*1996年04月29日:漢字の思い出しかたについて
*1996年04月30日:ウルトラセブンと乱歩に捧ぐ
*1996年05月01日:飽食について
*1996年05月02日:「ブッダ」のチェック
*1996年05月03日:「ブラック・ジャック」に逃避する
*1996年05月04日:未収録作品リストに逃避する
*1996年05月05日:「手塚治虫エンサイクロペディア」との照合に逃避する
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*1996年04月29日:漢字の思い出しかたについて


 漢字変換なしでは漢字がほとんど書けない、というのは、今の時代では当たり前の話である。私も、手書きの手紙(手書きでなくては通用しない種類の手紙が存在するのだ。時代錯誤も甚だしいが、仕方がない)を書く場合でも、コンピュータをたちあげて変換しながら書いたりする(ちなみに私は(キートップに刻印されている場合は)カナ入力派である))。

 では手元にコンピューターが無く、しかも漢字を思い出せない場合にどうするか。理屈から攻める場合と、体から攻める場合がある。前者は、「これは物品の授受に関する概念だから、『貝』がつくのではないか…」という思い出し方、後者は、要するに指が覚えているかも知れんと、心を虚しくして自動書記を試みる方法。(この世に存在しない文字を発明することの方が多いが。)

 今朝がた、私は『暇』という文字を失念してしまい、後者の方法で思いだそうと試みた。目を閉じて精神統一した私の指先が何をしたかというと..

..左人指し指、右人指し指、右親指の順に、押下したのであった。

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*1996年04月30日:ウルトラセブンと乱歩に捧ぐ


 ハードディスクを引っかきまわしていたら、fj.jokesに投降した、まずまずの作品が出てきた。

Subject: KAMEN WRITER
Message-ID: <3976@rdnew3.roland.co.jp>
Date: 14 Feb 93 04:45:05 GMT

である。(以下、fj.jokesより引用)

 ローランドの倉田わたるです。NIFの推理小説フォーラムのパロディの部屋で、(古くからある遊びですが)小説の題名を(出来るだけ沢山)織り込んでショートショートを作る、というのを、乱歩の作品でやった人がいます。(闇に蠢く陰獣・影男! という調子で。)

 で、我慢できなくなって [;^J^] 使われなかった残りの題名を使って、続編を書いてしまいました。(前編(本編)の主人公、仮面ライターを引き継いでいます。)とにかく、黄金仮面、黒蜥蜴以下、美味しい所を全部使われてしまったので、苦労したした。[;^J^] おかげで、いささかマイナーな作品まで動員する羽目になりました。もう数では話にならないので、別の趣向で勝負しました。一部修正したものを、紹介しますね。

 乱歩作品と、ウルトラセブンの印象を大事にしたい人は、読まない方がいいのかも知れません。[;^J^] (例のシリーズの第3作ではありません。)また、「猟奇の果」「孤島の鬼」両作品について、僅かながらネタバレに近い記述があります。私はこれはネタバレとは思いませんが、乱歩が好きで、しかもこの両作品をまだ読んでいない人は、読まない方がいいでしょう。(とっとと両作品を読め! ["^J^] と、言いたい。)

 (以下、NIFのFSUIRIより引用)


 わたるです。暴走モード故、御迷惑をおかけします。[_ _]


☆新シリーズ・第1話 姿なき挑戦者

 黒手組を壊滅させた仮面ライターは、しばしの休息を楽しもうとしたが、ヒーローに安息の日は来ない! 再び恐るべき敵が挑戦してきたのである!

 彼は、変身するしか能の無いヘボ探偵、明智小五郎に身をやつし、怪人二十面相と飽くことなき抗争を開始したが、明智と二十面相が一人二役だったという驚愕の真相! この大芝居は、仮面ライターの姿を隠し、真の敵の目を欺くためであったのだ! その真の敵とは、秘密結社「二銭銅貨」!! 第一の刺客・屋根裏の散歩者は、家屋敷のあるところであれば、どこにでも屋根裏を伝って移動出来るという、神出鬼没の怪人であったが、ライターは、彼を、屋根裏の存在しない近代工法の新興住宅地に追い込むことにより、辛くも勝利を収めたのであった!


☆第2話 湖の秘密

 のちに湖畔亭事件と呼ばれることになる、とある湖のほとりで起きた怪事件! 電人Mは電気怪獣エレキングに変身し、ライターを苦しめる!


☆第3話 狙われた町

 自動販売機に贋の商品を仕込み、それを飲んだ人間を気○いにしてしまおうとした男がいた! 仮面ライターに見破られると、悠然として彼とちゃぶ台をはさんで会談し、洪笑と共に姿を消した! 「二銭銅貨」きっての頭脳派参謀で、稚気をも合わせ持つこの男の名は目羅博士、やがてなまって「メトロン星人」と誤って伝えられることになる!


☆第4話 あなたはだあれ?

 「二銭銅貨」の恐るべき陰謀! それは手下達に完璧な整形手術を施すことにより、次々と無辜の人間を殺し、その人間に化けて入れ代わっていくことだった! しかし余りにも完璧な整形手術だったが故に、彼らはアイデンティティを見失い、猟奇の果てに自滅して行くのだった!


☆第5話 悪魔の住む花

 「二銭銅貨」の驚嘆すべき科学力! 彼らは悪魔的な微小生物を作り出し、花にひそませ、その花に触れた女性の体内に潜り込ませたのだ! その名も一寸法師! 仮面ライターは故アシモフ博士の霊を呼び出して支援を求め、自ら超小型化してその女性の体内に潜り込み、この恐るべき敵を倒したが、女性の生命を救うことは出来なかった! 一寸法師の死体は体内で化学変化を起し、女性の死体は大量の虫が湧きだしたかのごとき、おぞましき変貌を示したのであった! 虫、虫、蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲..、と。


☆第6話 地底GO!GO!GO!

 「二銭銅貨」の野望は地上にとどまらない! 地底世界を掌握し、地下からの世界征服を狙う悪辣な計画に立ち向かうライター! 彼を阻む敵怪人は、地底では無用な視覚を取り去り、代わりに触覚を極度に発達させた、不気味さでは「二銭銅貨」中でも比類の無い、盲獣!


☆第7話 北へ還れ!

 「二銭銅貨」は、極地へと転進する! 北極のとある灯台こそは、この極悪非道の組織の建てた、幽霊塔のカモフラージュされた姿! この塔から発せられる怪光線が、飛行機の操縦を狂わせるのである! そして今、北極圏に向かったライターの飛行機に、怪光線が!


☆第8話 ライター対にせライターの対決!

 やはりと言うか定跡通りにと言うか、仮面ライターの偽者が現れた! その名も、ゴーストライターだ! 彼は仮面ライターの心理試験で馬脚をあらわし、逃走した!


☆第9話 人間牧場

 想像を絶する醜悪な謀略! 「二銭銅貨」は、女性の胎内におぞましい胞子を植え付け、人外の生命体を産ましめ始めたのである! 「二銭銅貨」よ、お前はそれでも人間か?! この恥ずべき作戦を指揮する敵将軍、地獄の道化師とライターとの戦いが、今!


☆第10話 ウルトラ警備隊西へ

 人類の裏切り者「二銭銅貨」は、ついに宇宙人と手を握った! ペダン星人の恐るべき合体ロボット、「青銅の魔人」が飛来する! 仮面ライターも、青銅の魔人には手も足もでない! 危うし、ライター! 危うし、人類!


☆第11話 第四惑星の悪夢

 仮面ライターの戦場は、宇宙にまで広がった! 第四惑星、即ち火星の運河で、ロボット長官と渡り合うライター!


☆第12話 遊星より愛をこめて

 (第12話は慣例により、一切の史料から抹殺され、欠番とされた..)


☆最終回 史上最大の侵略

 ついに、最凶最悪の敵、「二銭銅貨」の首領、孤島の鬼との決戦の時を迎えた! 孤島の鬼は全人類を不具者に改造すべく、恐るべき侵略を開始したのである! しかし、これまでの戦いで疲れ果てていた仮面ライターに、変身して戦う力が残されているのであろうか?!

「文代.. 僕は、僕はね.. 人間じゃないんだっ! 幻影城からきた、仮面ライターなんだ!」

(音楽:ピアノ協奏曲 イ短調 シューマン作曲)

「え!」
「びっくりしただろう?」

「うぅん.. 人間であろうと、宇宙人であろうと、小五郎さんは小五郎さんに違いないじゃないの」

 ………

「待って! 小五郎さん! いかないで!」

「堀越捜査一課長がピンチなんだよ!」

 文代夫人を振り切って、明智小五郎は仮面ライターに変身し、孤島の鬼との決戦に向かう!

 ..熾烈な戦いの末、ついに斃された孤島の鬼! 改造人間・孤島の鬼は、死の間際に人間としての意識を取り戻したのだろうか、謎の様な言葉を呟いたのである。

「うつし世は ゆめ..」

 仮面ライターは、何を思ったのか。

 この恐るべき敵の心に、何か通じ合う物を見出したのだろうか。

 ガクリと息を引き取った孤島の鬼に、そっと囁きかえしたのである、

「よるの夢こそまこと..」

と..

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*1996年05月01日:飽食について


 私のホームページの紹介を掲載したという、某単行本をチェック。「吾妻ひでお 著作リスト」のページのみの紹介である。内容には問題はない。しかし、書店の店頭で判断する限りにおいては、インターネット=ポルノであるなぁ。無修正写真も無修正動画も、一週間も漁れば飽きてしまうんだけどね。遥かな昔に聞いた話だが、ケーキ屋は新米丁稚をケーキ責めでもてなすという。最初のうちは嬉々として食いまくっている丁稚も、一週間もすると、ケーキの匂いを嗅ぐのもいやだ状態に陥るそうで、そうなってから厨房に入れるそうな。もはやつまみ食いをする恐れはないからである。(嘘か本当かは知らん。)そんなことを思い出した。

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*1996年05月02日:「ブッダ」のチェック


 午後、半休を取って、横浜の実家に帰省する。半休を取ったのは、江戸川橋の現代マンガ図書館に寄って、手塚治虫の初出誌の調査をするためである。「ブッダ」の初出誌「希望の友」を、50冊ほどチェックする。

 ここで解説しておくと、国会図書館は閲覧無料、但しターンアラウンドタイムが異常に長く(30分以上かかる)、しかも1回に借り出せる漫画雑誌は、積んでざっと50センチ位まで。そして請求票を出せる時間帯が午前、午後とも長くはない。つまり冊数を稼げないのである。対して現代マンガ図書館は、1回に借り出せる冊数に制限はなく、ターンアラウンドタイムも、極めて短い(基本的に、すぐ出て来る)。自分の処理能力次第で、1日で300冊以上チェックすることも可能であるが、1冊あたり100円の閲覧料が、かかる。ここで使い分けの必要が生ずる訳である。

 手早く片付ける必要がある時は、有り金はたいて現代マンガ図書館である。しかし今回の手塚治虫プロジェクトでは、拙速は要求されていないので、国会図書館にある雑誌は、全て国会図書館で(日数をかけて)読むことにする。現代マンガ図書館は、国会図書館にない初出誌を閲覧するためにのみ、使う。

 「希望の友」は、ごく一部しか国会図書館に蔵書されていなかったのであった。しかし、これはどうも、かなり「全集」収録バージョンと異なっているぞ。全集にはベトナム戦争の幻視のシーンはなかったはずだ。これは全集と照合しながら読まなくてはならない。やれやれ大変だ。(こんなことなら、全集の「ブッダ」の巻を持参するんだった、と悔やんだ、間抜けな私であった。何故なら後から思い出すと、現代マンガ図書館に、手塚治虫漫画全集の「ブッダ」の巻は蔵書されていたからである。どうも私はここで古い雑誌をさんざん閲覧してきたが故に、単行本を借り出すということに、思考が向かなかったようだ。)

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*1996年05月03日:「ブラック・ジャック」に逃避する


 昨夜帰省して早速取り組んだのが、「ブラック・ジャック」の、全集未収録エピソードの解説の執筆であり、引き続き今日も書き続けている。全集未収録エピソードの大部分は少年チャンピオンコミックスに収録されており、これは全て実家にある。少年チャンピオンコミックスにも収録されていない、初出誌にあたらなければ読めないエピソードが8話ほどあるが、これらはいずれ国会図書館で読むことにする。

 逃避である。今は「ブラック・ジャック」ではなく、「ジャングル大帝」、「リボンの騎士」そして「ぼくの孫悟空」の解説を書かなければならない時なのだ。(これらは執筆用に持参して帰省したのである。)

 もちろんノートパソコンもモデムケーブルも鞄の中に入れて、帰省したのであるが、モデムを入れ忘れていた。おかげでNIFにもInternetにもアクセス出来ず、執筆は大いに捗った。

 横浜のデパートで「猫」の展覧会があるとかで、家族に連れられて見に行く。ペルシャ猫とかシャム猫とかをガラス越しに見るという趣向であるが、さすがは猫だ。ほとんど例外なしに、人間に尻を向けて昼寝している。ごくたまにサービスのいい猫がいて、起きて活動しているが、なかでも見事だったのがメイクイーン種。ライオンのごときタテガミが美しい、巨大な顔と胴体の猫である。

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*1996年05月04日:未収録作品リストに逃避する


 「手塚治虫物語」巻末リストから、未収録作品リストを起こしはじめる。逃避である。「西遊記」は実家にはあるが、浜松の自宅には置いておらず、浜松中央図書館でも貸し出し中だったので、実家にいる間にこれを参照しながら「ぼくの孫悟空」全8巻の解説を一気に書く予定だったのだが、手付かずである。(それでもなんとか「ジャングル大帝」の解説だけは、書き上げた。)

 一般論として、逃避行動の生産性は素晴らしく高いものだ。深夜にはリストはほとんど完成する。

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*1996年05月05日:「手塚治虫エンサイクロペディア」との照合に逃避する


 ノートパソコンにセットしたまま持ち帰った「手塚治虫エンサイクロペディア」のCD−ROMと「手塚治虫物語」巻末リストから起こした未収録作品リストとの、照合を始める。逃避である。明日には浜松に帰るというのに、もう今日じゅうに「ぼくの孫悟空」の解説(全8巻、全くの手付かず)を仕上げるのは、不可能である。

 逃避行動の生産性は高い。深夜には照合が終る。

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*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: May 5 1996 
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