E・フィルポッツ「灰色の部屋」


 呪われた部屋の秘密は、ボルジア家の殺人家具による自動殺傷。同じネタによる(別の作者の)短編があり、そちらの方が遥かに引き締まった仕上がりだが、単純に比較するのはアンフェアだろう。恐らくこちらの方が古いし。しかし殺人マットレスの秘密が、未知の新元素と言うのは..(おろおろ。[;^J^])ルブランによる、前年の「***」では、発見されたばかりのラジウムを起用しており、明らかにそちらの方がファンタスティックなのだが。(まぁ、ラジウムではこういう悪さはできんわな。)(1921年の作品である。)最後に錬金術師に振ったのは正解。

*創元推理文庫


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Jul 15 1995 
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