*2003年02月03日:「幽霊艦長」
*2003年02月04日:古老は語る
*2003年02月05日:想いは漂泊(少し違う [;^J^])
*2003年02月06日:キングギドラに乾杯!
*2003年02月07日:ルネ・ラルーのアニメを買う
*2003年02月08日:「恐怖症博士」
*2003年02月09日:プロの鉄則
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*2003年02月03日:「幽霊艦長」


 水木しげるの数多い戦記物の中にあって、「幽霊艦長」という作品がメジャーなのかマイナーなのかは、よくわからない(知らない)が..私はこれが「少年」誌の1967年9月号の別冊付録として発表された時点で、リアルタイムで読んでいる。傑作だったと思う。(遙か後年になってから古書店(通販)で入手し、今も手元にある。)

 タイトルから連想されるような怪奇物ではない。「幽霊艦長」という綽名どおり不気味な雰囲気を漂わせているが、極めて有能な駆逐艦の艦長の物語である。この物語の序盤のエピソードが、子ども心に(妙な形で)残っていた。

 ラバウルからガダルカナルに食糧を運ぶための艦隊。米軍の待ち伏せを受けて夜戦となる。その時、(艦隊の指揮を執っていた)この艦長は、(敵艦隊を視認できない状況下にあって、)自分の弟が乗り込んでいる艦のみを、敵艦隊の方向に突入させたのである。当然、敵艦隊の集中砲火を浴びて、この艦は沈められるのだが、それらの砲火を目標に魚雷群を放って、敵艦隊を壊滅させたのである。

 つまり、一艦を犠牲にすることによって、戦闘に勝ったのである。そして(よりによって)肉親が乗っている艦を犠牲にしたのは、「米を積んでいないのは、その艦だけだったから」なのだ。つまり、食糧の輸送こそが、至上任務だったのである。

 その理屈は、子ども心にも、明確に理解できた。しかし、それはそれとして、格別に「米」が好きでも嫌いでもなく、多様な味がする「おかず」の方が好きな子どもであった私には、「食糧」=「米」と言わんばかりの表現は、いまいちピンとこなかったのであった。

 「お米がなければ、お肉を食べればいいのに..」

 (..マリー某..[;_ _][;^.^])

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*2003年02月04日:古老は語る


 ドラクエどころかファミコン(スーファミに非ず)よりも昔の時代の物語。1980年頃かなぁ? 初めて「アドベンチャー・ゲーム」というものが輸入・紹介されはじめた頃のことである。

 当時、アップルII(Macに非ず)用のゲームソフトが、FM−7(FM−8だったかも)用に移植・販売されはじめていたように記憶する。(あなたは私の記憶を、いっさい真に受けてはならない。[;^J^])これらはもちろん言うまでもなく、昨今の「ゲーム」とは全く別世界でしてね..リアルタイム性は皆無で、単なるインタラクティブ紙芝居。その「絵」も、Basicの「lineコマンド」でチンタラチンタラ線を引っ張って、「paintコマンド」でユッタリまったり色を塗って..の繰り返しで..しかしこれが何とも趣のあるものであったのだが、まぁ、今夜のところは、それは本題ではない。

 それらのうちの、とあるゲームのソースコードを見る機会があったのである。当時のゲームソフトの常として、一応「プロテクト」はかけられていたのだが、これが(確か)「Basicプログラムのソースリストが出力されないようにする、Basicのコマンド」という、なんとも湯たんぽのようにヌクヌクにぬるいもので、ちょっと「マシン語」の心得があるものには、簡単に外せてしまうものであったのである。で、仲間たちと、そのプログラムのソースコードを追ってみたのだが..

 ..なんとも不思議な雰囲気のBasicプログラムであった。やたらと細かい単位でジャンプする。一文の“息が短い”..つまり、Basicらしい「マルチ・ステートメント」や高度な制御文がなく、極めて単純な条件判断(条件分岐)と、変数のロード・ストアしか行っていない..なかでも極めて多用されているCYという名前の変数があり、それには1か0しかストアされない..

 ..「キャリーフラグか! これ!」

 そう、この「アップルIIからの移植ソフト」は、なんと、6502(アップルIIのCPU)のマシン語プログラムを、FM−7のBasicインタープリタでシミュレートしていたのであった。

 「(動作が)遅いはずだぜ〜〜〜っ!!(詠嘆)」..

 ..とかいうことも含めて、良き時代だったと思うのである [;^J^]。あなたはそうは思いませんか?

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*2003年02月05日:想いは漂泊(少し違う [;^J^])


 6〜7年前ではないかと記憶しているので、恐らく10年以上前のことなのだろう [;^J^]。コミック・モーニング誌に「短期連載」された、とある漫画の思い出話である。

 といっても、作品名も作者の名前も憶えていない。女流だったのは確かである。どうやら寡作で(しかも)「仕事が遅い」漫画家らしく、この作品も「短期連載」といえば聞こえは良いが、話の途中でいきなり終わっており、落としたのか、切られたのか、逃亡 [;^J^] したのか..なかなか雰囲気のある作品だっただけに「惜しい」と思っていたのだが..数年前、講談社のウェブページの片隅に、「あの、幻の傑作!」..という位置づけでアップロードされているのを発見したときには、(我が意を得たり、と)嬉しく思ったものである。(今はもう、ネット上には無いようであるが。)

 とある田舎町の町外れの、潰れかけているドライブイン(食堂)。二十代後半とおぼしきそこの(一人暮らしの)主人には、全くやる気がなく、その日暮らしもいいところ。ある日、いつものようにドライブインの隣りの「野原」に放置されている土管か何かの上に腰掛けて、夕陽をボ〜ッとながめていたら..これまたやるき無さげなボ〜ッとした雰囲気の(放浪中の)少女と目が合い..寝場所の無い彼女は、このドライブインに転がり込み(というか“漂い込み”)、これが意外に料理が上手で..最初は(女に対しても“やる気”のない)主人公に、“女”として認識されていなかったのだが、やがて(もちろん)肉体関係が出来て..というあたりで、中断してしまっているのだが..

 この主人公の「やる気の無さ」が、なんとも心地よいのである [;^J^]。最初に土管の上に腰掛けていた彼は、少女の目には「放置されている」ように見えたのであるし..財布の中を確認した彼は、「三千とジャラジャラ円か..ま、これだけあれば..今日いちにちは、十分だ!」..

 ..いいセリフでしょ。[;^J^]

 いい歳こいて、このお言葉。さすがの私も、ここまで言えない [;^J^]。憧れてしまうんだよなぁ..

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*2003年02月06日:キングギドラに乾杯!


 さて、今週は連日、思い出話ばかり書いていることに、あなたはお気づきでしょうか [;^J^]。あまりに忙しくて仕事以外なにもしておらず、ネタが無いのです。[;^J^]

 数日前(数週間前だっけ?)に購入した「三大怪獣 地球最大の決戦」のDVDを、三日がかりで、ようやく最後まで観た。僅か93分の映画なのだが、途中で眠ってしまいますので [;^J^]..もちろん、退屈だからではなく、深夜(午前1時〜2時)に疲れ切って帰宅してから、ウィスキーをがぶ飲みしつつ観ているので、当然の帰結ではあります。

 1964年の公開当時、映画館で観たかどうかは、記憶に無い。その後、少なくともテレビでは観ているはずである。そして、今の目で観ても、これは傑作であると断言できる。なんといっても、(この作品でデビューした)キングギドラの姿が良い!

 世間的には、「怪獣王」といえば「ゴジラ」であろう。しかしわたくし的には「キングギドラ」なのである。とにかく、この異様なまでの幻想的な造形美! 「ゴジラ」的な「生物」は、いちおう、いる。(ティランノザウルスとかね。)「ラドン」や「モスラ」も同様だ。しかし、3本の首と2本の尾と巨大な(蝙蝠型の)翼と「腕の無い」ぶっとい胴体を持つ、黄金色の「生物」と来た日には..!!

 私は、「日本って、(要約すれば)どういう国さ?」、と(外国人に)聞かれたら、「手塚治虫の国さ」、と答えることにしているのだが..「キングギドラを生んだ国さ」、という回答もありうるかな、と、ちょっと思ってみたりもする。

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*2003年02月07日:ルネ・ラルーのアニメを買う


 アマゾンからDVDが3枚、届いた。いずれもルネ・ラルーのアニメで、「ファンタスティック・プラネット」「ガンダーラ」「時の支配者」。前二者は先日、同僚に借りて(2回ずつ)観たものであるが、これは私の「廃墟」に常備しておく必要あり、と判断したので、改めて購入した次第。(いくらかでも廉く手に入らないか、と、ネット上を軽く探したのであるが、送料、送金料、中古であるが故の品質上のリスク、及び、メールのやり取りの手間を考えると、定価より2000円は廉くなければ勘定が合うものではなく、そこまで廉い「出物」も無かったので、素直に新品を購入したのである。あっという間に届いたよ。)

 「時の支配者」は、未見。絵師はメビウスである。楽しみ、楽しみ [^J^]..いつ観られるのか見当もつかないだけに、いっそう楽しみ。[;^J^]

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*2003年02月08日:「恐怖症博士」


 休日出勤。

 「恐怖症博士」(高橋葉介、少年チャンピオン・コミックス)購入。2日前が発売日のはずだったが、私の通勤経路のめぼしい書店では見つけられず、ようやく今日になって、とある店で(平積みではなく)「棚差し」されているのを保護したのである。泣ける話や。[/_;][;^.^]

 ま、連載18回(単行本1冊分)で終わっちゃったしね..率直に言って、大した作品ではない。高橋葉介の「少年チャンピオン」誌上の連載は、「学校怪談」のプチヒット(?)以来、「KUROKO −黒衣−」、「恐怖症博士」、と、着実にアレしている [;^J^] ので、要注意である。[-人-][^.^]

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*2003年02月09日:プロの鉄則


 休日出勤。

 まぁ、食事と睡眠以外のプライベートタイムが(ほとんど)無いほど忙しいわけだが..実は、少しも! 全然! ひとっつも! 辛く無い。それどころか、毎日毎日楽しくて楽しくって、仕方がない!

 なぜなら、現在最後の追い込みと仕上げにかかっている新製品(既に発表されているのだが、やはり念のために機種名は伏せておく)は、私が購入する製品だからである。今後少なくとも数年間は、私のプライベートタイムを豊かにしてくれる製品だからである。それを自分で(チームの一員として)作ることが出来るのである。これほど楽しいことが、またとあろうか!(思えば長年使ってきた「XP−50」も、私が開発に関わったシンセサイザーであり、私の想いが込められているのであった。)

 ..しかし、ここで注意しなければならないことがある..というか、絶対に忘れてはならないことがある。

 それは、「“自分のための”製品を作ってはならない!」、ということである。

 私がこの製品の仕様を決めているわけではない。しかし、まとめ方の細部についてのデシジョンを下したり、相談に乗ったりする立場にある。この段階で、「私のための」決定をしてしまう可能性がある。つまり、極端なケースを考えると、「この製品(の、その仕様)を嬉しがるのは、全世界で“私ひとりだけ”」になる可能性があるのだ。

 あとは、多言を要しまい。ここが“プロ”としての正念場なのである。

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*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Feb 13 2003 
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