの品揃えである。「水増し」と言われても仕方があるまい。

 文庫エリアに隣接してコミックコーナーがあるが..あまりにも中途半端。なんの役にも立たたない。丸善にコミックの品揃えを期待している客などいないと思うので、こんなのは全廃して、その分、文庫や新書を拡充すべきではないのか。

 それより何より、このフロアの大問題は、レジである。一個所しか無いのだ。窓口の数は多いのだが、それでも、この広大なフロア面積にたいして、完全にキャパが不足しており、呆れるほどの長蛇の列が出来ている。(整理担当先任者が複数名、必要なほどである。)「東京駅前の」丸善を訪れる客というのは、多忙なはずである。こんなのに並んでいる暇は無い。購買意欲が失せてしまう。実際、私は、美術書を5冊ほどピックアップしたのだが、ここで購入するのは諦めて、書名と出版社名を手帳にメモしたのであった。帰宅してからアマゾンに発注するのである..こんな寂しいこと、させるなよ..完全に店舗設計ミスである。半年以内に模様替えすることを、強く希望する。

 4Fの洋書売場は、それなりに広く、品揃えも豊富。しかし..これだけ広いと、逆に、「いちコーナーとしてではなく」、普通の書店としての評価をしたくなってしまうわけで、そういう目で見てみると、(逆説的だが)なんということもない平凡な品揃えの書店、ということになってしまうのであった。画集が多いのは嬉しいが、探し方が悪いのか、DOVERが全然見つからなかった。ま、八重洲ブックセンターと併用する必要は、依然として残っているわけだ。それはそれで構わない。

 それにつけても、もう8年前になるが、池袋のアールヴィヴァンが閉店したのは本当に痛かったことである..

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*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Oct 13 2004 
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