ラヴクラフト「エーリッヒ・ツァンの音楽」


 とある坂の多い街の、ほぼ頂上に近い下宿屋の屋根裏部屋で、夜毎不思議な音楽を奏でるヴィオール奏者。その閉じられた窓からは、街の全景が一望できるかと思いきや、真の暗黒が開いていた。彼は、音楽によって、何と戦っていたのか?という短編。音楽による争闘、というアイデアは面白い。また、街の描写が、簡潔ながらも見事なものである。

*『ラヴクラフト全集2』創元推理文庫


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Jul 15 1995 
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